がんばろう! ニッポン

いや~、思い切り熱い試合でした。随所で涙腺を緩ませる、こんなサッカーの試合をかつて見たことがあったでしょうか。3月29日(午後7時20分キックオフ)に大阪・長居スタジアムで行われた「東日本大震災復興支援マッチ」日本代表vsJリーグ選抜の90分間です。

前半15分、日本代表が奪った先制点は、遠藤保仁(G大阪)が鮮やかに直接フリーキックをゴール右隅に叩き込んだものでした。その歓喜は“喪章とともに”です。腕を突き上げて喜びの輪をつくる選手たちの手には、しっかりと喪章が握られ、それぞれが亡くなった被災者たちの冥福を祈っていました。

そして・・・です。直後の前半19分、日本代表の2点目を阪神・淡路大震災の被災経験者である岡崎慎司(シュツットガルト)が決めたのも、偶然ではなかったことでしょう。16年前の出来事。あのとき避難所で支給されたカップ麺のありがたさは生涯、忘れられるはずもなく、本田圭佑(CSKAモスクワ)からのボールを被災地に届け! とゴールに叩き込んでいました。

試合の模様は日本テレビが午後7時から生中継していましたが、画面を通しても、各選手が胸中に秘めた被災地(者)への励まし、いたわりが伝わってきます。前へ、ひたすら前へ! 沈むな、退くな! の気概もまた、その攻防から伝えられました。

カズが示した「不屈の闘魂」

「不屈」の象徴がやはり、Jリーグ選抜で出場したカズこと三浦知良(横浜FC)だったことも運命的でした。後半17分から途中出場。スタンドを埋めた4万613人観衆(主催者発表)の誰もが願っただろう一撃は後半37分に飛び出しました。

カズの活躍を伝える3月30日付のスポニチ本紙は、こんなコメントを報じていました。

「今、被災地に必要なのは、サッカーではなく、医療や食料などの物資だろう。でもボクはサッカー選手。だから全力でプレーすることしかない。それで少しでも明るさが得られれば・・・」

被害が甚大だった岩手出身の小笠原満男(鹿島)を初め、カズも含めて皆がこの時期、サッカーなどをしていていいのか、という複雑な思いを胸中に持っていたと思います。が、全力で取り組むことが、何かを与えることが出来るなら・・・の気持ちが、皆をこの試合に向かわせました。

それを観客が「絆」の文字を入れた旭日旗で支援し、選手と観客が一体化した復興への思いを「がんばろう! ニッポン」と被災地へ伝えます。44歳とJリーガーでは最年長でありながら最前線に立ち、サッカーであきらめたことはない、と言い切るカズが立役者となってメッセージを送りました。

絶望的な壊滅の中から何年後になるのか分かりませんが、この日の試合を、カズを、手を握って懸命に見た子供たちが、形は何であれ、不屈の闘志を持って立ち上がったとしたら、この日「3・29」は、素晴らしい日になることでしょう。





スポンサーサイト
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR