避けて通れないボクサーの宿命

〈ローマン・ゴンサレス〉1987年6月17日生まれ。ニカラグア・マナグア出身。27歳。39戦全勝(33KO)。右ボクサーファイター。WBC世界フライ級1位。元WBA世界ミニマム&WBA世界ライトフライ両級王者。10歳からボクシングを始める。アマチュアを経て05年7月プロデビュー。07年5月、帝拳とマネジメント契約を結ぶ。08年9月、新井田豊(横浜光=当時)からWBA世界ミニマム級王座を奪取。10年10月、WBA世界ライトフライ級暫定王座決定戦に臨み勝利。世界2階級制覇を達成した。

王者自身が、迎え撃つチャレンジャーを「高い山」と言い切り、勝利の2文字は、胸中深くしまい込まれていました。

9月5日(東京・代々木競技場第2体育館)、39戦全勝の“怪物”ローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア、帝拳 )と激突するプロボクシングのWBC世界フライ級王者・八重樫東(31=大橋)です。

決戦が近づく8月28日、八重樫の公開練習が行われた大橋ジム(大橋秀行会長=神奈川・横浜市西区)に足を運びました。

公開スパーの前に行われた記者会見-。

ピリピリと緊張感に包まれているのが普通の時期なのに八重樫は、あくまで淡々と、細い目を下げて笑顔まで見せ、記者たちの質問に答えていました。

その発言から、この大一番に臨む“胸の内”を推察してみました。

-ビッグマッチが近づきましたが、気持ちに変化はありますか?

「そうですね。近づくにつれて、そういう気持ちにはなっていますね。まあ、これまで積み重ねた日々がものをいうのではないか、と思います」

-これまでにも統一戦(井岡一翔とのWBC&WBA世界ミニマム級王座統一戦)などのビッグマッチがありましたが、そのときと比べて?

しまい込まれた勝利の2文字

「ビッグマッチと言いますけど、相手が偉大な選手なので、ボクにとっては、ビッグマッチではなくビッグチャレンジ、ですね。自分に対するチャレンジととらえています」

-対策はどうですか?

「もちろん、いろいろとしてはきています。が、正解は、試合でしかわからないと思います」

松本好二トレーナー「八重樫のペースに早い段階で持ち込めれば、とは思いますね。やってきたことはさまざまありますが、試合の中で良かったものがあれば、それが良かったということでしょうし、やはり、終わってみなければわからないですね」

-(大橋会長に)勝つ条件は?

大橋会長「ウ~ン・・・」

-相手の強さは?

大橋会長「パーフェクトだね。攻め、守り、距離感、パワー、みんな良しの“生きる伝説”だね」

松本トレーナー「アナがほとんどない選手ですね」

-八重樫の強さは?

大橋会長「やっぱりハートの強さ。どんなピンチでも、こらえて勝ちに行ける強さがある」

松本トレーナー「相手が強いのはわかっている。アナがないが、八重樫が風穴を開けて、ああ、そこがアナだったのか、と思わせたいですね」

-ところで皆が避けるこのマッチメークを受けた理由は何ですか?

大橋会長「同じ時代にそういう選手がいるなら、やるしかないでしょう」

・・・そして八重樫が、このとき初めて顔をキリリと引き締めて言いました。

「ハイリスクにはハイリターンがあります。強い人に勝ちたい。自分への、これは避けて通れない挑戦ですね」

八重樫が、このビッグマッチ、いやビッグチャレンジに臨むにあたり、果敢に打ち合うのか、あるいは足を使って機をうかがうのか、陣営の作戦はさまざまでしょう。

が、勝利の2文字が最後まで聞かれなかった、この会見での発言で推察されたものは、八重樫の持ち味である「折れないハート」そして並々ならぬ「勝利への意欲」でした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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