女子高生アマ優勝の裏に見た「戦いの構図」

見応えがあり、そして“面白い”展開が、観(み)る側を緊張させ、楽しませてくれました。

17歳の女子高生アマ・畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)が優勝した女子ゴルフ“日本一”決定戦「日本女子オープン」(10月2日最終日、栃木県那須烏山市=烏山城CC二の丸・三の丸コース)の熱戦です。

コース・セッティングの難しさで知られるJGA(日本ゴルフ協会)主催のこの大会で、アマチュア選手が優勝するのは史上初の出来事となりましたが、私が冒頭“面白い”と記したのは、その快挙を生んだ背景に見た〈戦いの構図〉でした。

今年の「日本女子オープン」のキーワードは「アマ」-それも高校生クラスの10代選手の台頭にありました。

その通り、第1日(9月29日)は、長野未祈(15=千葉・麗沢高1年)が首位に1打差、2アンダーの2位と好発進し、首位に2打差、1アンダーの5位タイには4人のアマが並びました。畑岡はこのグループです。

第2日(9月30日)を終えて、アマは出場32人中、10人が決勝ラウンドに進出。首位戦線は通算5アンダーで①堀琴音(20=東芝)、同4アンダーで②長野、同2アンダーで③柏原明日架(20=富士通)、その後に同1アンダーで④李知姫④申ジエの韓国勢が続きます。畑岡は同イーブンパーで首位に5打差の8位タイにつけています。

さあ、この展開を見てゴルフファンの皆さんは、第3日(10月1日)からの決勝ラウンドに何を感じるでしょうか。個人戦のゴルフ・トーナメントにあって、その見方はやや~いや大いにですか~“やぶにらみ”的ではありますが、私は「プロ勢vsアマ勢vs韓国勢」の3グループによる〈戦いの構図〉が出来上がったな、これは面白くなるぞ、と思いました。

第3日を終えて、長野が通算5アンダーで単独トップに立つ大健闘を演じ、1打差で柏原、堀が追い、さらに1打差で申も負けていません。3グループによる〈戦いの構図〉はますます、その色を濃くしていきます。

孤立したプロ3年生の憂鬱

そして最終日(10月2日)-。

第3日までの奮戦で心身の消耗は、もはや限界だったろう長野の後退は想定内でしたが、勝負のバックナイン、10番からの4ホールで3バーディーを奪い、通算4アンダーで一気に首位に躍り出たのが畑岡でした。

イヤ~凄い! 長野がダメなら畑岡! という10代アマ勢の一波、二波の波状攻撃です。

これを食い止めたいプロ勢は、しかし、柏原が前半アウトでスコアを落とし、堀も11番と12番でショートパットを外して連続ボギーの苦戦。14番でバーディーを奪い、通算スコアを4アンダーとして畑岡に追いつき、プロの意地を見せました。韓国勢の李知姫、前年覇者のチョン・インジ、申ジエもジワリと逆転をうかがい、ますます抗争激化!

残り3ホールの正念場で、堀が気の毒だったのは、プロ仲間の援護射撃がなく、自分一人で“アマの優勝阻止”の責任を背負ってしまったことでした。

その象徴が・・・グリーン手前に池がある距離の長い17番(490ヤード)パー4で、フェアウエーからの第2打を安全策のレイアップ、第3打を5メートルにつけましたが、これを外して痛いボギーを叩いてしまいます。ああ、痛恨の消極策・・・。

最終18番-。攻めの畑岡が4メートルのバーディーパットを沈めたのに対し、堀は8メートルを入れることができず、17歳の女子高生アマに敗れました。

結果は結果として、私がこの戦いに感じたことは、決勝ラウンドに進んだ10人のアマのうち、3人がトップ10入りしたこと、長野がダメならと畑岡が出てきたアマ勢の強い連携、韓国勢も複数が逆転を狙っていたこと、それに対しプロ勢は、プロ3年目の堀が孤軍奮闘、一人でプロの責任を背負ってしまったこと、などでした。

国内ツアーを転戦する日本の女子プロ勢は、日ごろの韓国勢の活躍の前に気力を失い、日の丸の意地でも、プロの意地でも“何かを背負う戦い”を忘れてしまっているような気がしましたが・・・どうでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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