もはや2位では“残念”の松山

スーパースターとしての条件を考えるとき、ファンあってのものであれば、やはり、彼らが望むこと、やってもらいたいと思うこと、を叶える力量を持っていることは欠かせないでしょうね。

例えばプロボクシングでいえば、史上初の6階級制を成し遂げたオスカー・デラホーヤ(米国=引退)や、同様に6階級制覇を達成したマニー・パッキャオ(フィリピン)らは、いずれも、ただ勝てばいい、ではなく、ファンが高い入場料を払ってなぜ試合会場に来ているのか、を十分に知った戦い方をしてくれたものでした。

それは今、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)やWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)にも見られ、スカッとしたKO勝利を見に来たファンに対し、倒せずにそれが叶えられなかったときには、ゴメンナサイ、と必ず頭を下げています。

さて・・・国内外の直近6試合で〈4勝2位2回〉と絶好調のプロゴルファー・松山英樹(24=LEXUS)に私たちはこのところ、そういう目を向けていることに気づきます。

確かに松山が、大いなる可能性を秘めた逸材であることを認識してはいても、まさかタイガー・ウッズ(米国)に期待するようなことを望むことは、つい最近まであり得なかったと思いますが、それが最近、ふと気がつくと、それを望んでいる自分がいることに驚いてしまいます。

前週のUSPGAツアー「SBSトーナメント・オブ・チャンピオンズ」(1月8日=日本時間同9日=最終日、米ハワイ州カパルア=プランテーション・コース)で松山は、宿敵のジャスティン・トーマス(米国)に敗れ、2位に終わりました。

つい高望みしてしまう可能性の高さ

だいたい「2位に“終わった”」と表現すること自体が、松山に過度ともいえる期待を懸けているわけで、普通なら、2位大健闘! 十分じゃないか、と称えるべきなのですが、周囲の目は既に、歴史に残るスーパースターたちに向けるものに変わってきているのですね。

それは、松山がそれなりのことしているから、でもあります。

最終日、松山は通算18アンダーの首位トーマスに2打差の通算16アンダーでスタートしました。前半アウトを終えて松山は一進一退で変わらず通算16アンダー。トーマスは通算21アンダーに伸ばしています。

観る側は、しかし、この5打差に対し、後半インの2つのパー5、距離が短いサービスホールの14番(305ヤード、パー4)もあるし・・・と、松山がイーグル連発などで何とかしてくれるのでないか、と期待を懸けてしまうのです。

13番を終えて松山が通算17アンダー、トーマスが通算22アンダーで5打差は変わらず。直後の14番で松山はやってのけてくれました。

第1打がグリーン左手前のラフ。そこからバンカー越えの難しい約20ヤードをフワリと上げて転がし、沈めてしまいます。この超美技は、タイガーばりのチップイン・イーグルといえたでしょうか。トーマスに3打差!。

このイーグルに動揺したトーマスが15番(パー5)で第2打を曲げてトラブル。ダブルボギーを叩いてしまいます。3オンの松山は、約3メートルのバーディーパットを外してしまい、並ぶ好機を逸します。16番(パー4)でも2メートル半を外し、逆転優勝のチャンスは事実上、ここで消滅しました。

結果はともかく、こういうことをやってのけてしまうから、観る側の期待はどんどんふくらみ、5打差くらいは、すぐひっくり返してくれるだろう、と松山に高望みをしてしまうのですね。

今週は「ソニー・オープン」(1月12日=日本時間同13日開幕、米ハワイ州=ワイアラエCC)です。このコースは予選落ちが多く、あまり相性がよくないようですが、絶好調持続の松山にはまた、過度の期待を懸けてしまう4日間となりそうです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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