“ロマゴン”初黒星の波紋

一寸先は闇! ではありませんが、ボクシングは、一つの勝敗が戦局を大きく変え、その先を見えなくするものだなァ、とつくづく感じます。

3月18日(日本時間同19日)に米ニューヨークの「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われたWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチです。

同級の初防衛戦に臨んだ4階級制覇王者“ロマゴン”ことローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア、帝拳)の敗戦-。

観(み)る側が“まさか”と思う中、試合を生中継したWOWOWのゲスト解説を務めたWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)も、それ以上に声を失い、失望の色を濃くしていました。

試合前まで、スーパーフライ級の世界最前線は、こんな状況にありました。

昨年末(2016年12月30日=東京・有明コロシアム)に河野公平(ワタナベ)の挑戦を退けて(6回TKO勝利)V4に成功した井上は、年が明けた2017年中の最大目標としてロマゴン戦を熱望しました。

一方、それより前の2016年9月10日、米カリフォルニア州イングルウッドの「ザ・フォーラム」で1階級上のWBC世界スーパーフライ級王者カルロス・クアドラス(メキシコ、帝拳)に挑んだロマゴンは、激闘の末に3-0判定勝利、世界4階級制覇を成し遂げました。

同級の初防衛戦に当たっては当初、前王者クアドラスとのダイレクト・リマッチ案もありましたが、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)戦に落ち着き、その試合の勝者が、クアドラスと戦う段取りとなっていました。

従って井上陣営は、5月頃をメドに5度目の防衛戦を行い、秋以降、年内の実現を目指してロマゴン陣営の動きを見守る情勢となりました。

計画練り直し-困惑の井上陣営

井上陣営が、やるなら年内に、としたのは、井上のウエートの問題があり、スーパーフライ級(リミット52・16キロ)では苦しくなったことにより、来年はバンタム級(リミット53・52キロ)に上げたい意向があるためでした。

それぞれがそれぞれの事情を抱える中、タイミングを見計らいながら「点」と「点」を「線」で結ぶ作業-。ボクシングのマッチメークというものは、本当に微妙でやっかいなものですね。

それが・・・たった一つ、47戦目の初黒星、シーサケット戦の思いもかけない敗戦ですべてがご破算となり、井上の野望もついえてしまいました。

フライ級リミット50・80キロ。スーパーフライ級との差1・36キロ。ロマゴンvsシーサケット戦は、その差が勝敗を分けた、という見方が多くを占めていました。

ミニマム級、ライトフライ級、フライ級を経てスーパーフライ級に上がってきたロマゴンですが、シーサケット戦では、パンチ力で押し切れていなかった、と井上は感想を語っていました。

確かに4階級目の王座を得たクアドラス戦でも、やはり、下から上がってきたことによるパワー不足が指摘され、それが連打で追い詰めるロマゴンの“らしさ”を失っていた、と言われました。

いきなり初回、シーサケットの右アッパーがかすめ、同時にバッティングもあって、ロマゴンは不運なダウンを喫してしまいます。

加えて3回には、偶然のバッティングにより右目尻をカット、さらに頭からの出血もあり、ストップも視野に入れなくてはならない苦しい流血戦を強いられます。

しかし、ロマゴンは4回以降の反撃もあり、後半はともに消耗戦による我慢比べとなり、ジャッジも難しいものとなりましたが、試合を終えて結果は、1人が113-113のドロー、他の2人が114-112でチャレンジャーを支持、ロマゴンの敗戦が決まりました。

敗れたロマゴンの今後は未定ですが、陣営は、判定に不満を持ち再戦を要求しており、そうなるにしても、王座に復帰したシーサケットが、クアドラスと戦うことが優先されるのか、いずれにしても井上陣営は、予定より早くバンタム級へ上げることを含めた、計画の練り直しを余儀なくされる事態になったことは確かです。

ビッグマッチの実現を楽しみにしていたファンにとっては、本当に残念な出来ごとになってしまいましたね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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