発車ベルのご当地メロディに思うこと

12月も中旬を迎えると、街中を急ぎ足で歩く人々や渋滞する車に、どこか追われているような忙(せわ)しさを感じます。

そんな中、プラットホームで聞こえる、電車の発車ベルに代わる〈発車メロディ〉にフッと心の和(なご)みを覚えます。最近は、さまざまに考えられた発車メロディが、そこかしこで聞かれ、ホント、多くなりましたね。

私が住む藤沢市(神奈川県)のJR東海道線「藤沢」駅から下ってひと駅目が「辻堂」駅です。12月に入り、この駅の発車ベルが「浜辺の歌」のメロディに代わっていることに気づきました。

資料によると、辻堂駅の発車ベルを「浜辺の歌」のメロディに代えるための署名運動が行われ、それを受けたJR東日本横浜支社が実施に踏み切り、12月1日の始発から運用を開始した、とのことでした。

湘南海岸は、江の島に向かって右側(西方向)に片瀬海岸西浜→鵠沼海岸があり、その先に辻堂海岸があります。海辺に沿ったサイクリングロードは、鵠沼海岸を起点に辻堂海岸を経て茅ケ崎方面に向かっていますが、辻堂海岸に入ると「浜辺の歌」を記した立て看板に出会います。

〈あした浜辺を さまよえば 昔のことぞ しの(偲)ばるる 風の音よ 雲のさまよ 寄する波も 貝の色も〉

大正年代の初期につくられたという「浜辺の歌」は、童謡というのでしょうか、小学唱歌というのでしょうか、いつ覚えたのか、などは記憶にありませんが、この歌詞を見れば、自然に歌える、ということは、どこかで教えられ、覚えて、しっかりと心のひだに刻み込まれているのでしょうね。

立て看板の位置から、振り返って海を眺めれば、左方向に江の島、右方向に茅ケ崎の烏帽子岩が見え、空気が済んだ初冬の今の季節は、晴天ならその先に箱根や伊豆半島までが見渡せ、立て看板を見ながらつい、この歌を口ずさんでしまうと、何やら郷愁のようなものに包まれ、改めて良さを感じてしまいます。

辻堂駅で採用された「浜辺の歌」

「浜辺の歌」がなぜ、辻堂なのか? は知りませんでしたが、調べてみると作詞の故・林古渓氏が藤沢に縁があり、後に辻堂の海岸を思い出して、この美しい詩を書いたとのことでした。もっとも、その説に異論もあるようでしたが・・・。ちなみに作曲は成田為三氏です。

そうした、地域にゆかりのある“ご当地メロディ”を忘れ去らない、ときを経ても残す、という意味でも、発車メロディに採用して多くの人たちの耳に植えつけ、馴染ませる、ということはいいことですね。

ちなみに辻堂駅からひと駅先の「茅ケ崎」駅の発車メロディは、茅ケ崎市民が“当たり前でしょ!”と胸を張るサザンオールスターズの「希望の轍(わだち)」です。さらにその先の「小田原」駅は〈小田原提灯ぶら下げて・・・〉の「お猿のかごや」でした。

辻堂駅と時期を同じくして12月10日から、JR東海道線「川崎」駅のホームでは、故・坂本九さんのヒット曲「上を向てい歩こう」が流されています。坂本さんが川崎市出身ということで採用されたとのことでした。

さまざまな経緯があって誕生した各駅の発車メロディですが、ちょっと注文もありますね。

例えば、プラットホームで聞いていると、反対側の電車が入ってきた際、注意などを促すアナウンスで発車メロディが途切れるか、聞こえなくなってしまう、ということです。

これらのアナウンスは、自動で行っているのでしょうが、せっかくのアイディア、十分に聞かせてほしいですね。

発車メロディに限らず、駅のアナウンスに関して言うなら、一方の電車に関するアナウンスを行っているときは、もう一方の電車に関するアナウンスを控える、などの配慮がほしいですね。

アナウンスがダブったとき、両方、何を言っているのか聞き取れない、特に最近は通過する駅も多くなり、それらを聞いておきたい、と耳を澄ませる利用者もいることを駅員の方々はどう思っているのでしょうか、ダブって聞こえないことを知らないということはあり得ないと思いますがね。

発車メロディが、せっかくいいのに、こういうことがあると台無しになってしまいます。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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