楽しみな“ボンバーレフト”の出撃!

何をもって有効とするんだ!

当たらないが手数を出しているほうか? 手数は少ないが単発を当てているほうか?

・・・そうして生まれる不可解な採点-。

だったら、エ~イ、面倒くさい! ぶっ倒せばいいんだろ!

少々、乱暴ですが、プロボクシング元WBC世界スーパーフェザー級王者・三浦隆司(33=帝拳)のボクシング・スタイルは、昨今の微妙なポイントの取り合いとは違い、ボクシングの原点である、殴り合い、倒し合い、に徹して不可解なし! 分かりやすさでファンを魅了しています。

だから、世界が“見たい”と、この男に注目するのでしょうね。

この魅力的な“ボンバーレフト”の出番がやってきました。7月15日(日本時間同16日)に米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外イングルウッドの「ザ・フォーラム」で行われるWBC世界スーパーフェザー級王者ミゲル・ベルチェルト(25=メキシコ)へのチャレンジです。

世界の頂点にもう一度立たせたい

王者時代の2015年11月21日、ラスベガス(米ネバダ州)の「マンダレイベイ・ホテル&カジノ」で行われた5度目の防衛戦で三浦は、挑戦者(同級1位)のフランシスコ・バルガス(メキシコ)と倒し倒されの激闘の末、9回TKO負けで王座を手離しました。

それから1年8カ月、三浦が王座に返り咲くか、注目の一戦となります。

王座陥落後、1位にランクされた三浦は、このチャンスを自力で勝ち取りましたね。

今年1月28日(日本時間同29日)に米カリフォルニア州インディオで行われた同級2位ミゲル・ローマン(メキシコ)とのWBC世界スーパーフェザー級王座への挑戦者決定戦です。

この興行では、メーンで王者フランシスコ・バルガス(メキシコ)vs挑戦者ミゲル・ベルチェルト(メキシコ)のWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチも行われ、勝者が挑戦者決定戦の勝者の挑戦を受ける、緊迫感漂うカードが並びました。

三浦自身も、勝てば次があるが、負ければ終わり、という背水の陣での戦い。この試合は凄かったですね。

序盤、接近して加速する連打で攻め込んでくるローマンに三浦は、たまらずに足を使うなど手を焼き気味の展開となります。

そんな中、三浦が最初に勝負を懸けたのが、後半戦開始の7回でした。強打の連発にローマンも応じて激しい打ち合い。それは8回も続きましたが、そのせいか9回を迎えてローマンは失速気味になります。10回、終了間近に三浦は狙いすませたボンバーレフトをボディーに叩き込んでダウンを奪い、その後は11回、最終12回にそれぞれダウンを奪い、12回KO勝利を収めました。

メーンのタイトルマッチは、王者バルガスが負け、三浦の標的は新王者ベルチェルトに変わり、バルガスへのリベンジは果たせなくなりましたが、まあ、しかし、こうして這い上がり、自力で指名挑戦権をもぎ取り、チャンスをつかんでいくことが、三浦の三浦らしさ、といったところで頼もしい限りです。

三浦がもう一度、世界の頂点に立つことができるかどうか、目が離せなくなりました。
スポンサーサイト

亀海がつかんだビッグマッチの価値

ボクシング・ファンには欠かせない、WOWOWが放送する「エキサイトマッチ」の海外情報です。

その番組のプロデューサーを務めるOさんが、5月6日(現地時間)に米ネバダ州ラスベガスで行われたサウス“カネロ”アルバレス(メキシコ)vsフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)でのひと仕事を終えて帰国。その後、村田諒太(帝拳)の相手アッサン・エンダム(フランス)が公開練習を行った5月15日、帝拳ジム(東京・新宿区神楽坂)に姿を見せ、オッ、久しぶりだね、ということになりました。

そのとき、彼が言いました。

〈サトーさん。あのね。「××」がコットとやりますよ〉

周囲の騒音で「××」が聞き取れなかった私が、エッ、誰? 誰がコットとやるって? と聞き返します。

〈カメガイですよ。カメガイ。ちょっと凄いと思いませんか?〉

私はビックリしてしまいました。ちょっと凄い、どころではないでしょう。日本の選手が、あの歴戦の元4階級制覇王者ミゲル・コット(36=プエルトリコ)と戦うなんて! 大変なこと。村田が世界挑戦の機会を得たことと同等、あるいは、それ以上かもしれない出来ごとと言えるのではないでしょうか。

そんなことがあり、村田の試合が終わった後の5月24日、米ゴールデンボーイ・プロモーションが2人の対戦をWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦として8月26日に米カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行うことを正式に発表。同日(日本時間同25日)帝拳 ジム・本田明彦会長も概要を明かし、このビッグマッチがホントに? 実現することになりました。

いやいや、何か日本のプロボクシング界も凄くなってきましたね。

「カメガイ」はもちろん、元東洋太平洋ウエルター級王者・亀海喜寛(34=帝拳)のことです。ここに至ったことは、やはり本人が、着実にキャリアを積んできたことによるものであり、それを評価する人がいた、ということなのでしょう。

元4階級制覇王者コットと王座を争う

1試合の勝ち負けが、その後の人生までも決めてしまうボクシングという競技は、過酷でもあり、また、ビッグな夢をも抱かせるものですね。

亀海は、1982年(昭57)11月12日生まれ。北海道札幌市出身。札幌商→帝京大を経て2005年にプロ転向。同年11月にプロデビューしています。以後、21戦まで全勝。

2011年10月1日(日本時間同2日)、WBC世界バンタム級王者(当時=現・引退)西岡利晃(帝拳)が、日本人初となる米ラスベガスでの防衛戦(3-0判定勝ち)を行ったリングで亀海も前座で米デビュー。ウエルター級10回戦でヘクター・ムニョス(米)に6回TKO勝ちしています。

2016年4月、ベテランのヘスス・ソト・カラス(メキシコ)と対戦=ノンタイトル10回戦=してドロー。同年9月に再戦して、今度は“激闘男”らしく、徐々に相手の戦力を削ぎ、8回終了TKOで快勝。この勝利により、契約を交わしているゴールデンボーイ・プロモーションのマッチメーカーは、これは行ける、と(・・・と思ったかどうかは分かりませんが)次のターゲットをコットに絞った、と伝えられています。

それにしてもコットといえば、世界4階級制覇を成し遂げている歴戦の勇者です。対戦相手をざっと見まわしてみても、マニー・パッキャオ(フィリピン)、シェーン・モズリー(米国)、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)、アントニオ・マルガリート(メキシコ)・・・このキャリアに日本の「亀海喜寛」が加わるのです。

コットは、2015年11月にサウル“カネロ”アルバレスと対戦して判定負けし、それ以来の試合となります。

まあ、全盛期と比べれば、全体的に“衰え”が感じられるのは仕方のないことですが、それでもまた、世界的なスーパースターの地位を保ち、その一角を占める名声が色褪せていることはないでしよう。

メーンイベントで行われるこの試合は、米ケーブルテレビの最王手「HBO」が全米中継する予定ですが、いやはや、亀海も大変な選手に成長したものです。

その努力には、ただただ脱帽! といったところです。

亀海は5月30日、米国に旅立ちました。

ニックネームが何故か、スペイン語で「小さな教授」を意味する「MAESTRITO」-。

亀海は果たして、コットに何を教えることでしょうか。

頑張れヨっ!

悲喜こもごもの有明での世界戦5連発

東京・有明コロシアムを舞台に5月20日の土曜日、翌21の日曜日と2夜連続で行われたプロボクシングの世界戦5連発-。

私も連日、足を運びましたが、ボクシングの取材というものは、試合を含めて周辺に漂う緊張感に記者も巻き込まれ、やはり2日連続というのは結構、体にこたえますね。

今回は特に2012年ロンドン五輪ボクシング(ミドル級)金メダリスト・村田諒太(31=帝拳)が臨んだWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解判定による敗戦! という出来ごとがあり、それが記者たちをグッタリさせていました。

何しろ、村田が勝てば“歴史的出来ごと”ということで、新聞各社は試合の途中、村田有利の情勢に“こりゃ、勝つぞ!”と紙面大展開の準備を開始・・・が、最後の最後に予想外のどんでん返しとなってしまったのですから皆、ガックリです。

2夜目の21日、プレスルームの雰囲気は、どこか沈んでいて元気がなく、いつもは記者連中の雑談でにぎやかな声も聞かれず、静かな中に疲労感だけが漂っている感じでした。

村田の結末に関しては、ボクシング・ファンの皆さん、思い出しませんか? そうです。逆パターンですが、2006年8月2日、神奈川・横浜アリーナで行われたファン・ランダエタ(ベネズエラ)vs亀田興毅(当時19=協栄)のWBA世界ライトフライ級王座決定戦です。

亀田興とダブるエンダム勝利の不可解判定

この試合、初回に亀田がダウンを喫し、その後の反撃もポイントが奪えない状態ながら、出された判定は、亀田が新王者となる不可解判定の勝利を得ました。

ジャッジの採点は、1人が115-112でランダエタを支持、2人が114-113、115-113で亀田を支持した2-1の微妙判定。まあ、この採点は少差ということでまだ、救いもありましたが、今回のようにエンダムを支持した2人の採点が116-111、115-112、村田を指示した1人の採点が117-110とともに大差となっていては、いったいWBAのジャッジはどこを見ているの? どういう教育を受けているの? とあきれてしまいます。

今回の不可解判定に対して、WBAのヒルベルト・メンドサ会長が、自身がつけた117-110で村田勝利の採点表を公表して謝罪、ダイレクト・リマッチ(直接再戦)を行うよう指示を出しましたが、まったくWBAは何をやっているんだ! 命がけでリングに上がっている選手がかわいそうだろ、と非難したくなってしまいます。

まあ、そんなことがあって、何かの文句ではありませんが「事件は常に現場で起きる」ことが実感されます。

激闘王のIBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(大橋)が、何もしないまま、1回に3度のダウンを喫し、わずか2分45秒でTKO負けしてしまったことも、拭い切れない重い雰囲気に輪をかけてしまいましたが、そんな暗雲を吹き飛ばしてくれたのが、やはり、WBO世界スーパーフライ級王者、日本のエース・井上尚弥(24=大橋)の進化し続ける強さでした。

相手がランク2位の指名挑戦者リカルド・ロドリゲス(米国)であっても、もはや、井上の敵ではなく3回、左2発でケリをつけ、5度目の防衛に成功。秋に予定される米進出に向けて弾みとなる勝利を挙げました。

東京・有明の熱い2日間。世界戦5試合の結果は〈3勝2敗〉となりました。

その中で村田が、今後に向けてどんな決断を下すのか、それだけが気になるところです。

歴史的勝利へカギ握る左ボディー

いよいよ“そのとき”が来ましたね~。

果たして歴史的快挙は達成されるのでしょうか。

5月20日の土曜日夜、東京・有明コロシアムで開催されるプロボクシングのトリプル世界戦-。メーンのWBA世界ミドル級王座決定戦で同級1位(暫定王者)のアッサン・エンダム(33=フランス)と激突する同級2位で2012年ロンドン五輪ボクシング(ミドル級)金メダリスト・村田諒太(31=帝拳)です。

2013年4月のプロデビュー戦から約4年。プロ13戦目での世界挑戦。村田が五輪金メダリストだけに、この年月については「やっと来たか」「長かったのでは?」などの声が聞かれていましたが、元世界王者で帝拳プロモーション代表の浜田剛史氏は「遅くはないですね。むしろベストの期間。20代の選手だったら5年はかけたいところです」と話しました。

世界のミドル級は、とにかく層が厚い、強豪が顔をそろえている、だから五輪金メダリストといえど日本人選手がこの渦の中に入っていくことは難しい、と言われます。

浜田氏は「タイトルマッチで勝つ勝たないより、それ以前にタイトルマッチにたどり着くこと自体が難しい」と言います。

その意味で、村田がその機会を得たことは、運にも恵まれた、と言えるのでしょうか。

その運を生かせるかどうか-。

日本人選手がミドル級に挑む難しさ

相手のエンダムは過去、暫定を含めて3度の世界王者経験がある、侮れない選手です。

村田陣営や記者の視線を浴びて行った公開練習でも、隠すことは一切せず、こういう練習を行ってきたんだろうな、という内容を堂々と見せていました。

スピードがあり、フットワークがあり、手数もあり、前進してプレッシャーをかけてくるだろう村田の戦い方を予測して、下がりながらのアッパー、ショート連打、ロープを背にして体の入れ替え、などを重点的に練習していました。

エンダムが言います。

〈ありとあらゆるトレーニングをしてきたよ。村田も私を想定したパートナーと練習してきただろうが、私と同等のパートナーは見つからなかったのではないかな。なぜならエンダムは一人だけだからね〉

