“ボンバーレフト”の迫力にシビれた!

この男の闘魂の凄さを、改めて思い知らされました。

1月28日(日本時間同29日)に米カリフォルニア州インディオ(ファンタジー・スプリングス・リゾート&カジノ)で行われたWBC世界スーパーフェザー級1位・三浦隆司(32=帝拳)vs同2位ミゲール・ローマン(31=メキシコ)の挑戦者決定戦です。
(試合は1月29日午後11時からWOWOWが生中継)

2015年11月21日(日本時間同22日)、ラスベガス(米ネバダ州)で行った5度目の防衛戦に失敗。1位の挑戦者フランシスコ・バルガス(メキシコ)にベルトを奪われてから1年2カ月。三浦にとっては、2016年5月の再起戦(1回KO勝利)をはさんで、やっと巡ってきた王座奪還へのチャンスとなる試合でした。

興行を主宰する「ゴールデン・ボーイ・ブロモーション」のオスカー・デラホーヤ代表も随分、刺激的なことをする人ですね。

メーンに三浦が負けたバルガスのV2戦を置き、その前のセミにバルガスへのリベンジを誓う三浦が、王者への挑戦権を得られるかどうかの挑戦者決定戦を組むのですから・・・。

バルガスも三浦も、またバルガスの首を狙うミゲル・ベルチェルト(25=メキシコ)も三浦と戦うローマンも、4者4様の思惑が交錯して激しく火花を散らしていたことでしょう。プロボクシングは、こうでなくてはね・・・。

王座奪還に向けて絶対に負けられない試合で、しかし、三浦は苦戦を強いられます。

身長1メートル69の三浦に対して、相手のローマンは1メートル65とひと回り小柄。試合を中継するWOWOWのゲスト解説を務めた村田諒太(帝拳)が、この差を、いかにも理論派らしくこう説明しました。

〈標的が小さい場合、大きい方が有利とは必ずしも言えないですね。相手に合わせると、自分の重心がいつもとは違ってきてしまうんです〉

終盤に3度のダウンを奪う猛攻

試合は、小さいローマンが、低い体勢からもぐって前進、サウスポーの三浦が右ジャブでこれを突き放すような形で始まりました。

好戦的なローマンは、もぐって近づき、持ち味の回転の速い連打、手数で攻め続けます。

三浦は“ボンバーレフト”という決定打を持ちながらも、それを生かすために右を多く使い、右ボディーは有効でしたが、村田の指摘通り、低くもぐりこんでくる相手に後退させられる場面もあり、中盤戦開始の5回には、何と足を使って動き、離れざるを得ない状況に追い込まれるほどでした。

6回を終えてジャッジの採点は、1人が57-57のドロー、ほかの2人は56-58、55-59、とローマンを優勢とするポイントをつけていました。

三浦が出てきたのは7回でした。この回を迎えて初めて勝負に出た戦い方。強打を打ち込みますが、ローマンはさすがですね、ここでも負けじと接近・連打で応じ、互角の展開となります。

が、三浦は、これを機に“らしさ”を発揮していきます。8回、ワンツーの左を顔に打ち込み、下には効果的な右ボディーをめり込ませます。・・・そして10回、これは凄かったですね。残り10秒。狙いすませた左ボディーアッパーを豪快に叩き込み、悶絶のダウンを奪いました。

さあ、あと2ラウンドの勝負。攻勢に転じた三浦が、中盤までの劣勢を取り返せるか。11回、ボディーへの連打でダウンを奪い、立ち上がってからもロープに追い詰め、連打を炸(さく)裂させます。

そして最終12回-。

弱ったローマンの顔に最後はとどめの“ボンバー”左ストレートを叩き込み、10カウントのKO勝利を収めました。

「きつい試合でした」と振り返った中、それでも終盤3ラウンドで3度のダウンを奪う猛攻の凄さ。

三浦の激しさに圧倒されたわけではないでしょうが、その後の試合、王者バルガスは、もうこんな三浦と戦いたくないよ、と言わんばかりにベルチェルトに打ち負けてV2失敗となりました。

三浦の標的は、新王者となった25歳のベルチェルトに代わりましたが、これでまた、三浦の今後の動向から目が離せなくなりました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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