振り込め詐欺の電話に出て・・・

私が住む藤沢市(神奈川県)の「消費生活センター」では、市民が消費者トラブルに巻き込まれることがないように注意を促す情報紙を定期的に配布しています。

最近多いパソコンのワンクリック詐欺などのトラブル、あるいは公的機関からの還付金をエサにした還付金詐欺など、さまざまな詐欺事件にあって、見逃せないのが、一向に減少しない〈振り込め詐欺〉ですね。

増加する一方とのデータに接するたびに、なぜ? と思い、どうして簡単に騙(だま)されて多額の金を振り込んでしまうのだろう、などと常々、思っていましたが、何と私のところにも、離れて住んでいる息子の金銭的窮地を装った振り込め詐欺の電話がかかってきたのです。

そのやりとりを再現してみましょう。

3月28日夜-。

午後9時ごろだったでしょうか。自宅の固定電話が鳴り、電話に出ると受話器の向こうから、男のこんな声が聞こえてきました。

振り込め詐欺「あ、○○(息子の名前)だけど・・・」

“オレオレ”ではなく、ちゃんと息子の名前を名乗ったところに、こちらを安心させる要素がありましたが、声の質が違い、話すトーンも全体的に沈んでいて暗く、いつもの息子とはちょっと違うものを感じます。

私「○○か? どうしたんだ。声が全然違うな」

振り込め詐欺「ウン、ちょっと風邪引いちゃってね。熱もあるんだよ。明日だけど家にいる?」

私「明日? 午後1時くらいには帰っているよ」

そのときのやりとりは、これで終わりました。声の違いもそれほど疑問視せず、私の受け止め方も、ああ、息子が帰ってきて一晩、泊まっていくのだな、程度のものでした。

そして・・・翌日3月29日午後1時過ぎ-。

午前中に用事を済ませ、その時間に家に戻っていた私は、再びかかってきた、息子と名乗る昨夜の男と話しました。

振り込め詐欺「実は今、金策で駆け回っているんだ。銀行とかにお願いに行ったけど全部ダメで困っている。どこか今すぐに金を貸してくれるところがあったら教えてほしいんだけど・・・」

私「そんなところ、あるわけない」

息子の金銭的窮地を装う手口

事情を聞くと、会社の金を使い込み、株で埋めようとしたが、失敗して穴をあけてしまったのだ、という。で、今、会計監査が入り、発覚すれば横領罪に問われて大変なことになる。何とかならないだろうか、ということでした。

そして、穴をあけた金額は700万円。とりあえず緊急に400万円、ムリなら200万円、出してもらえないだろうか、と言ってきました。

この段階で私の頭の中は、息子が果たしてこんな金銭トラブルを起こしたのだろうか? という疑問と、一方、本当に窮地に陥っているのなら、何とかしてやらなくてはならないだろうな、という親心が交錯しています。

ちなみに親心に関して言えば、私は、絶対に変な金融には手を出すなよ、とも言っています。

これには向こうも“あと一息”と思ったかもしれません。

しかし、よくよく考えてみれば、金策に走り回って電話をしている割には、受話器の向こうから外の騒音が聞こえず、静かな家の中から電話しているようにも感じられるし、男の声のトーンは暗いものの、淡々とし過ぎていて、息子だったらこうなるのではないか、と思う、窮地に陥ったときの切迫感が感じられません。

・・・で、私「電話じゃ分からない。とにかく帰ってきて状況を話せよ。(金を)出す出さないは、その後に考えるから」

これに対し相手はこう答えました。

振り込め詐欺「時間がないよ。会って状況を話せば(金を)出してくれるなら、先に出してくれよ。その後に帰って状況を話すから・・・」

とにかく、急がせる、考える時間与えずに畳み込む、パニック状態に追い込む、というのが、金をむしり取る側の手口と言います。

従ってここで私は、ある程度、おかしいな、の確信を得ます。

私「お前、○○じゃないな。声が全然違う。これは振り込め詐欺だろう」

振り込め詐欺「だから風引いたっていっただろ。振り込め詐欺なんかじゃない。いいよ。これから警察に出頭するから」

といって電話が切れました。

念のために息子の携帯電話に連絡すると、風など引いていない、いつもの元気な声が聞こえてきました。事情を話すと「金銭トラブルなどないよ。オヤジ、気をつけろよ。今はそういう時代なんだよ」と大笑いしています。

まあ、こちらとしては、笑ってなどいられない事態でしたが、こうした出来事に遭遇した場合、一般的に高齢者や特に高齢の女性など、頭が真っ白になってしまって思わず、となってしまいがちでしょうが、冷静に対応していると必ず、どこかおかしいな、というところが出てくるものです。

口先三寸で大金を巻き上げられてしまった、など腹立たしい思いをしないよう、やはり、自衛のノウハウを身につけておくことは必要ですね。

息子の言葉ではありませんが、こうこいうことが平気で行われる時代になってしまったのでしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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