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松山を目指す後進に望むこと

米男子ゴルフツアーのメジャー競技「マスターズ」(米ジョージア州オーガスタ=オーガスタ・ナショナルGC)で日本人、いやアジア人初の優勝を飾り、世界最高峰の“ゴルフの祭典”史にその名を刻んだ松山英樹(29=LEXUS)の快挙は、日本のゴルフ界に大きな影響を与えることでしょう。

女子の宮里藍(引退)が全盛時、父親の宮里優さんがインストラクターを務める沖縄・名護市の大北ゴルフ練習場には、県内外から多くの少年・少女たちが未来の藍ちゃんを目指して集まったものでした。

日本列島を歓喜の渦に巻き込んだ松山の偉業も、これによって底辺がより一層広がる現象を見せつつあります。

この状況は喜ばしいことですが、少年・少女たちジュニアの育成に関して優さんは以前、こんなことを言ったことがあります。

〈子供たちの成長を阻むのは“親の欲目”ですね。親たちの過剰な期待、一日も早くいいボールを打てるようになるように…などの期待が子供たちに重圧を与え、結果、ゴルフをつまらなくさせてしまうのです〉

練習を続けていれば、次第に本人に欲も出てきて、いつかはうまく打てるようになる、親に必要なのはそれを見守る忍耐、それよりこの時期は、球をうまく打つこと以前にまず、練習を通して礼儀とかマナーを覚えることのほうが先、という考えです。

仏料理の食事マナーを覚えろ!

以前の話です。プロの川岸良兼らが日大で活躍していた1980年代後半のこと。恒例の「日米大学ゴルフ選手権」を控えたある日、日本チームを率いた当時の監督が話した言葉が思い出されます。

〈球を打つことより、彼らにはフランス料理のフルコースの食べ方を教えたい〉

2009年の「マスターズ」で4位に入った片山晋呉を育てた高校ゴルフ界の名門「水城高」(茨城県)の石井貢監督(当時)が常に念頭に置いていたのは「(高校生たちが)社会常識を身につける」ということでした。もちろん教員と生徒という教育的立場もあったことでしょうが、部員の指導には、球を打つこと同様にこのテーマに時間をさきました。

3人の指導者は、まだ経験が少ないこの年齢の子供たち、高校生たち、大学生たちに対し、ゴルフというゲームは、ひとたびコースに出て起きるさまざまな問題を、すべてプレーヤーがひとりで判断し、決断し、解決しながら前に進まなければならないのだ、ということを理解させようとしています。

直面する問題には、攻め方のようなマネジメント、それを生かす技の部分もあるだろうし、また、同伴競技者の目が届かない林の中に打ち込んだボールに対する“ホンの出来心”といった心の部分もあるでしょう。

フランス料理の食事マナーはたとえにしても、社会的知識の吸収がゴルフでも判断の幅を広げるということです。

コースに出て自然を相手とするとき、球を打つことは皆、横一線でしょうが、どう攻略したらいいかなどの思考部分、引き出しの多さが差をつける要素となります。

第2、第3の松山を目指す後進には、このあたりをしっかり身につけて成長していってほしいと思います。
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松山が感涙のマスターズ制覇

やってくれました! 凄い偉業が達成されました。 

米男子ゴルフツアーのメジャー競技、世界最高峰のゴルフの祭典「マスターズ」(4月11日最終日、米ジョージア州オーガスタ=オーガスタ・ナショナルGC)で遂に日本の松山英樹(29=LEXUS)が優勝を飾ったのです。
最終日の模様はTBSテレビ系が4月12日午前零時15分から生中継)

日本人選手(陳清水&戸田藤一郎)が初めてマスターズに出場した1936年(昭11)から85年。日本人には無理だろうと言われ続けた米メジャー競技での優勝、その中でも特に難関のマスターズを日本人が、いやアジア人が初めて制覇したのです。

2019年の海外女子ゴルフツアーのメジャー競技「AIG全英女子オープン」を渋野日向子(22=サントリー)が制覇。樋口久子(現JLPGA相談役)が成し遂げた1977年の「全米女子プロ選手権」優勝に続く42年ぶり、日本人2人目の海外メジャー優勝の快挙達成と日本中が沸き立ちました。

今回のマスターズの前週、決勝ラウンドをオーガスタ・ナショナルGCで行った「オーガスタ・ナショナル女子アマ選手権」(4月3日最終日)で日本の17歳・梶谷翼(兵庫・滝川二高3年)が優勝を飾りました。これもまた快挙-。

ゴルフファンは、それらを喜びながらも、男子の快挙がなかなかないことにイラ立ち、何だ女子ばかりじゃないか、男はどうした! などという声も聞こえていました。

何だって? 男がどうしたって? じゃ、これはどうだ! とばかり、松山はファンのブーイングを黙らせ、感服させる凄さを見せつけてくれました。

通算4アンダーで首位に3打差(6位タイ)でスタートした第3日、ボギーなし、1イーグル、5バーディーの猛攻で7アンダーの65マーク、一気に通算11アンダーで後続に4打差をつけて単独トップに躍り出たのです。

第3日を終えた後、松山は大会を中継するTBSテレビのインタビューに応じ「今日のように波を立てず、(自分に)怒るようなことがなければチャンスがあると思います」と最終日に向けた抱負を語りました。

波を立て、怒るようなことがあったのは、コロナ禍で順延を余儀なくされ、11月の“秋開催”となった前年のマスターズでした。第3日を通算8アンダー、首位と1打差の6位タイで迎えた松山は、優勝を期待されながら大事な“ムービング・サタデー”で第2日までの安定感をウソのように停滞、ズルズルと後退して夢を悪夢に代えてしまいました。

区切りの10度目で悲願達成

そうした経験を糧にした今大会の最終日、松山は前半アウトを3バーディー、1ボギーで乗り切り、後半インを通算13アンダーで迎えます。この段階で後続はスコアを伸ばせず、2位に追い上げてきたのが同組のウィル・ザラトリス(米国)の通算9アンダーで4打差。が、マスターズの優勝は、簡単に成し遂げられるものではありません。

“球聖”と呼ばれたボビー・ジョーンズが、友人と共同設計して創り上げたのがオーガスタ・ナショナルGCです。マスターズの大会期間中、コースに出没する“魔女”が選手たちを脅かしますが、魔女が住み着くのは選手個々の内面です。つまり、コースは、攻めるべきホールはしっかりと攻め、守らなければならないホールはしっかりと守り抜く、という見極めを必要としています。そこで欲を出すと内面に巣食う魔女がむくむくと頭をもたげるわけです。ボビー・ジョーンズは自著「ゴルフはわが人生」の中でこう記しています。

〈パー4のホールでバーディーを出すためには、良いショットを2つし、まったく水平なグリーンで10フィートを1パットするというだけでは十分でない。旗にピタリを寄せるセカンド・ショットをするか、相当に難しいパットを1パットで決めることが要求されるべきである〉

そういう基本概念を持つ難しいコース設計にあって松山は後半インに入り「緊張感でバーディーを獲れる状態でなかった」と心が揺らぎます。15番(パー5)では、第2打か飛び過ぎて16番(パー3)の池に入ってしまったり…。インは1バーディー、3ボギーで通算10アンダー。終わってみれば、ザラトリスに1打差に追い上げられていました。

それでも勝ちは勝ちです。2011年のマスターズ、東北福祉大2年在学中のアマで出場しローアマを獲得します。この年に東日本大震災が起き、出場を迷う松山に対し周囲の皆が後押ししてくれました。

ここからスタートした松山のオーガスタ・ストーリーは、8年連続計10度目となり、区切りに悲願達成となりました。

私はこの欄で松山を結構多く書いてきましたが、いずれも「惜しい」「あとひと息」の内容ばかりでした。だから…最終18番、グリーンに向かって歩く松山をグリーンサイドのパトロンがスタンディンク・オベーションで迎える姿を見て思わず感動、涙が込み上げて来てしまいました。

松山は本当によく頑張ってくれたと思います。栄光のグリーンジャケットの袖に日本人が初めて腕を通した偉業は、松山に憧れる少年少女たちを含めて日本のゴルフ界をより広げてくれるではないかと思います。

10度目の「マスターズ」で好発進

まだ始まったばかり…ではあっても、何ごとも滑り出しが肝心、始めよければ終わりよし、です。

開幕した“ゴルフの祭典”米男子ゴルフツアーの今年最初のメジャー競技「マスターズ」(4月8日初日、米ジョージア州オーガスタ=オーガスタ・ナショナルGC)で松山英樹(29=LEXUS)が好スタートを切りました。
初日の模様はTBSテレビ系が4月9日午前4時から生中継

