“怪物”のプロ2戦目の優勝に思うこと

4月25日付のこの欄で「“持ってる”ニュースターへの期待」というテーマで3人のプロ・スポーツ選手の名前を挙げました。

プロボクサーの井上尚弥(20=大橋)と村田諒太(27=三迫)、そして、プロゴルファーの松山英樹(21=東北福祉大)です。

昨今のスポーツ各界に平成世代のニュースターは数多く出現していますが、その中でこの3人に注目してみたのは、彼らに“スーパー的要素”を感じ取るからでした。

“スーパー的要素”とは、既成の打破、新時代の構築、に向けた可能性ですが、具体的に言うなら、現状に漂う閉塞感を打ち破る新鮮な力、です。

そうした期待の中、松山がいきなり、それに応えてくれました。プロ転向から2戦目の国内男子ツアー「つるやオープン」(4月28日最終日、兵庫県川西市=山の原GC山の原コース)での優勝です。

私はこの試合、テレビ観戦でしたが、松山が“魅せた”大詰めの猛チャージ、15番からの4連続バーディーには思わず、声を上げてしまい、鳥肌が立つほど興奮させられました。

戦況は、首位を行くデービッド・オー(米国)に松山が15番(パー5)のバーディー(通算15アンダー)で追いつき、その後の上がり3ホールは、手に汗握る2人のマッチレースとなったのです。

16番(パー3)では、松山が約7メートルを沈める(通算16アンダー)と、オーも負けじと約6メートルを入れ返します。

平成世代が秘める“資質”に脱帽!

17番(パー5)では、オーが第2打、グリーン手前のいい位置からピタリと1メートルに寄せたのに対し、松山は第2打をグリーン左奥のカラーにこぼし、そこからの寄せを3メートルほどオーバーさせてしまいます。が、絶対に負けられないこの局面で松山は、この難しいパットを沈め、ともに通算17アンダーで、勝負は最後の18番(パー4)に持ち込まれました。

松山のグリーンを狙う第2打、残り175ヤード。6番アイアンの一打は、ピン横約1メートル半にピタリとつきました。オーが7メートルを外し、松山が確実に沈め、アマ時代の11年に成し遂げた「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来のツアー通算2勝目、プロ初勝利を挙げました。

この試合を見ていて思ったことは、東北福祉大4年に在学中の、21歳の学生プロになぜ、これほどまでに戦況を見極める力や無類の勝負強さ、などが備わっているのだろうか、ということでした。

プロデビュー戦となった前週の「東建ホームメイト・カップ」(4月21日最終日、三重県桑名市=東建多度CC名古屋)で第3日40位から最終日、7バーディー(2ボギー)を奪う猛追で10位に入ったことにも驚かされ、この若者には、こうした資質があるのだろう、と再認識させられましたが、今回の優勝、それも終盤4ホールで4連続バーディーを決めて優勝する仕方は、説明もつかないまま、見る側をただただ“凄いね”と驚嘆させるものでした。

4月29日付のスポニチ本紙では、プロコーチの内藤雄士氏が、松山の強さを分析していましたが、その評論の中
で「引き出しの多さ」を指摘していました。

引き出しを多く持ち、アレがダメならコレ、コレがダメならアレ、と、あの手この手でさまざまな局面に対応できる能力を持つことは、プロボクシング界でも一流の王者の証(あかし)とされますが、それは何もプロボクシング界だけでなく、どこの世界でもトップに立つ強い選手には備わっているものなのでしょう。

とはいえ、私がいつも、考えた末に暗礁に乗り上げてしまうのは、石川遼にしろ松山にしろ、あるいはプロボクサーの井岡一翔(井岡)にしろ井上にしろ、百戦錬磨とはいえない彼らのキャリアのどこで、そういうものを身につけるのだろうか、ということです。

最後は「平成世代に備わっている資質なのか?」で曖昧(あいまい)なものに終わらせてしまうのですが、松山を初めとする彼らが、間違いなく時代を変えていく“スーパー・ニュースター”であることは確かなようです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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