改めて・・・高校野球の魅力は?

「今年は“七夕開幕”なんだよね」

仲間内の雑談で友人の一人が「高校野球」の話題を投げかけてきました。

今年で第95回を迎える夏の全国高校野球選手権大会は、8月8日、阪神甲子園球場で開幕しますが、7月を迎えるとまた、あの泣き笑いの地方大会が一斉に始まります。

私が住む神奈川県は例年、強豪ひしめく激戦区として知られています。特に今年は、昨夏の甲子園で1試合22奪三振の新記録を達成した桐光学園のエース・松井裕樹投手(17)への注目度が、さらなる高まりを見せているなど、7月7日の“七夕開幕”が待ち遠しくなっています。

「ところで・・・だけどね」別の一人が言いました。「いまさら、だけど、高校野球の魅力って何だろうね」

夏の甲子園の季節-。朝起きてテレビをつけると、もうその時間、高校球児たちが、ユニホームを真っ黒にして打ち、走っている姿が画面に映し出されます。

「やっぱり、一生懸命さ、だろうねぇ」「まあ、一生懸命さ、なんだけどね。でも、若いコたちが、あまり熱くならない時代だからね。球児たちのあの熱さは、どこからきているんだろうね」「そりゃ、負けたら後がない“一発勝負”の戦いがそうさせているんだろ」

確かに「負けたら終わり。次がない」という試合は、予測不能のドラマチックな展開を秘めているものです。もちろんそれは、選手たちの一生懸命さ、必死さ、が生み出すものなのですが・・・。

例えばプロ野球にしても、あるいはサッカーのJリーグにしても、年間を通したリーグ戦で、通算何勝何敗の戦績が勝負を決めます。その間には、負けを承知の試合なども出てきたり、その負けは次に取り戻すことも、当たり前のようにあったりします。

一生懸命さとひたむきさが与える感動

サッカーの国際試合の形は、最初に各ブロックに分けたリーグ戦形式の試合があり、そこでの上位チームがトーナメント形式の決勝戦に進出するというシステムが多いようです。

その戦い方を見ると、リーグ戦は“生き残る”ための戦略性、トーナメント戦は“勝つ”ための攻撃性、に分けられるのではないかと思います。

さらに・・・次がない一発勝負をいうなら、プロボクシングの試合は、その典型でしょう。野球やサッカーなどでは使われない、ボクシング独特の言葉に「再起戦」というのがあります。

試合に負けた選手が、次に臨む試合を「再起戦」と言うのですが、これは一つの敗戦が心身に及ぼす負担の大きさを表している言葉だと思います。

つまり、プロボクサーたちは、一つの負けにボクサーとしての進退が懸かってしまい、立ち直って次の試合に進むには、かなりの時間を費やしてしまいます。だから、一つの試合にボクサー人生が懸かかってしまうプロボクシングの試合は、迫力があり、それが大きな魅力ともなっている、と言えます。

高校野球の「負ければ終わり」の後がない戦いは、ボクサーの試合に似ているところがあります。

一戦一戦、負けられない試合・・・だから、一生懸命になり、最後の最後まであきらめず、さらに郷土の期待をも加わり、ひたむきに戦う姿-。

これはもう、ある意味、野球とかサッカーなどのジャンルを超えた「負ければ終わり」の試合に臨む選手たちが醸(かも)し出す美しさにも結びついていきます。

高い技術の応酬があるハイレベルなプロの戦いは、いくらでも見ることが出来ます。が、高校野球がときにして、それらを超えてしまうのは、どんなときにでも、半歩でも前に出ようという、一生懸命さ、ひたむきさ、のせいなのでしょう。

逆に言えば、プロの試合にあっても、高校球児たちが見せる、それらの要素ががなければ、見る側に感動を与えられない凡戦ということになってしまうのです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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