映画「麗しのサブリナ」を観て・・・

若き日の“可憐な妖精”を久々に堪能してきました。

太陽が顔を出さずにムシ暑い曇り空ばかりが続く8月半ばの某日-。

映画好きの友人Oからメールが入りました。

〈ヘップバーン、観(み)に行かないか?〉

かつての傑作名画を全国展開で上映してくれている「午前十時の映画祭」の、神奈川県エリアでの上映館のひとつに「シネプレックス平塚」(神奈川県平塚市)があり、ここを私たちはよく利用しているのですが、この時期、ヘップバーンを特集していて「ローマの休日」(1953年=米)「麗しのサブリナ」(1954年=米)「昼下がりの情事」(1957年=米)「おしゃれ泥棒」(1966年=米)の4作を週替わりで上映しており、上映中だった「麗しのサブリナ」を観に行ったのです。

ヘップバーンと言えば、ウィリアム・ワイラー監督に見い出され、初の主役を演じた「ローマの休日」の、無邪気で可憐な〈アン王女〉を、誰もが思い浮かべることでしょう。

が、よく見れば、美人でもなく、口が大きく、かといって、ブスでもないなァ、と思い、体だってつくところについてなく、ガリガリといった感じだし、結局、キュートな魅力、というところに落ち着いてしまうヘップバーンという女優は、不思議と言えば不思議、スクリーンの中から、観ている側に爽やかな微笑みを浮かばせてしまうのです。

「麗しのサブリナ」(原題=Sabrina)は、あのビリー・ワイルダー監督によるロマンチック・ラブ・コメディです。

1950年代に同監督が手がけたラブ・コメディには「七年目の浮気」(1955年)や「お熱いのがお好き」(1959年)などがありますが、これらの主役を務めた、ヘップバーンとは対照的に豊満なB90を揺らすグラマラスなマリリン・モンローにも「無邪気な可愛らしさ」があり、まったく質の違う「無邪気な可愛らしさ」がワイルダー監督の感性をくすぐったのでしょうか。

当時25歳の若きヘップバーン演じるサブリナ・フェアチャイルドは、大富豪ララビー家のお抱え運転手を務めるトーマス・フェアチャイルドの娘です。

ララビー家で開催されるパーティーに、運転手の娘ゆえに加われないサブリナは、庭の木によじ登って楽しげな光景を眺め、密かに恋するララビー家の次男デイヴィット・ララビー(ウィリアム・ホールデン)に遠くから熱い視線を送り続けます。

“可憐な妖精”の不思議な魅力

そんな矢先、デイヴィットには家系に見合った恋人がいることを知り、サブリナはショックのあまり、数台の車が並ぶ車庫に入り、全車のエンジンをかけて一酸化炭素中毒による自殺を図ります。が、そこにララビー家の長男ライナス・ララビー(ハンフリー・ボガード)が現れ、何やってんだ! と叱られ、事なきを得るに至ります。

ハンフリー・ボガードには、やはり「カサブランカ」(1942年=米)の渋いリック役が思い浮かび、このシーンでも、いたずらをしでかした生意気盛りの小娘を目で叱る迫力があり、それがまた、サブリナ・ヘップパーンのキュートな魅力を引き出してもいました。

やがてサブリナは、料理を学ぶためにパリに留学、2年後に見違えるように洗練された大人の女性になって帰ってきます。誰だ! えっ、あのサブリナか! とライナス&デイヴッドのララビー兄弟は、にわかにサブリナ争奪戦を開始、ドタバタとさまざまな騒動を繰り広げます。

デイヴィットとサブリナの仲が、事業の障害になると案じたライナスが、サブリナをパリに追い出してしまおうと図り、しかし、自らもサブリナを愛していることが分かり、デイヴィットもそれに気づいてライナスをサブリナが乗り込んだパリ行きの船に乗り込ませ、そこでめでたし・・・のハッピーエンドとなる筋書きです。

ストーリーは単純なラブ・コメディですが、観る側を、面白かったね、と満足させるのは、やはり、ハンフリー・ボガード、ウィリアム・ホールデン、そしてオードーリー・ヘッブバーン、というキャストの妙にあったのかもしれません。

それと・・・全編に流れるテーマ曲「La vie en rose(ラ・ヴィ・アン・ローズ=バラ色の人生)」が良かったですねェ。言わずと知れたエディット・ピアフのシャンソンの名曲。それが、随所に流されていました。

それにしても・・・冒頭に苦し紛れに〈若き日の妖精〉だとか〈キュートな魅力〉と書きましたが、ヘップバーンの本当の魅力ってどんなところにあるのだろうか、と考えてしまいます。

スクリーンの中でキス・シーンがあっても、どうにも“女”が匂ってこない。例えばブロンドのベリー・ショート“セシールカット”で女性を虜(とりこ)にしたジーン・セバーグが漂わせた〈中性的な魅力〉なども思い出され、あるいは共通項があるような気もします。

・・・と思う一方、ライナスとのヨットでのクルージングで見せたホットパンツ姿の太ももは、かなり、セクシーでもありましたが・・・。男どもはどうしても、そういうところに目が行ってしまうものです。

やはり、ヘップバーンの本当の魅力は、男連中では決めきれない、同性が感じる“何か”によるものなのかもしれませんね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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