“怪物”が払拭する“内山ロス”

無敵を誇ったWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者だった内山高志(36=ワタナベ)の“まさか!”の王座陥落で、プロボクシング界は、ガックリと“内山ロス”状態に陥った感があります。

・・・が、意気消沈してばかりはいられません。この暗雲を吹き飛ばすべく、5月8日には、大橋勢の2王者が出撃します。

東京・有明コロシアムで開催されるダブル世界戦。WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)の2度目の防衛戦とIBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(33=大橋)の初防衛戦ですね。

注目を集める今回の井上の相手は、同級1位の指名挑戦者ダビド・カルモナ(24=メキシコ)です。

井上は2014年12月30日、王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)を2回KOに下して2階級目のWBO世界スーパーフライ級王座を獲得しました。

しかし、ナルバエスから4度のダウンを奪う快勝の、手痛い代償として右拳を負傷、初防衛戦は1年間のブランクを余儀なくされた後の2015年12月29日となりました。

1年間のブランクを危惧する声は、そこかしこから聞かれたものですが、この天才はそんなことを一切、問題にはしません。いや、むしろ、以前より強くなってリングに帰ってきた印象を受けました。

近い将来のビッグマッチを視野に入れ・・・

同級1位のワルリト・パレナス(フィリピン)を問題にせず2回KO勝利。そして、今回のV2戦は、WBOの指示により、また同級1位選手、カルモナとの指名試合となりました。

ここまで全9戦の井上ですが、初戴冠となった2014年4月6日のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチから世界戦全4戦、すべてKO勝利を飾っています。

カルモナ戦には〈世界戦5連続KO勝利〉が懸かります。

この数字は、内山、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)、WBC世界バンタム級王者時代の長谷川穂積(真正)がそれぞれ達成。井上が達成すれば、この名王者たちの仲間入りをすることになります。

さらにその先には、元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏が持つ〈世界戦6連続KO勝利〉の日本記録も見えています。

井上は「(カルモナは)テクニックがあって倒しづらい選手だと思う」と話す一方、スーパーフライ級に転向したここ2試合は、いずれも2回という早い回で試合を終えていることから「もっと自分がやってきたことを試したい」として、中盤での決着を視野に入れているようです。

「皆さんが期待するビッグマッチへの第一歩」と陣営の大橋秀行会長が言うように、この試合に勝てば、軽量級最強の“ロマゴン”ことWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンザレス(ニカラグア)との夢対決が見えてくるかもしれません。

ちなみにボクシング専門誌の情報では、米ボクシング誌「リング」による“PFP(パウンド・フォー・パウンド)ランキング”で井上が初のトップ10入り(9位)を果たした、とのことでした。トップはゴンザレスですから、この2人の対戦が実現すれば、凄いことになりそうですね。

井上自身は、スーパーフライ級の最強を目指し、他団体の同級王者たちとの統一戦をやりたい、との意向もあるようですが・・・。

しかし、内山の敗戦が示すように、この世界に“絶対”はありません。そのあたりは本当に慎重に構えてほしいもの、と思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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