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独善的男乃着物考

10代の頃から着物が好きで高校時代は時折、木綿の久留米絣を書生ふうに着るなどして楽しんでいました。
その趣向は今でも続いており、昨今めっきり減った男の着物姿ですが、最近ではカジュアルな大島紬を着込んで近くに飲みに出かけるというような、緩やかな時間がようやく持てるようになりました。

着るというよりは体に布を巻きつけるという感じの着物は、着慣れると何とも心地よいものですが、一方、しなやかさの裏にある「裏勝り」という独特の反骨文化にも惹(ひ)かれるものがあります。

江戸時代に施行された奢侈禁止令により、華美なものは裏へ裏へと追いやられたことによる抵抗、その流れを汲んで、見えない裏へのこだわりは、反社会的な男気のニオいが漂って悪くはありません。

その象徴が羽織の裏(羽裏)でしょうか。表地は地味でも、見えない裏地に趣向をこらす。例えば孟宗竹を挟んで龍虎がにらみ合っていたり、荒れる波頭の上を鷲が飛んでいたりする、勇壮な図を裏地に描き、脱ぐ瞬間にチラリと見せる反骨精神です。

長着(いわゆる着物)の裏勝りは裾周りです。歩行中に翻る裾部分の裏を何とかしようじゃないか、ということで、表地は黒、あるいは紺などの地味系の長着の裾裏部分だけをピンクの桜吹雪にしようか、などと考える、およそ非常識な輩もいます。極めつけは、脱がなければまず見えない長襦袢の背中に喜多川歌麿(江戸後期の浮世絵師)の、そのものズバリのあぶな絵を背負ってみたりする反逆的シャレでしょう。

さて和装のとき、下着をどうするか、は頭の痛い問題です。
どうせ見えないのだから、洋服のときの下着でいいじゃないか、でも、もちろんいいのですが、それではどうにも心意気に欠けます。
男の和装肌着類は一般的でなくなった分、購入場所が限定されて苦労しますが、純和装にこだわるなら肌襦袢に「越中褌」の組み合わせとなります。

晒(さらし)地の越中褌の良さは、なかなかのものですが、裏勝りだからといってこれに趣向を凝らしてはいけません。膝上ほどまでに垂らした前垂れが、両足を広げて裾が割れたときにチラリと見える。それが柄物だったり、赤だったりしては興醒めでしょう。こればかりは、正統的な男気と正義の象徴である白であればこそ、なのです。



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No title

五十六肩により、
帯結べず・・・。とほほ・・・。
祖父母、父、母、と、
家族が着物で過ごすことの
多い家庭で育ったので、
着物はやはりもっと着るべきだと
思います。箪笥に眠らせてあるおべべたち。
いつか起こしてあげますからね!
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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