このエンダムに対して村田の戦法は、浜田氏によると、序盤はポイントを取られてもいいから、まず相手のスピードに慣れること、スピードに慣れた中盤以降は距離を詰めて攻め込みたい、そしてロープに詰めて打ち合うことが出来れば面白くなる・・・と概略、こんな戦略でした。

そこでカギを握るのが、相手の動きを止める〈左ボディー〉と当たれば倒れる〈切り札の右〉となりますね。

まあ、ボクシングは何が起きるか分からず、勝負は終わってみなければ、といったところですが・・・。

日本人選手のミドル級世界挑戦は過去、5人が7試合を行っていますが、1995年12月に竹原慎二(沖)が戴冠後、翌1996年6月の初防衛戦で敗れ、それ以降は5連敗と日本人選手にとっては遠いタイトルとなっています。

五輪金メダリストの村田が、プロの世界でも頂点に立てば、日本人初の歴史的快挙となります。

さて・・・結果はどう出ることでしょうか。

村田の相手・エンダムはどうだ?

2012年ロンドン五輪ボクシング(ミドル級)金メダリスト・村田諒太(31=帝拳)が、プロボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦(5月20日=東京・有明コロシアム)で激突する同級1位のアッサン・エンダム(33=フランス)はどうでしょうか。

公開練習が行われる5月15日午後1時-。帝拳ジム(本田明彦会長=東京・新宿区神楽坂)に足を運びました。

エンダムは、2日前の5月13日に来日。日曜日の5月14日は時差ボケの解消に務め、この日の練習前の会見では「(時差ボケは)もう心配ない。いいコンディションで来ているよ」と穏やかな笑顔で話しました。

ちょっと驚いたのは、受け答えをちゃんと英語で話し、紳士的な態度を終始、崩さなかったことです。生まれ故郷のカメルーンでは「貧しくて楽な生活ではなかった」と振り返り、それが「自分の今の強さを生んでいるよ」と話しましたが、そうした中でしっかりと自分を律する生活を保っていたのだろうことがうかがえる対応を見せました。

公開された練習は、トレーナーとのミット打ちが中心でしたが、接近して細かい連打、あるいは後退しながらのショート連打、が目を引きました。

視察していた元世界王者の浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)に聞いてみました。

-村田が前に出てくることを想定しての練習でしょうか?

浜田氏「ウ~ン、それもあるかもしれませんが、だいたい、いつも、あんな感じの練習のようですよ」

KO負けしないやっかいな相手

村田陣営は、エンダムをスピード、フットワーク、一発より連打の選手、と受け止めており、浜田氏は、序盤に多少、ポイントを取られてもいいから、スピードに慣れること、中盤以降、プレッシャーをかけて自分の距離をつくり、ボディー打ちで動きを止めたい、序盤に懸かるウエートは大きいですね、としています。

まあ、そうはいっても、なかなか作戦通りにはいかないのがボクシングです。

村田の印象を聞かれたエンダムは、前の試合を観たが、前に出てくるタイプで右パンチが強いね、すべて対応はできてるよ、と余裕を見せていました。

エンダムは、37戦35勝(21KO)2敗の戦績ですが、KO負けがない選手です。

浜田氏が面白いことを言いました。

〈エンダムは、パンチを受けて、ムリせずにすぐに倒れる選手なんですよね。普通は倒れまいと頑張って立ち、次々に打たれてダメージを受けますが、すぐ倒れるから最小限のダメージしか受けず、回復も早い。それがKO負けのない理由です〉

なるほど。初黒星を喫したときの試合は、6度も倒されながらKOされず、判定負けに持ち込んだことが話題となっていましたっけ・・・。

エンダムが言いました。

〈いい試合になると思うよ。彼(村田)と私の試合だからね。ただ、私がリオ五輪に出たとか、彼がロンドン五輪に出たとか、金メダルを獲ったこと、とかはリスペクトするが、それらはすべて過去のことだ。今度の試合がどうかということ。今、対戦することが重要だと思っているよ〉

さすがに元WBO世界同級王者。言葉に重みがあります。

来日のとき、そしてこの日も「私が倒れるときは死ぬとき」と繰り返しましたが、まあ、全体的な印象としては、自信満々の様子。当たり前のことですが、楽な相手ではないなァ、ということでした。
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR