亀田興毅のV2戦展望

ランク「14位」との世界戦はアリですか? とは、対戦が決まったとき、誰もが最初に思った疑問だったことでしょう。今年5月7日、大阪府立体育会館で行われたプロボクシングWBA世界バンタム級王者・亀田興毅(24=亀田)の初防衛戦です。

昨年12月、アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)との王座決定戦に判定勝ちし、興毅は3階級目となるWBA世界バンタム級王座を獲得しました。WBA(世界ボクシング協会)の営業(?)方針には、どうにも分かりにくいところがあり、ある程度の実績を積んだ正規王者を「スーパーチャンピオン」に格上げし、空位となった正規王座を新たに争わせたりします。最近、問題となっている王者の乱立・・・ですね。

ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)に敗れ、WBC世界フライ級王座から陥落した興毅がその後、1階級上のスーパーフライ級でわずか1試合、再起戦をしただけで、さらに1階級上のバンタム級の王座決定戦に臨めたのも、まあ、そんな制度の恩恵でした。

ちなみにそのときのWBA世界バンタム級ランクは、正規王者のアンセルモ・モレノ(パナマ)がスーパーチャンピオンに格上げされ、急に2位に入った興毅と、すでに引退を決意していた5位のムニョスが空位となった正規王座を争うことになりました。

まあ、試合は試合、試合に勝てば、勝ちは勝ちです。が、3階級制覇の達成は日本人選手初となる快挙だったにもかかわらず、いまいち、盛り上がりを欠いたのは、日本人選手として初めて2階級制覇を成し遂げたファイティング原田(原田政彦氏=日本プロボクシング協会名誉会長)の「ボクのときとは比較できないと思う」の言葉が示したように、現行の階級の細分化、王座の乱立化を指摘していたと思います。

カギを握るパワーとスピードの兼ね合い

そうした背景での王座奪取、さらに初防衛戦の相手は、冒頭に記述したように「14位」の“大格下”選手ダニエル・ディアス(ニカラグア)をチョイスしてきました。これはデビュー当時から指摘され続けていることですが、亀田陣営が仕掛ける、勝つためのマッチメークには、絶妙のものがあるんだなァ、と思わざるを得ません。

しかし、そうはいっても、ライトフライ級、フライ級と、下から階級を上げてきた興毅(もちろん他の選手にも当てはまりますが)にとって、バンタム級の戦いでの最大の課題は、パワーとスピートの兼ね合いではないでしょうか。こればかりは、陣営がどう有利になる方向性を考えたところで、戦う本人が解決していかなければならない問題です。

実際、王座決定戦(ムニョス戦)では、打っても打っても倒れてくれない相手に興毅は中盤以降、スタミナ切れの様相で手数も少なくなり、バンタム級の体力を知らされました。初防衛戦(ディアス戦)はやっと、11回終了TKO勝ちで面目を保ちましたが、格下相手に圧倒しつつも、やはり、全体的な印象はバンタム級の体力の強さにてこずっている様子でした。

そして・・・2度目の防衛戦は8月31日、23戦(16KO)無敗の挑戦者ダビド・デラモラ(23=メキシコ)を迎え、東京・日本武道館で行われます。注目は過去2試合のバンタム級戦を意識してパワーアップしたという興毅がどんな戦い方をするか、でしょうか。その分、スピードが失われているとすると・・・まあ、比較はしたくはありませんが、あの長谷川穂積(真正)がフェザー級の戦い方に苦しんだように、勝負は分かりません。

スポンサーサイト
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR