KIDが初陣UFCで背負うもの

日本の格闘技ファンの皆さんは、このところ多い、ビッグネームの“オクタゴン”での苦戦にどんな印象を抱いていることでしょうか。

昨年10月のUFC「120」(英国ロンドン)で秋山成勲(35=クラウド秋山道場)が地元選手のマイケル・ビスピンに判定負け。09年7月のデビュー戦では辛勝したものの、10年7月のクリス・レーベン(米国)戦に続く2連敗となり、取り巻く情勢が、望みだけは大きいヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)戦に「果たしてたどりつけるの?」といった厳しさが忍び寄ってきたことは確かでしょう。

ちなみに秋山の次戦は、3月19日の「128」(米ニュージャージー州)に決まり、ネイサン・マーコート(米国)と対戦することになりました。正念場となりそうですね。

続いて五味隆典(32=久我山ラスカル)です。UFCの今年の元日興行「125」(米ネバダ州ラスベガス=日本時間1月2日)に出陣。“火の玉ボーイ”のUFC出撃は、これが3戦目となりましたが、本戦には初陣ということで注目を集めました。

が、見るからに“肉食系”ファイターのクレイ・ギーダ(米国)とのライト級戦(5分3R)は、どんな戦いだったでしょうか。振り返って見ると・・・。

スタンドでの打撃戦は、五味がジャブを軸に細かいパンチで打撃のうまさを見せつけますが、ギーダは対照的に荒々しい大振りのロングフックなどラフな打撃で対応。ときおり、テークダウンを狙ってタックルを仕掛けたりしました。

2回に入り、ギーダはタックルでしきりにテークダウンを狙います。五味は依然、パンチで対応。が、ギーダは機を見て両足タックルでテークダウンを奪い、立ち上がろうとする五味の首をグイグイとフロントチョークで締め上げました。これで五味はタップアウトです。正月早々、残念な1本負け。UFC3戦1勝2敗の戦績が今後にどう影響するか、もし次があるなら、内容次第でラストファイトともなりかねませんが、新年のスタートとしては、どうにも気勢の上がらない出来ごとになってしまいました。

日本勢の不振が続く中で・・・

さて、もう一人の大物ファイターは、山本“KID”徳郁(33=KRAZY BEE)です。UFC初参戦となるKIDは、2月5日(日本時間同6日)の「126」(米ネバダ州ラスベガス)に日本勢の小見川道大(35=吉田道場)とともに出撃します。

同大会ではミドル級王者アンデウソン・シウバ(ブラジル)の防衛戦をメーンに、KIDはUFCに新設されたバンタム級戦でデメトリアス・ジョンソン(米国)と対戦。勝負もさることながら、軽量級のバンタム級でスピードを軸とした、この階級の魅力をアピールできるかどうか、を背負う形となりました。
(大会の模様はWOWOWが2月6日午後10時から放送してくれます)

KIDは先に行った公開練習と会見で「初めてのUFCで自分らしい自由な試合をしたい」と抱負を語りました。今さら言うまでもなく、KIDは修斗、K-1、HERO’S、DREAMなど日本のメジャーリングで活躍してきましたが、個人的に希望を言わせてもらうなら「UFCに出るなら全盛のときに・・・」でしょうか。

非凡というかむしろ“異能”と表現した方が似つかわしい才能は買うにしても、印象としては“さあ、これから”といった大事なときに常に怪我がつきまとい“順風”を阻んでいたような気がします。

日本の市場が低迷して冷え込む中、立場が変わって、UFCリングは日本人ファイターにとって新天地でもあるでしょうが、そこで何をしてくるか。例えば負けは負けでも、秋山と五味の差、つまりプロとして何をアピールしたかの差(この場合は積極性と消極性)は、大きく影響すると思います。

KIDに求められるものは、もちろん勝利にこしたことはありませんが、たとえ負けるにしても、可能性に挑む積極性をアピールしてほしいと思いますネ~。

なぜなら、UFCは近い将来、あるいは今年中にも、となるかもしれませんが、日本開催に向けて満を持しています。KIDら続々、日本人選手の招聘(へい)には、その意図が感じられるからで、彼らはその期待に応えなくてはならない、と思うからです。



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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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