毎年のことですが、この大会はどうしてもライブで観(み)ておきたい気持ちがあります。従って寝不足の日々…。が、第1日の松山(日本時間4月8日午後10時48分スタート)は、観る側のそんな眠気を吹っ飛ばしてくれるようなゴルフ~1イーグル、2バーディー、1ボギーの3アンダー69、首位のジャスティン・ローズ(英国)とは4打差ながら2位タイ! と期待に応えてくれました。

コロナ禍のため順延され、昨年11月の“秋開催”となった前回から、今年はレギュラーシーズンの4月“春開催”に戻り、マスターズらしい“高速グリーン”が戻ってきました。手前に池のあるグリーンの奥にオーバーさせ、そこから神経を遣って打ったアプローチが止まらず池に落ちてしまうような“ガラスのグリーン”の復活です。

難グリーンに冴えたパット

ホールアウト後、松山は「タフなグリーンだった」と振り返りましたが、初日の好スコアは、そのグリーンを克服したことによるものでした。

プレーを振り返って見ましょう。

1番(パー4)でバーディーチャンスを逃したものの、2番(パー5)で5メートルを決めて最初のバーディーを奪います。8番(パー5)では2オンに成功し約7メートルのフックラインを読み切りイーグルを奪取しました。この時点で3アンダーは単独首位-。

後半インに入り13番(パー5)で3オン、5メートルを沈めてバーディー。17番(パー4)で3パットのボギーは惜しまれましたが、3アンダーでホールアウト。乗りまくるローズに4打差をつけられましたが、2位タイのポジションをキープしました。

松山の過去の戦績を振り返って見ると初日69は、前年大会の初日68(10位)に次ぐ好スコア。もちろん2位スタートは初めてです。最終的にトップ10入りした2015年大会(5位)、2016年大会(7位)も初日はいずれも71で18位、13位でした。

10度目となる区切りのマスターズで自己ベストのスタート。「タフなグリーンだった」という松山は「速いだけだったらこれまでもあったが、乾燥している分、ボールが止まる気がしなかった」と言い、しかし、そんな中で「17番以外はいいプレーが出来た」と第2日以降に向けた手応えを口にしていました。

例年、後半追い込み型の松山ですが、今回は前半で飛び出しました。第2日以降、どんな戦いを見せるか。見逃すわけにはいかなくなりました。

「期待はゼロ」の松山に今年も期待

「期待は…ゼロです」-。

世界最高峰のゴルフの祭典「マスターズ」(4月8日開幕、米ジョージア州オーガスタ=オーガスタ・ナショナルGC)を前に松山英樹(29=LEXUS)の気勢が上がりません。

前週の「テキサス・オープン」(4月4日最終日、米テキサス州=TPCサンアントニオ)で通算3アンダーの30位。ティーショットに不安を残した結果に「期待は…」の言葉になりました。

例年の松山は、マスターズの前週を休養日にあてていました。が、コロナ禍で順延された昨年11月の“秋開催”となったマスターズには、直前の大会に出場して乗り込み、優勝争いに絡むなど連戦による調子の良さが確認されたため、今回も…になったと思われます。

まったくゴルフというのは、本当にその日その日のゲーム。今回の連戦がマスターズにどんな影響を与えるかは、まったく始まってみなければ分かりません。「期待は…ゼロです」の続きを言わせるなら「ゼロなら後は上がるしかない」という“松山流”になるのですが…。

区切りの10年目となるマスターズ

松山が「テキサス・オープン」で一喜一憂しているとき、オーガスタ・ナショナルGCでは凄いことが起きていました。「オーガスタ・ナショナル女子アマ選手権」(4月3日最終日)で日本の17歳・梶谷翼(兵庫・滝川二高3年)が優勝を飾ったのです。

最終日、通算1オーバーでエミリア・ミリアッチョ(21=米国)と並び、プレーオフ(18番)1ホール目で決着。日本人、いやアジア人で初の快挙を演じました。

この大会は2019年に新設され、3日間大会の予選2日間を他コースで行い、決勝ラウンドをマスターズの会場であるオーガスタ・ナショナルGCで行う方式。第1回大会では安田祐香と笹生優花(ともに現プロ)が3位に入っています。2020年大会はコロナ禍で中止となり、今大会が第2回となりました。

この快挙に松山は「相当凄いこと。これを糧に頑張って!」とエールを送りましたが、松山自身、この17歳がやってのけたことには、自身の“原点”を思い出させたことと思います。

アマチュアで臨んだ初参戦となった2011年のマスターズでローアマを獲得する健闘。それから今年は区切りの10年。マスターズというのはやはり特別な大会で青木功、中嶋常幸の両プロが常連だったころ、青木プロは1番ティーグラウンドに立つたびに「あの右サイドのバンカーが毎年、大きく見えたり小さく見えたりするんだ。コースがオレたちの調子を試すんだよな」と言い、中嶋プロは「今年もまた真っ白なキャンパスにどんな新しい絵が描けるかな」と“一歩でも前進”を言い聞かせたりしていました。

昨年“秋開催”のマスターズは無観客でしたが、それから5カ月、今年は制限付きながら有観客で実施、オーガスタに熱い歓声が戻ってきます。そんな中で自身「期待は…ゼロです」という松山は、どんな絵を描くでしょうか。やはり、期待してしまいますね。

渋野が約3カ月間の米遠征

国内女子ゴルフツアーは、今季4戦目となる「アクサ・レディース」(3月26日開幕=宮崎・UMKCC)の熱戦を展開中です。

“今季”と書きましたが、今年は昨年との統合となり、正確には「2020~2021年シーズン」ですね。

そのシーズンも相変わらず“黄金世代”の天下のようで1998年(平10)生まれ、22歳の小祝さくら(ニトリ)が2021年初戦の「ダイキン・オーキッド・レディース」(沖縄・琉球GC)に続き、前週第3戦の「Tボイント×ENEOS」(鹿児島・鹿児島高牧CC)も制しスタートダッシュをかけました。

その動向が注目されるのは渋野日向子(22=サントリー)ですね。

米女子ゴルフツアーは4月1日(日本時間同2日)、今季メジャー第1戦となる「ANAインスピレーション」(米カリフォルニア州)が開幕しますが、渋野は目下参戦中の「アクサ…」終了後に渡米。「ANA…」を皮切りに6月末までの約3カ月間の米国遠征を明らかにしました。

2021年がスタートする前に渋野は「米ツアーと日本ツアーのどちらにも参戦しながらなので忙しくなりそう」と話しており、いよいよその構想をを実行するための第1歩を踏み出すわけです。

6月に勝負のメジャー2試合

振り返れば2019年、渋野は初の海外試合となった「AIG全英女子オープン」を制覇。樋口久子(現JLPGA相談役)の1977年「全米女子プロ選手権」に続く42年ぶり、日本人2人目の海外メジャー優勝の快挙達成と騒がれ、海外でもその笑顔の清々しさから「スマイリング・シンデレラ」と親しみを持たれ一躍、トップスターにのし上がりました。

が、国内に戻ったその後は、一進一退が続き、なかなか期待に応えられない状況が続きましたが、再び本領発揮、注目を集めたのが、コロナ禍のために12月開催となった2020年の「全米女子オープン」(米テキサス州=チャンピオンズGC・サイプレスクリーク・コース)の激闘でした。

予選ラウンド2日間、トータル10バーディー(3ボギー)を奪い、通算7アンダーで後続に3打差をつける単独トップ。大事な第3Rは伸び悩み、通算4アンダーとスコアを落としながら、しかし、後続に1打差の単独トップ-。

最終Rは降雨悪天候のため順延されるなど集中力を欠く出来事があり、結果として渋野は優勝を逃しましたが、彼女には大舞台でこうしたことをやってのける潜在能力があることが証明されました。

今回の米遠征には6月上旬の「全米女子オープン」(米カリフォルニア州)、同月下旬には「全米女子プロ選手権」(米ジョージア州)のメジャー競技が含まれています。

長期米遠征に対する渋野の決意をスポニチ本紙の担当記者は「来年の(米ツアーの)出場権を得るために勝負します」と伝えてきました。

渋野のチャレンジ精神を見守りたいですね。そして…シブコ・スマイル再び!
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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