豪快の陰に隠れた繊細性

3人の世界王者を擁するプロボクシングの帝拳勢は、WBA世界スーパーバンタム級王者の下田昭文(26)が6月28日に渡米、7月9日(日本時間同10日)の初防衛戦(挑戦者は同級1位のリコ・ラモス=米国)に向けて緊迫感を漂わせて来ました。

試合は米東海岸のアトランティックシティ(ニュージャージー州)で行われますが、下田は西海岸のラスベガス(ネバダ州)で最後の調整を行った後、現地に乗り込む予定だそうです。

日本の王者が海外で初防衛戦を行うのは初めてのことです。注目されるこの試合の模様は、WOWOW(7月10日午前10時55分~)が生中継してくれますが、その前にWOWOW「エキサイトマッチ」の解説やスポニチ本紙の世界戦評論でおなじみの元世界王者・浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)を息抜きさせようと、WOWOWの担当プロデューサーが“忙中閑あり”といった感じのゴルフを企画、千葉県成田市の某ゴルフ場に集合! の声が掛かりました。

いやはや、その日(6月29日)は梅雨時とは思えない真夏の太陽が強烈に降りそそぎ、こりゃ、18ホール、持たネ~ぞ、などの声も聞こえる、何とも厳しい日となりました。

まあ、それに関連したわけではありませんが、それにしても最近のテレビは、夕方のニュースのトップに“暑さ”を持ってくる、節電だ何だとエアコンの使用制限が言われているから、この暑さをどう乗り切る? といったテーマだが、キャスターがそろいもそろってこれを深刻な顔で、学生が勉強するのに最適な温度は何度、などと報じているのは、何かマトモじゃネ~よな・・・と、新聞連中が容赦なく、ここぞとテレビ批判です。

そういう話が出てくるのも、浜田氏はいまさら口にはしませんが、現役時代の減量の際、暑(アチ)ィ~どころではない「熱さ」に耐え抜いてもう、出尽くした汗をまだ、絞り出そうとした日々が日常的にあり、勉強するのに適温は? などというヤワなテーマは、論外もいいところ、と皆は言いたいのであり、そもそも昔はクーラーなんかなかったんだぜ、といいつつ結局、それにしても暑ィ~なァ、が結論でした。

「遊び」転じてロブショットの使い手に!

さて、本題のゴルフです。浜田氏のゴルフには、いくつかの特徴があります。まず、ウェアに関してですが、どんなに暑くても半袖姿を見たことがありません。私たちは、夏のゴルフはだいたい、コースが許可してくれれば、短パンになってしまいますが、ストイックな浜田氏の長袖姿は、理由は分かりませんが、本人が言うには「日に焼けたくない」から、なのだそうです。

当然、前半ハーフを終えて汗だくになりますが、後半ハーフへの休憩時間中に新しい長袖に着替えますから、体を冷やしてはいけない、という現役時代の習慣がまだ、残っているのでしょうか。

ゴルフというゲームに関しては、つい一年ほど前まで、浜田氏の口ぐせは「まあ、こんなものは遊びですから」であり、それほど熱中していなかったように思えました。そりゃ、まあ、ボクシングの選手にとっては、ゴルフなどというものは、それこそゲームでしかないのでしょう。

その証拠にクラブはもう、使い古した旧モデルを使用しており、ウッドは何とパーシモンなのでした。もっともこのウッドはほとんど使わず、ティーショットはグリップが擦り切れた3番アイアンで打っていましたから、使わないウッドは、何であってもほとんど関係なかったのでしょう。

いかにも浜田氏らしい、らしい、というのはハードパンチャーで鳴らした豪快なタイプ、にイメージがピタリとはまっている、ということですが、こんな“バンカラ”スタイルがガラリと変化したのは、つい最近、クラブを最新モデルに変えてからだったと思います。

“こんなものは遊び”の持論が、練習熱心となり、この日のゴルフに備えても前日、練習場で徹底的に打ち込んできた、と言います。もっとも、その成果が出ずに結構、悔しがっていましたが・・・。

それより驚いたのは、あるホール、グリーン前のラフからピンまで約30ヤードほどのアプローチでした。何と浜田氏がロブショットに挑み、それを成功させたのです。

ロブショットはプロでも完璧にモノにするのが難しく、それは日本のコースではピッチエンドランとかランニングで済んでしまうことが多く、使う頻度が少ないこともありますが、最近は米国で使う必要に迫られた石川遼らが練習を積み、うまいロブショットを見せてくれています。

それを浜田氏がやってのけたのです。ロブショットはかつてはピッチショット、俗にはティッシュペーパーを取り出すときのフワリとした山型をイメージしてクリネックス・ショットなどとも呼ばれましたが、いずれにしても、アマチュアはやりたくても簡単に出来るものではない、難しいショットです。

ハードパンチャーでKOの山を築いた浜田氏には、琉球武士、豪快なイメージがありますが、ひょっとしたら本当の姿は、繊細でむしろ、ロブショットをものにしてしまうような小技が得意な人なのかもしれませんね。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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