マンション暮らし考④

常駐している管理員に苦情が持ち込まれ、それが管理会社の担当員を経て管理組合理事長を務める私のところへ回ってきました。某月某日の出来ごと。クレームの内容は「バルコニーでの喫煙は是か非か」というテーマでした。

クレームをつけた居住者の言い分は、要約すると(どこかの)バルコニー(ベランダ)で喫煙している煙が室内に入ってくる、自分は極度のたばこアレルギーなので大変困っている、ということでした。

(バルコニーでの一服は是か非か。写真は私が住むマンションではありません)
バルコニー

喫煙に関しては昨今、いったい何が起きたのか! と思われるほど仰々しく問題視され、あ~だ、こ~だ、と喫煙者が一方的に“悪者扱い”されたりしていますが、私自身は基本的に、喫煙はあくまで個人の嗜(し)好の問題、喫煙場所はあくまで公衆的マナーの問題、だからそれを誰かが規制するような類(たぐい)のものではない、と考えています。

私が住む神奈川県では、全国に先駆けて「受動喫煙防止条例」なるものが実施され、飲食施設での規模による分煙を含む喫煙場所の制限、公共的施設での禁煙などの規制が、何と行政によって押し付けられました。条例化に踏み切った神奈川県・松沢成文知事には「神奈川県民(まあ、広く日本人でもいいのですが・・・)って、そんなに子供なのですか?」と聞きたいものですし、自律した大人が個々に備え、持っているべき公衆的マナーの問題に行政がおこがましくも介入するのなら、その前にやるべきこと、例えば公衆的マナーを持たないような大人にならないよう、学校教育を強化することなども大切なことなのではないでしょうか。

電車内は今、禁煙が当たり前のことですが、かつては灰皿が設置されていて喫煙OKでした。私の経験ではその当時、東京に向かう通勤ラッシュ時の東海道線の中で喫煙する者も結構、いたものです。たばこを吸わない人たちは、煙を浴びてイヤな思いをしていたかもしれませんが、もちろん「嫌煙権」などの言葉に市民権がなかった時代です。面と向かって文句も言えなかったのでしょう。

公衆的マナーに行政が介入する不思議

しかし、時代が替わって今、例えば電車内で喫煙がOKになったとしても、そんな中でたばこを吸う人はまず、いないでしょう。日本人が比較的苦手とされる公衆的マナーではあっても、周囲への配慮や思いやり、あるいは自分がされたらいやだろうなぁ、と思うことはやらない、などの気持ちが常識的にあったら、迷惑はひとつひとつ、クリアされていくことと思います。そして最も大事なことは、それらは行政の規制によってなされるものではないのです。

では、話を元に戻して「マンションのバルコニーでの喫煙は是か非か」のテーマはどうでしょう。

マンションのバルコニーは規約上、共用部分ではありますが、日常的には区分所有者が専用使用しています。使用に際して、他の区分所有者、近隣住民に迷惑がかかる行為、を禁じていますが、喫煙に関しての規制は当然、ありません。

クレームはあくまで「配慮の問題」でしょう。たばこを吸う人たちにとって、見晴らしのいいバルコニーに出ての一服は何ごとにも代えがたい気持ちよさがあるでしょうし、一方、たばこを吸わない人たち、ましてアレルギー的体質などがあるなら、漂ってくる煙は何ごとにも代えがたい不快感となってしまいます。

最近感じることは、喫煙派と嫌煙派の必要以上の対立でしょうか。集合住宅であるなら、そこに住む人たちの、お互いの配慮と思いやり、なごやかな交流・・・今回のこういう問題にしても結局、張り紙をして注意を促すことになったのですが、私としては個々の公衆的マナーの方を信じ、大事にしたい感じでした。

        
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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