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活字に“生”を与えるということ

「朗読」というジャンルはどうでしょうか?

朗読(ろうどく)〉=「声高く読み上げること」(広辞苑)

私はこれまで、この分野に関して、まったく知識もなく、関心もなかったのですが、このところ急に興味を持ち始めました。

というのも昨年10月、私は地域(神奈川県茅ケ崎市)の市民文化祭で「とうとうたらり~茅ケ崎市民文化の人類学的考察」と題する演劇に出演したのですが、その際、芝居にはまったくシロウトの私が、もっとも苦戦したのが、台本に書かれた台詞に〈どう“生”を与えるか〉ということでした。

つまり、例えば「驚く場面」で〈言葉だけで驚かないでくれ。普通、驚くときは顔も変わるし、動作も驚いたものになるだろ。それをやってくれ〉と随分、お叱りを受けたものでした。

台本に書かれた台詞を、ただ活字として読み上げる(音読)のは簡単ですが、演劇の場合は、当たり前のことですが、そこに芝居が入り、動作とか感情で活字を世に送り出し“生”を与えなければなりません。

私の場合は、台詞の暗記ばかりに気をとられて、それを出来ずにいたわけですね。

「朗読」という、詩歌や文章などを声を出して読み上げる作業は、私の苦い経験から、同様のことが行われているのだろうか、ということが最初に気になったことでした。

そこで過日、定期的に発表会を開催し、朗読で活躍するグループの方々に聞いてみる機会を得ました。

-「朗読」の一番のポイントはどこにあるのですか。

Hさん「例えばテレビやラジオのアナウンサーが、間違いのない美しい日本語で語る、ということを第一にしたものもあります。主に子供向けに多いようですね。一方、表現を第一にして聴く側をどう引き込むか、という読み方もありますね。それぞれの目的によってポイントは変わると思います」

「朗読」に感じる奥の深さ

-演劇の台詞はまず暗記しなくてはなりませんが・・・。

Aさん「同じですね。朗読は本を手にしたりして読む形を取りますが、私の場合、ほとんど暗記していますね。暗記していないと活字を読むことだけに追われてしまいます。活字に感情を入れるには、やはり、暗記していることが前提となりますね」

-それは凄いですね。

Hさん「読みながら聴き手の反応を見ます。静まっていれば盛り上がる読み方をしてみようか、などと・・・。つまり、ライブですね。それには暗記をしていないと出来ませんからね」

ほとんど演劇と同じ感覚ですね。芝居のように目に見える動作はないものの、やはり、活字に“生”を与えるために読み手は内面“気持ちの動作”をフルスロットルにしているようです。

一般的に言われている基本が①聞き取りやすい声(遠くまで届く声)②表現③そのための読解力-です。

-読む本の選択はどうするのですか?

Aさん「私は自分で選びます。文章の理解、的確な表現のためには、やはり、自分が読みたいものでないと・・・という気持ちが強いですね」

たかが「朗読」されど「朗読」-。

深いですね~。

私はこの話を聞いてから、ちょっとやってみようか、と選んだテキストが、あの歌舞伎の代表的な「白浪(盗賊)」もの。「弁天娘女男白浪」でした。

あの浜松屋で開き直った弁天小僧菊之助の長口舌、有名な「知らざァ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が・・・」-。

いやいや、これは「朗読」のジャンルに入るわけもありませんが、まず暗記、そして次に表現、凄味の出し方、などなど。活字に“生”を与える作業が簡単でないことは、十分に理解できることでした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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