近づく夏の季節に思うこと

梅雨空の鬱陶(うっとう)しい日々が続いていますが、曇天の6月27日、神奈川県逗子市の逗子海水浴場が、関東エリアでは“一番乗り”で海開きしました。

そうした中でさてさて・・・今年の夏、海水浴場には本来の姿である「静かな海辺」が戻って来ることでしょうか。

というのも、逗子市(平井竜一市長)は今年2月、昨年夏に湘南海岸の「海の家のクラブ化」問題などが表面化したことを受けて「日本一厳しい条例」(同市)とする「安全で快適な逗子海水浴場の確保に関する条例改正案」で海岸の規制を強化する方向性を打ち出し、実施に至りました。これに対して海の家を経営する側の「逗子海岸営業協同組合」が反発。改正条例の差し止めなどを求めた訴訟を起こし、行政と営業の現場が背中を向け合う中でのスタートとなったからです。

海水浴場の音楽や様々な騒音に対する自粛化は、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海水浴場から起きています。

片瀬海水浴場は、江の島に渡る桟橋を挟んで江の島に向かって右側(鵠沼海岸・辻堂海岸方向)が西浜、左側(鎌倉・材木座海岸方向)が東浜、となります。

この、かつては家族連れの憩いの場だった西浜が、なぜこんなふうになってしまったのか、と地元住民を嘆かせたのが、海の家のクラブ化、でした。

これは本当にひどい! とか言いようがありません。一部海の家が重低音大音響で音楽を鳴らし、若い男女がひしめき合ってダンスに興じています。

それが何か問題でも? と開き直られても困ります。一般から見れば、まったく迷惑としか言いようがない出来事ですし、少なくとも家族連れでこの海岸に来た海水浴客は、何事が? とビックリしてしまうことでしょう。

海水浴場は誰のもの?

近隣住民の苦情をもとに藤沢市は昨年1月、海水浴場協同組合に自粛を要請。組合側も「音楽の全面禁止」や「入れ墨のある客の規制」など協力体制を取り、昨夏は表向き、静かな海岸が戻ったかに思われました。

が、静かになった片瀬海水浴場を“つまらない”とする海水浴客が、それでは・・・と、お隣の鎌倉市や逗子市に向かってしまいます。・・・そして昨年7月、逗子海水浴場で勃発した暴力団関係者による殺傷事件・・・。

逗子市が打ち出した「日本一厳しい条例」の背景には、こうした流れがありました。

1960年代の夏、大学生だった私は、片瀬西浜海水浴場の海の家でアルバイトをしていました。

友人の家が、夏場になると海の家を出し、彼の父親が海水浴場協同組合の組合長をしていたこともあり、手伝いに駆り出されたのです。

片瀬の海は一時、汚染に悩まされた時期もありましたが、関係者の努力によりきれいな海岸が復活。当時の夏は、週末になると砂浜がびっしり埋まるほどの海水浴客にあふれ、私たちアルバイトの従業員も、休憩時間などなく動き回っていたことを覚えています。

海の家を利用する海水浴客は、遠くから来る人たちであり、そこで着替えをして貴重品を預け、安心感をもって海に入ります。居心地がよく、ああ、楽しい一日だったなァ、と思えば、来年また来たときも、同じ海の家をのぞいて、顔見知りの従業員がいれば、今年もよろしくね、ということになるでしょう。

つまり、健全化こそが第一、です。

夏場の、わずか2カ月間の営業となる海の家の役割が、安心感のある憩いの場の提供、というところにあるのなら、海の家のクラブ化、など海岸に持ち込むものではないでしょう。

もし、開催する側が“営業に関わる問題”と口をとがらすなら、視点を変えて一方、それによってどれだけ、海水浴客の足を遠のかせているか、ということも考えるべきでしょう。

逗子市の厳しい規制に反発する業者の言い分も分からなくはありませんが、平井市長が「子供連れの家族が安心して遊べる海を目指す」と意向を語ったように、長い目で見たとき、静かになった海岸にどれだけの海水浴客が戻って来るか、そこに視線を移すべきなのではないでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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