「ガテン」系の職種に進出する女性たち

先日、街を歩いていたところ、足場を組んだ建物の建築現場で、威勢のいい“黄色い声”が響いていました。

ン? と場にそぐわない声に思わず立ち止まって見てしまいました。その声の主は、髪の毛をキリリと後ろに束ね、黒のタンクトップ、裾が広がったニッカーボッカーズに地下足袋姿の、年のころはまだ、20代と思われる女性でした。

こうした分野にも昨今、進出著しいという、いわゆる「ガテン系女子」とでもいうのでしょうか、そのあまりに決まった、カッコ良ささえ感じる立ち居振る舞いに、しばらく見とれてしまいました。

「ガテン」という言葉は、かつてリクルートから出版されていた、ブルーカラー系ジャンルの求人情報誌「ガテン」(1991年9月創刊=現在は休刊)から来たものと言われます。ちなみに誌名の「ガテン」は、職人がしばしば使う「合点(がってん)」から=ウィキペディア参照=。「合点」は辞書を引くと「理解すること。承知すること。うなずく動作が伴わないときは“がてん”が用いられる」とありました。

その「ガテン」系の職種は、技術職や現業職(工場や工事などの現場の労働業務)が対象となっています。ホワイトカラーの職種に対してブルーカラーの職種。いわゆる男の世界。一時期は「3K」などという言葉もあり、その代名詞が「ガテン系」でもありましたが、今では技術系現業職、つまり、鳶(とび)職、造園業、さらには車のメンテナンス業など、体が汚れる肉体労働ではあっても、高給待遇など、しっかりとした職種として成り立っており、大卒者が好んでこちらのジャンルに進む傾向も増え、そこに女性も入ってきているのが“今の時代”なのでしょう。

鳶職スタイルに見る女性の配慮

ところで、先の女性が身につけていた「鳶職スタイル」には、独特の雰囲気があるものです。

鳶服は男性なら、だいたい上は長袖の丸首シャツに腹巻、下はニッカーズ(knickers)=ニッカーボッカーズ=に地下足袋、というのが、よく見かけるスタイルですが、くだんの女性の、肩・腕むき出しのタンクトップ姿は、余計なお世話ですが、ケガを心配してしまいます。

それはともかく、下のニッカーズは普通、登山服などでおなじみの、ひざ下で絞られている型が良く知られています。が、あの足首までのダボダボの鳶職型ニッカーズは、横に広がったダボダボが神経を使う作業で邪魔にならないのでしょうか。

などと思って調べていたら、なるほど、という説明に出会いました。

つまり、ダボダボが動きやすさのためにあることは当たり前ですが、そのほか、ダボダボが足元の柱や障害物などに触れることで、いち早く足元の状態を察知することができる、また、ダボダボが風にはためく度合により、風の強さを察知することができる、というのです。

なるほど! ですねェ~。あの、前から来たら、ちょっとよけたくなるスタイルには、こんな奥深さが込められていたのですねェ~。さすが職人の世界です。理にかなった機能です。そしてまた、女性が身につけると、それはたちまち、ファッション化してしまうのですね。

そうした様々な知恵があることを知るにつけ、ガテン系の職種の魅力もまた深くなり、会社のOL業では満足できない、自立したい女性が、この世界に納得を求めて入っていくのも分かるような気がします。

「ガテン系女子」は、今日もまた、どこかで汗にまみれて大声を出しているのでしょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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