ジャンプ最強女子の不思議

〈ジンクス〉=「縁起の悪いもの。因縁があるように思われる出来ごと」(広辞苑)

なぜ? どうして? 不思議と言えば、不思議な出来ごとですね。そう。“勝てない”高梨沙羅(20=クラレ)です。

“勝てない”高梨沙羅って、あのノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨だろ。ワールドカップ(W杯)では、勝ちまくってW杯ジャンプの歴代最多勝利記録に並ぶ53勝を挙げたりしているじゃない。

だから不思議、だれもが不思議! に思う出来ごとなのです。

「今季一番の目標にしてきました」-。

高梨が“忘れもの”を取り戻しにフィンランドに向かったのは2月20日のことでした。ラハティで開催されるノルディックスキーの世界選手権。「今季一番の目標・・・」とは、もちろん大会第3日(2月24日=日本時間同25日未明)に行われるジャンプ女子個人での金メダル獲得です。

が・・・結果を先に言うと、残念ながら勝てずに3位の銅メダル。周囲のなぜ? 以上に本人も「なぜ? 情けない気持ちでいっぱい」と悔し涙を流すジャンプとなってしまいました。

本当に不思議な現象ですね。高梨はなぜか大舞台で勝てません。

2年に1度の世界選手権を振り返れば、2011年(オスロ)で6位、2013年(パルディフィエメ)で2位、2015年(ファルン)で4位、そして今大会3位。五輪でも2014年ソチで4位に甘んじているのです。

W杯での強さ、通算4度にわたる総合優勝が証明するように、技術面では誰にも負けないものがあるでしょう。であれば精神面の問題? 確かに今回優勝したカリーナ・フォクト (25=ドイツ)は、ソチ冬季五輪の金メダリストで世界選手権2連覇を達成。世界選手権、五輪と大舞台での3連覇は、ここ一番に懸ける勝負強さ、集中力、という面で高梨と比較せざるを得ません。

一発勝負の弱さを露呈

例えばプロゴルファーの岡本綾子は、米国を主戦場とする海外ツアーで18勝を挙げ、1987年には、米女子ツアーで外国人選手として初めて賞金女王となる活躍を演じていますが、なぜかメジャー競技の優勝がありません。

このメジャー競技に関して岡本は自著「メモリアル・グリーン」でこう記述しています。

〈世界最高の舞台であるメジャーは、プレーヤーすべてが全力を挙げて挑んでくる激しい「戦場」です。生半可な気持ちで戦うことはできませんし、ささいなミスも許されません。普段と変わらないトーナメントのひとつだと思おうとしてもできない、ただならぬ空気が張り詰め、何か息苦しい感じがする。それが「メジャー独特のムード」なのです〉

別にどうということはないんだ。普段と変わらないトーナメントのひとつと思えばいいじゃないか。これは大一番に臨む青木功もよく口にしていたものですが、人間の心理は難しいもので、なかなかそうはいかないのが、その場に立ったときの状況なのでしょうね。

高梨が今回の世界選手権を、W杯と変わらない試合のひとつ、と思ったかどうかは分かりませんが、勝てていない世界の舞台とあって、力んだり、妙に意識したりしたものがあったり、また周囲のムードがメジャー競技独特の緊張感に包まれたりしていて、そうしたものが微妙に影響、金メダルに手が届かなかったのでしょうか。

気がかりなのは、こうした出来ごとを〈ジンクス〉にしてしまわないことでしょうね。ああ、また、と気持ちを折ってしまうことが一番危惧されることです。

20歳となり、大手化粧品メーカー「資生堂」のバックアップで変身もしました。ならば、心も変身して1年後の平昌五輪でソチ五輪、世界選手権のリベンジを、ぜひとも果たしてもらいたいものです。

“美女”となった高梨に涙は似合いませんよ。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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