FC2ブログ

独善的男乃着物考其ノ六

早いものです。季節はもう師走。何かと日々、あわただしさが増す時期ではありますが、そんなとき、ちょっぴり気持ちを変えて、和装を楽しむには、一年のうちで今が一番、いいとき、かもしれません。

では、何が、どういうふうにいいのか、と言いますと・・・。もちろん、これは、私のあくまで“独善的”であることをご了承ください。

私が住む家から行きつけの「飲み処」までは歩いて約20分ほどかかります。近くには私鉄の駅があり、電車に乗れば、アッという間のひと駅なのですが、私は夜、この沿線の暗い道をテクテクと歩くのが好きです。

この季節の良さはまず、空を見上げると、澄んだ冬の空にまたたく星がやたらきれいなことでしょうか。私はかつて経験したヨットの外洋帆走レースで、太平洋上から見上げる星群の美しさ、明るさに感動しまくった(そういえばこのときも年末でした)ことがありますが、この季節の空は、陸の上から見上げても、星の明るさがかなりの美しさで迫ってきます。

その下を歩く。次の良さは、体の中を通り抜ける夜風の心地良さです。着物が「着る」という動作ではなく、一枚の布を体に「巻く」という感覚であることは、以前も書きましたが、従って「巻きつけた」間を袖口から、あるいは裾から、入ってきた風が吹き抜けていきます。

冬であれば、風も冷たく、ブルルッとそれが寒くてイヤだ、という人も、もちろんいるでしょうが、私はその冷たさ、寒さを、イヤではなく、心地良く感じてしまいます。

もっとも、それらのことは、別に和装でなくても、日常的に感じられることではありますが、まあ、着物を着ると、なぜか感覚が普段以上に研ぎ澄まされてしまう感じが面白いところです。

着物がもたらす非日常的感覚

が、そうした独りよがりで“いいねェ”などと悦に入っているとたいてい、和装ならではの失敗をしてしまいます。気をつけてはいても、してしまうのが、あの「袂のある袖」による失敗でしょうか。

私はあの、大きな袖で何度、徳利を倒したり、焼酎が入ったコップを倒したりしたことでしょうか。和装のとき、ものを取ったりするときに袂を片方の手で押さえる動作は、女性ならいかにもおしとやかな所作ではあり、男性にしても風情がありますが、あれは本当に必要に迫られた動作であり、怠ると酒をザバッと浴びたり、あるいは意外に多いのが、店のトイレなど、ドアの取っ手に引っ掛けてしまう失敗で、私も随分、ビリッと袖口を裂いてしまったことがありました。

案外、無頓着でそのときになると“しまった!”と気がつくのが「前開きでないパンツ」です。私は和装時のパンツは、グンゼが出している白の綿100%、長めのボクサータイプ「申股」を愛用していますが、これが前開きでない場合、トイレで小を足すとき難儀します。

和装時のトイレは、飛沫に要注意です。そのため、裾は上まで捲り上げてしまうのが一般的ですが、パンツは上の部分が帯にかかり、横から出すにしてもロングのボクサータイプだとなかなか出せず、どうしても前開きタイプが必要となります。

まあ、こうした着物ならではの失敗も、要は慣れが解決していくものでしょう。大きな袂の問題も、私など最近は、狭い所を通るとき、袖が広がって引っかからないような姿勢を無意識のうちに取っていることに気がつきます。もっとも、焼酎のコップはしょっちゅう、ひっくり返してはいますが・・・。

(連載「独善的男乃着物考」シリーズはカテゴリ「日常」の項目に収めています)
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR