“格の差”に阻まれた決定打

“鉄の心臓”亀海のチャレンジは、本当に残念な結果でしたね。

果敢な攻めで善戦したものの“それ以上”をもたらす決定打を元4階級王者の巧(うま)さに阻まれてしまいました。

8月26日(日本時間同27日)に米カリフォルニア州カーソンの「スタブハブ・センター」で開催されたプロボクシングのWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦、同級1位ミゲル・コット(36=プエルトリコ)vs同級6位・亀海(かめがい)喜寛(34=帝拳)の一戦です。
試合は8月27日午前11時からWOWOWが生中継

判定に持ち込まれた試合の3人のジャッジの採点は、120-108、118-110、119-109、と大差がつき、世界初挑戦の亀海の完敗でした。亀海の終始、攻め続けた攻撃的姿勢には、採点で出された数字ほどの劣勢は感じられなかったものの、終わって全体的に観(み)れば、コットの百戦錬磨、老練の巧さの前に、亀海の力量不足は、やはり、否めないところがありました。

2011年から米国を主戦場とする戦いを始めた亀海の米国戦績は、この試合まで8戦して3勝3敗2分。米国に来て攻撃的なスタイルに磨きをかけ、それが“大和魂”として米国での人気の原動力にもなっています。

特に2016年4月と9月に行ったヘスス・ソト・カラス(メキシコ)との2戦(初戦=引き分け、再戦=8回TKO勝ち)が注目を集め、今回のコットとの対戦相手に抜擢される、という経緯がありました。

引退ロードに入っているコットは、2015年11月のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)戦以来、1年9カ月ぶりのリングです。

善戦の亀海に足りなかったものは?

それも計算して亀海は初回、ガードを固めて積極的に前進、プレッシャーをかけながら接近し、ボディー、アッパーと矢継ぎ早に打ちまくりました。

観る側も“これは!”と早くも手に汗握る滑り出しの攻防でしたが、コットはさすがですね。2回に入り、久々のリングであることも冷静に計算しつつ、攻める亀海をかわし、捌(さば)き、3回以降は足も使い、亀海の打ち終わりにパンチを3発、4発と返し、さらにコットらしさを見せつけたのは防御の固さで、そこに亀海がつけ込むスキを阻まれた要因があったように思います。

試合後に亀海は、コットのパンチは「効いていなかった」と話したことが伝えられたように、亀海はコットの決定打をもらうことはありませんでしたが、一方、亀海もあれほど攻めながら、決定打を与えることが出来ませんでした。

それが36歳の“レジェンド”コットの巧さであり、その巧さの前に亀海は、全力を尽くしたものの、善戦どまりに“終わらされた”というのが、この勝負だったのではないかと思います。その差は大きいですね。

スポニチ本紙のプロボクシング世界戦評論でおなじみに元世界王者・浜田剛史氏(帝拳代表)は「総合力に大差はなかったが、相手が対応力で上回った。(略)一流選手に勝つためには何が足りなかったのか、という反省が(亀海には)残った」と記述していました。

簡単に言うなら“格の違い”-。恐らく亀海自身、12Rを戦ってそれが分かったからこそ、悔しさは半端ではなかったことと思いますよ。

「俺はもっと強くなって帰ってきます」と目を赤くして話した34歳に対して、この試合の取材に当たったをスポニチ本紙の担当記者は「亀海の戦いは、まだ終わらない」と、悔しい敗戦記事を結んでいました。

契約を交わす「ゴールデン・ボーイ・プロモーション」のプロモーターを務める元6階級制覇王者のオスカー・デラホーヤ氏から「鉄の心臓」のニックネームを頂戴した亀海は、コット戦敗戦を機にまた、ひと回り大きくなってくれることを期待したいですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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