何度観ても・・・「七人の侍」の魅力

過去の名作・傑作を全国展開で上映し、映画ファンを楽しませてくれている「午前十時の映画祭」-。

湘南エリアでの上映館は、神奈川県平塚市の「シネプレックス平塚」です。

10月中旬の某日、映画好きの友人O君から、これは行かないとまずいだろ、とメールが入りました。上映されている映画は、黒澤明監督の「七人の侍」(東宝製作、1954年=昭29=4月公開)です。

いまさら説明など必要ないだろう、日本映画史上に残る、だけでなく、海外の映画史にも多大な影響を及ぼした不朽の名作ですね。

「七人の侍」は過去、数回観(み)ていても、観た年代によって受け取り方の違いや解釈の違いが出てきて、それが映画の面白さ、深さ、と言えるのでしょう。

出掛けた日は、あいにく朝から雨。JR東海道線の「平塚」駅で待ち合せたO君は、あいにくじゃないよな、天気がいいとアウトドアに目が行くからね、雨の日はインドア、つまり、映画を観に行け、ということなんだよな、といかにも、映画好きらしい考え方でした。

映画館に着くと、地域の活動で日ごろ、映画振興に尽力している、顔見知りのFさんに会いました。やっぱりね、とお互い、目を合わせてニヤリ。Fさんもこれまで、この映画を何回も観ていながら、上映されれば、見逃すわけにはいきません! の気持ちなのでしょう。それだけ、この映画の素晴らしさが再認識される出来ごととなりました。

戦国時代の末期-。もはや盗賊と化した野武士の集団が、収穫の時期を狙って農村を襲い、略奪を繰り返します。黙って見ているだけなのか。どうしたものなのか。悩み抜く農民は、野武士に立ち向かうことを決意。戦える侍を雇うことを思いつきます。

この映画にグイグイと惹(ひ)き込まれていくのは、雇われた7人の侍たちの個々の魅力ですね。

公開から62年を経た今なお・・・

7人を束ねる島田〈志村喬〉勘兵衛、勘兵衛の右腕で参謀格の片山〈稲葉義男〉五郎兵衛、勘兵衛の忠実な部下である〈加東大介〉七郎次、明るくムードメーカーの林田〈千秋実〉平八、居合いの達人でもある凄腕剣客の〈宮口精二〉久蔵、その久蔵を慕う岡本〈木村功〉勝四郎、そして、農民ながら侍願望の暴れん坊〈三船敏郎〉菊千代-の面々です。

いいですねェ~。いかなるときも動ぜず、沈着冷静な〈志村〉勘兵衛が思い切り光ります。映画が始まって気が付くことは、モノクロ画面の迫力で人々のクローズアップが観る側に迫ってきますが、役者個々の魅力が、それに十分に耐えて感動的です。

上映時間207分の長丁場。途中、5分間の休憩を挟んで後半は、野武士集団と竹やりを持った農民を加えた7人の侍の、いよいよ激突が繰り広げられます。

〈志村〉勘兵衛の智力を生かしたさまざまな戦略で村が四方、固められます。〈宮口〉久蔵は、一撃必殺の凄まじい抜刀術を武器に敵の銃を奪うなどの働きを表情を変えずにやってのけ、また、山の中を山猿のように飛び回る〈三船〉菊千代の危なっかしい動作も、手に汗握る観る側の緊張をやわらげたりします。

決戦の迫力。豪雨の中の斬り合い。凄いですね。黒澤映画は・・・。

戦(いくさ)は、野武士集団を全滅させた7人の侍軍団の勝利となり、農村にやっと平穏が戻ります。

が、7人の侍は、参謀格の〈稲葉〉五郎兵衛や〈宮口〉久蔵ら4人を失います。雇われた報酬は、金ではなく、ただ米の飯を腹いっぱい食べられる、ということだけ。戦いを終えて〈志村〉勘兵衛は、丘の上に埋められた4人の墓を見上げ、生き残った〈加東〉七郎次につぶやきます。

「また、オレたちの負けだな。勝ったのは百姓たちだ〉(映画のセリフのまま)と-。

村の田畑では、農民たちが総出で収穫に励み、激闘などまるでなかったかのように、土とともに生きるたくましい姿が〈志村〉勘兵衛の目に映っていました。

映画を観終えて・・・。

遅いランチを取りながら、Fさん、O君、そして、私の3人とも、公開から62年も経っていながら・・・やはり黒沢作品は凄い! で意見が一致した次第でした。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR