ファィターたちの避けられない宿命

【リベンジ(revenge)】=復讐。仕返し。

スポーツの勝負、特に格闘技系の勝負は、その背景に「リベンジ」の要素が加わると、より一層、迫力が増し、面白さが加わります。

リベンジという言葉は今、メジャー化されて、スポーツに限らず、様々な場面に登場していますが、私の知る範囲では、この言葉を世に広めたのは、立ち技打撃系格闘技の「K-1」ではなかったか、と思います。

1993年4月にK-1が発足して2年目の1994年4月に行われた「K-1グランプリ」に当時、空手からグローブ・マッチに移行したばかりにもかかわらず、連戦連勝を遂げていたアンディ・フグ(スイス=故人)が初参戦しました。

が、アンディは、優勝候補に名を連ねながら、何と1回戦でパトリック・スミス(米国)に1回19秒で“秒殺”KO負けしてしまう、番狂わせが起きてしまいます。

それから5カ月後、1994年9月に開催された「K-1リベンジ」と銘打たれた大会は、まさにアンディのためにセッティングされたようなものでした。この舞台で因縁のスミスと激突したアンディは、ひざ蹴りを見舞って1回56秒、お返しの“秒殺”KO劇で雪辱します。

1997年7月-。極真空手からK-1に乗り込んだフランシスコ・フィリォ(ブラジル)が、デビュー戦でカウンターの右フック一撃、衝撃的なKO劇でアンディを沈めました。その年の「K-1グランプリ」で優勝を狙ったフィリォは、しかし、準決勝でアーネスト・ホースト(オランダ)に敗れ、悔しい思いをしますが、1999年の「K-1リベンジ」でホーストと再戦、今度は1回KO勝ちでリベンジに成功しました。

こうした勝負の世界に生きるファィターたちは、敗戦で崖っぷちに追い込まれ、それを乗り越えて強くなり、リベンジなれば、さらなる高みへと進んでいきます。その意味では、敗戦→雪辱戦→勝利(あるいはまた敗戦)の形は、まさに人生の縮図的でもあります。

人生の縮図を感じるリベンジ戦

さてさて・・・前置きが長くなりました。今回、ここで取り上げたかったのは、プロボクシングのWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(34=ワタナベ)とWBC世界同級王者・三浦隆司(29=帝拳)の因縁です。

この2人の世界王者は、この12月31日(東京・大田区総合体育館)に内山が金子大樹(25=横浜光)とV8戦を、三浦がダンテ・ハルドン(25=メキシコ)とV2戦を、それぞれ行います。

大晦日決戦は、西の井岡勢との競演となりますが、内山と三浦のそれぞれの戦いは、来年夏ごろに実現するかもしれない両団体の王座統一戦、三浦にとってはリベンジ戦ともなるビッグマッチを視野に入れていることで緊迫感を漂わせています。

内山と三浦の「点と点」が「線」で結ばれたのは、2011年1月31日、内山の3度目の防衛戦のときでした。当初、WBA世界スーパーフェザー級暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との王座統一戦が予定されていましたが、ソリスが急病のためキャンセルとなり、急きょ、対戦相手が三浦(当時・横浜光)に変更されました。

この試合で三浦が健闘します。3回にバッティングで右マブタを切り、視界が悪くなった内山に対し、三浦は“ボンバーレフト”の左ストレートを見舞いダウンを奪います。

しかし、内山は慌てず、左ジャブをコツコツと当てながら三浦の勢いを防ぎ、最後は、顔を腫らし、右マブタをふさがれた三浦が、8回終了後に棄権を申し出て、TKO勝利に結びつけました。

負けた三浦はその後、所属ジムを帝拳に変え、今年4月にWBC世界スーパーフェザー級王者ガマリエル・ディアス(メキシコ)に挑戦して王座を奪い、同年8月の初防衛戦では、敵地メキシコに乗り込んで同級1位のセルヒオ・トンプソン(メキシコ)を下す快挙を演じました。

三浦は、内山戦での敗戦をバネにして強くなり、王者となって再び、因縁の相手とのリべンジ戦を視野に入れるところまで這い上がってきました。

2人の対戦はぜひとも実現させたいところです。それにはまず、当面の相手にそれぞれ勝利することが条件です。

大晦日の大田区総合体育館は、かなり熱くなりそうですね。
スポンサーサイト
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR