高齢者と帽子の密接な関係

店の女のコが言いました。

〈皆さん、帽子なんですね~。お好きなんですか?〉

過日、私を含む大学時代の友人3人と東京・新宿の、友人の行きつけの店でチョイ飲みと食事、歓談を楽しみ、さあ、ボチボチ、と帰り支度を始めたときのことです。

3人はそれぞれ、キャップ、アルペン・ハット、ハンチング(私)と、それぞれ愛用の帽子を一斉に被(かぶ)り、立ち上がりました。

別にどうということはない動作だったとは思いますが、傍(はた)でその光景を見ていた女のコにしてみれば、何とも不思議な、思わずプッと吹き出してしまいたくなるようなシーンだったのかもしれません。

〈オジさんたちって何でみんな、帽子を被っているのかしら〉

と-。

確かに・・・ですね。私自身もつくづくそう思います。

街中で見かける高齢者の方々は、男女を問わず、ほとんどが帽子を被り、また両手を自由に使えるように小ぶりのバッグを肩から斜めにかけ、そうでなければ背中にパックパック、が定番のスタイルとなっているようです。

私自身、振り返ってみると、現役の記者時代は、パソコンやらデジカメやら、あるいは周辺機器やらを詰め込んだ、異常に重いバッグを常に持って歩き回っており、いずれこれから解放されたときは、何も持たずに手ぶらで両手をポケットに入れて歩きたい、というのが、ある種“夢”みたいになっていました。

・・・が、いざ、そうなってみると、男でもいまどき、手ぶらというわけにはいかず、何やかやと小物を所持して外出しなければならないことに気づきます。

戦後しばらくは定番だった「背広と帽子」

財布や小銭入れは当たり前のことですが、他にスマホやガラケーなどの携帯端末ツール、だんだん物忘れが多くなってるためにメモ帳とペンの類、タバコを吸う人はライターなど一式、も必携品となります。そのために小型のバッグが必要となり、そして・・・なぜか帽子です。

気持ちとしては、帽子を被り、小型のバッグを肩から斜めにかけた、あのスタイルはしたくないなァ、と思いつつ、私自身も今や、そのスタイルが定番となってしまっています。なぜ? と言われても、今のところそれが、一番機能的だから、でしょうか。

まったく考えもしなかった帽子を被り始めたのは、60歳代の前半くらいからだったと思います。

直接的な理由は、髪の毛が相当になくなり、冬場など自転車に乗っていると、頭の寒さがブルルッと感じられるようになったことにありました。

防寒用の毛糸の帽子でも何でも、帽子は被り始めるとクセになり、次第に被らないと何かが欠けているような気持ちになるものですね。

また、被り始めると、外出のたびに帽子店をのぞくようにもなります。私はもっぱらハンチング党ですが、5~6個はたまってしまっています。一方、中折れ帽も魅力があり、夏場にワンランク上のパナマ帽を被ってみようか、とか、思い切ってボルサリーノも・・・などと手を出そうとしたこともありましたが、ふと、トレンチコートを肩にかつぎ、ボルサりーノを斜めに被った、ナンとかという政治家の姿が思い浮かび、あれはちょっとやり過ぎだな、と私の衝動買いにストップをかけてくれる役目を買ってくれました。

高齢者と帽子の間柄は、髪の毛が薄くなったり、薄い髪の毛が風で乱れたり、あるいは私のように冬場の寒さがむき出しの頭にこたえるようになったり、理由は様々でしょうが、私の別の理由としては、被ったほうが何となく、若く見えそう、ということもあります。

それは何も私だけではなく、誰にもあるわけですから、どうせ被るのなら、何でもかんでも野球帽、などではなく、ちょっぴりオシャレ心も持ちたいものです。

女性はともかく、男性の高齢者は、もう服装にはそれほどお金をかけなくなっているのですから、高齢者になってから被り始めた帽子に、一点豪華主義的に、多少のお金をかけてみるのも、こだわるオジさん的で悪くはないと思いますが、どうでしょうか。

もっとも、帽子を取った後、急に老け込んで見えたり(それが本当の姿なのですが・・・)また、薄い髪の毛が張りついて元に戻りにくくなったりするのが、常に気にかかることですが・・・。

日本人の帽子の歴史は、戦後しばらく、サラリーマンでも背広に中折れ帽が当たり前のスタイルだったのですから、帽子の魅力については、一考の余地あり、でしょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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