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善意を有効に生かしてほしい

先日、自宅にかかってきた電話は、地震で屋根が傷んでいる可能性があるので一度、点検してみたらどうか、という内容でした。当方、マンション住まいのため、その必要はないだろうことを告げると、そっけなく「ああ、そうですか」の一言だけで電話はガチャンと切れてしまいました。

この種の電話が最近、高齢者相手に多い、強引なリフォーム工事の勧誘だったとは思いませんが、不快感が残る電話の切り方には、それらしきものもニオいます。

大きな揺れの後だけに屋根の具合とか床の傾きなどは気になることでもあり、一戸建ての住宅に住む人たちは、あるいは“もっともなこと”と話に乗ることがあるかもしれません。それが~あまり考えたくもありませんが~災害に乗じた無法な便乗商法だったりしないことをただただ、祈るばかりです。

あまり考えたくもないこと、といえば「義援金の行方」も、その一つかもしれません。先週の土曜日(4月2日)午後、街中の空きスペースではにぎやかにフリーマーケットが開かれていました。

関係者によると売り上げ金はすべて、被災者支援のための義援金にしたい、とのことで、若いママさんを中心とする売り手たちは皆、元気に熱い声を飛び交わしていました。

義援金は目的地にたどり着くか?

募金活動も駅前広場などで活発化しています。少年少女たちが募金箱を首から下げて「被災者のために!・・・」と声を張り上げ、それに積極的に応える、道行く人々の姿を見ていると、毎年秋に展開される“赤い羽根”の「共同募金」とは少々、趣が違って(なぜか強制的)こちらには、人々が一生懸命「今、何か役に立てることは・・・」を考えた、寄付の本質である“自発性”が感じられて頭が下がる思いです。

が、そんな善意の世界にもこのところ、義援金の盗難とか詐欺、あるいは風評、流言、デマの類(たぐい)など、許しがたい出来事が新聞の社会面、インターネット上をにぎわせており、嘆かわしいことも起こりつつあります。

ところで東日本大震災の発生から3週間余、4月3日までに義援金の主な受付先である日本赤十字社と中央共同募金会に寄せられた義援金の総額が計1154億円に上った、と報じられました。

1000億円超えは、過去に例を見ないほどの規模なのだそうですが、問題はこれが今後、支援者の願い通りの目的地にたどり着くか、ということでしょう。

新聞報道によると、集まった義援金というものはまず、被災各県が設置する「配分委員会」なるものが、被害の大きさや世帯の構成などに応じて支給額を決め、相応の額を配分するのだそうです。が、今回のように広域にわたり、加えて自治体そのものがまだ混乱している、こんな状況下では「配分委員会」の設置そのものもままならない情勢でしょう。せっかくの温かい支援が冷めてしまわないか、いやそれどころか、凍結してしまわなければいいが、の不安ものぞきます。

まず、被災者と現場の苦境を格差なく最優先とする考え方・・・行政は個々の都合ではなく、人々の善意を無駄なく、弱者に有効に生かすことを第一としてもらいたいものだ、とつくづく感じます。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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