「食材偽装」事件での謝り方に思う

新聞各紙の報道、テレビのニュース番組は、このところ「謝罪」がトップです。

阪急阪神ホテルズ(大阪市)がレストランなどでメニュー表示と異なる食材を使っていた「偽装」問題に対する同社幹部の謝罪会見。また、みずほ銀行の暴力団関係者への融資放置問題に対する謝罪会見・・・などなど。

起こした不祥事に対する責任者の謝罪は昨今、大相撲界の八百長疑惑事件、柔道界の指導者層による暴力&パワーハラスメント事件、また、高校の体育会系部活動における指導者層の暴力や体罰が明るみに出るなどして頻繁に行われています。

間違いが表沙汰になって、会見の場で深々と頭を下げるくらいなら、最初から間違いなど犯さなければいいのに・・・と思いますが、どうにも「あの会見」を聞いてしまうと、社会への侮り、ものごとへの認識の甘さが、意図的に不祥事を生んでいるようにも感じられ、ああ、所詮は“こういう体質なんだな”と、怒りより、情けなさを感じてしまいます。

「あの会見」とは、阪急阪神ホテルズの出崎弘社長が、問題発覚後、初めて臨んだ10月24日の謝罪会見で「偽装」を「誤表示」と説明、さらに「現場(の従業員)の知識不足」と責任の転嫁を口にしたときのことです。

概して「謝り方」というものは、なかなか難しいものです。

致命傷だった禁句の「言い訳」

「謝罪の3原則」は①何に謝罪しているのか②誰に謝罪しているのか-と謝罪するターゲットを明確にし、そして③今後の対策をしっかりと語ること、と言われます。

姿勢の基本としては、当たり前のことですが、起こしたことの非を認め、態度や言葉に謝罪の気持ちを表すことです。

そこに絶対にあってはならないのが「言い訳」であり「責任転嫁」です。これが出てくると、謝罪される側の心理としては、許そうと思うものも許せなくなってしまう、という気持ちが芽生えるのは、当然のことでしょう。

その意味で10月24日の出崎社長の会見は、まったく謝罪になっておらず、原則の「何に」「誰に」がなく、そこにあるのはただ、組織を死守したい会社幹部の“その場しのぎ”だけだったように聞こえました。

ふくらむ批判に同社長は、再度臨んだ10月26日の会見で「誤表示」発言を「不適切だった」とし、故意の偽装は否定しながらも「お客様には理屈は通りません。偽装と受け止められても仕方ない」と頭を下げ、不祥事の責任を取って辞任することになりました。

謝罪の基本には「落ち度があることが分かったならすぐに謝れ」というのもあります。

名の通った名門ホテルが起こした「食材偽装」事件が、社長の辞任という形で責任を取るまでに二転三転があり、もし、最初に出崎社長の10月26日の会見での姿勢があれば、こじれ方がもっと少なかったのでは? とも思います。

誰もが納得しなかっただろう、ヘタクソな謝り方の中で最悪だったのは「言い訳」と「責任転嫁」だったでしょうか。それがすべてを苦境に陥れてしまっていた、と感じます。

たかが「ごめんなさい」されど「ごめんなさい」-ですね。

このひとことには、人がこれまでやってきたことを照らし出してしまう深さがあり、怖くもあり、難しくもあり、です。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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