“ナックル姫”へのエール

若い人たちが夢を追ってとことん突き進む姿は、見ていて気持ちのいいものです。

アメリカに渡った女子野球選手の“ナックル姫”こと吉田えり投手(18=チコ・アウトローズ)が5月29日(日本時間同30日)に米カリフォルニア州チコで行われた米プロ野球独立リーグ(ゴルデンベースボールリーグ)の公式戦、対ティファナ・シマロンズ戦に先発で初登板したことが報じられました。

オオッ、また平成世代がやったな、という感じです。

この試合の模様を取材したスポニチ本紙の現地通信員は、3回を投げて5安打4失点(試合はチコが8-6で勝利)で降板した吉田の試合後のコメントをこう伝えてきました。

「100点満点だとしたら20点の出来でした。ナックルで自分が満足できる腕の振りができなかった。でも、投げたことで課題が見つかってよかった」

本塁打も浴びて納得いかない内容だったにしても、日本から米国へ戦いの場を移し、夢を追って懸命に野球に取り組む吉田の、いかにも前向きの姿勢がうかがえる言葉です。

今年1月下旬からアリゾナ州で実施された「ウインター・リーグ」に参加した吉田の動向は、存在が存在だけに興味がありました。日本では関西独立リーグの合同トライアウトに合格し、同リーグの「神戸9クルーズ」に入団、男子選手とともにプレーする初の女子プロ野球選手になったのですが、同リーグは運営する会社組織が資金難により撤退、傘下の各球団も経営に四苦八苦の状態が続く苦境に追い込まれ、吉田はやむなく「神戸9クルーズ」を退団後、夢に向かって米国に目を向けました。

そこで吉田の、最速100キロ、平均90キロ台の“遅いストレート”と決め球のナックルボールを織り交ぜた頭脳的ピッチングを評価したのが「チコ・アウトローズ」だったのです。

1992年(平成4年)1月17日生まれ。神奈川県横浜市出身。小学校2年のときから野球を始め、硬式野球に移行するに従って顕著になってきた男女の格差(体力差)をカバーするため、勝負球としてのナックルボールを身につけたそうです。

アメリカ人はこういうチャレンジ、つまり「アメリカン・ドリーム」を目指す無謀的野望が好きです。
ニッポンからやってきた身長1メートル55の小さな女性“ナックル・プリンセス”が、軟投で大の男どもをバッタバッタと切り捨てる図は、もうたまらず、無条件にスタンディング・オベーションものなのでしょう。

「20点」でスタートした吉田の挑戦は今、始まったばかりです。ナックルボールを投げ続けるには、握力の強化、体力の強化など、さらなる鍛錬がもっともっと必要になることでしょう。結果が出なければ“お払い箱”も、日本以上に厳しいことろなのです。

が、吉田には自分の可能性を信じ、自分が抱いた夢に向かってとことん突き進んでいってほしいものです。

その姿勢に陰ながら拍手! です。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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