利便性の裏にある過重労働

2月上旬の某日-。

カタログに「ヤマト運輸(株)〈クール宅急便(冷凍)でお届けします〉」と記載されている品物を注文し、宅配便の時間帯指定配達を、6つある区分から「午後6時~同8時」としました。

上記の日は、それが届く日で指定の時間帯に在宅の予定でしたが、急な用事が入り外出、それでも午後6時に間に合うようにバタバタと用件を済ませ、帰宅しました。

しかし・・・午後6時半、7時、8時・・・まだかな? と待ちつつ、結局、指定の時間帯に荷物は届きませんでした。

翌朝、一番に注文先に電話を入れました。指定した時間帯に遅れて不在では、配達してくれる人にも再配達の面倒がかかる、とこちらも配慮して急いで帰宅した分、言葉がとんがってしまいます。

ついつい、強い口調で「信用にかかわりますよ!」などと・・・。

しばらくして注文先から折り返しの電話が入り、宅配便側にはちゃんと指示していることの説明があり、またしばらくして、今度は宅配便側からお詫びの電話が入り、午前中には必ず配達する、ということになりました。

ムリを生む時間帯指定配達システム

午前中に、あるいは午後に、という指定も、届くのを待つ側にしてみれば、その時間をつぶすことにもなり、冷静になって考えてみれば①午前中②正午~午後2時③午後2時~同4時④午後4時~同6時⑤午後6時~同8時⑥午後8時~9時-という6つの時間帯指定区分は、本当に受け取る側に立った、きめ細かいサービスなのだなァ、と思います。

その分、それに慣れてしまった受け取る側は、指定した時間帯に荷物が届くことが当たり前になってしまい、遅れたり、届かなかったりすると、今回の私のようにイラだってしまいます。

それほど待たずに午前中、荷物を配達してくれた配達員は、気の毒なほど、最初から最後まで頭を下げっぱなしで配達が遅れたことを詫びていました。が、例えば交通の渋滞状態、不在による再配達の量、そしてまず、昨今の宅配便の多さ、などを考えると、時間帯指定の配達は、相当に無理な状況にあるのではないかとも思ってしまいました。

そうした出来事があり、約1カ月が経った3月上旬、宅配便業界最大手「ヤマト運輸」の労働改善に関する記事が、新聞各紙をにぎわせるようになりました。

スマホなどの普及による“ネット通販”の拡大で配達量が増えた現状。それに見合う宅配するドライバーが確保されていない状況。それらにより、時間帯を指定して荷物を受け取るという、丁寧な宅配サービスの見直しが求められる一方、労働環境の改善も急務となり、これまでのシステムを根本的に変えざるを得ない情勢となった、という内容です。

利便性を第一に〈希望の時間にお届けします〉というサービスの背景に〈届ける側の過酷な労働があった〉ということが明るみに出たわけですが、私たちも、例えば〈手ぶらで旅を〉など荷物を行く先に届けてくれる、過剰とも思えるサービスが増えつつある昨今、そうして与えられるさまざまな便利の上にあぐらをかくことを、そろそろ改めなくてはならないときに差しかかっているのかもしれません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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