プロの世界でも“金”に届くか?

プロボクシングのトリプル世界戦(5月20日=東京・有明コロシアム)-。

メーンのWBA世界ミドル級王座決定戦に臨む2012年ロンドン五輪ボクシング(ミドル級)金メダリストでWBA同級2位・村田諒太(31=帝拳)の仕上がり具合はどうだろうか? と気になります。

・・・ということで5月9日午後1時、所属する帝拳ジム(本田明彦会長=東京・新宿区神楽坂)で行われた公開スパーを見てきました。

さすがですね~。五輪金メダリストの世界挑戦。それもミドル級という重いクラスの世界殴り込みとあってジム内は新聞、雑誌、テレビなど各メディア関係者約80人が集まり、体が汗ばむほどの熱気に包まれました。

軽い準備運動の後、スパーリングの前に村田は浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)と並び、報道陣と一問一答。浜田代表の「最高の仕上がりができている」との報告を受けて村田も「いいコンディションで来ています。いいときも悪いときもあったが、最終的には順調! といえます」と頼もしいコメントを口にしました。

その後、スパーリング・バートナーのパトリック・デイ(米国)と2Rのスパーを公開。トレーナーとのミット打ちなどを消化して一段落すると、報道陣の囲み取材も受け、そうしたことを面倒がらず、嫌がらず、ニコやかにやっている姿が印象的でした。

決戦まで2週間を切ったこの時期、減量も含めて一般的にはナーバスになるときです。大勢の報道陣に囲まれての取材など、できれば避けたいところだと思います。しかし、村田は表向き、まったく苦にしない様子でこなしているんですね。これは凄いことです。

そうした出来事に接するにつけ、村田という男は、常につきまとっているはずの「重圧」をどう受け止めているのだろうか、と考えてしまいます。

五輪金メダリストという肩書を背負ってのプロ入り。デビュー戦でいきなり組まれた東洋太平洋ミドル級王者との対戦(2回TKO勝利)。いつ世界に挑むんだ、という周囲の注目を浴びながら、負けられない一戦一戦を乗り切って12連勝。

「ここまで“最高の仕上がり”です」

浜田代表といろいろ話しているとき、試合の際の村田の入場する姿が話題となりました。

浜田代表が言います。

〈試合を待つ控室での緊張が、そこを出て歩いてリングに上がる直前にピークに達するんですね。でも、村田はたいてい、そこでファンに笑顔を見せているでしょ。それは私の時代には考えられなかったことです〉

そういえば私も、帝拳ジムのマネジャーを長い間務める長野ハルさんから、選手はね、あそこで一番、緊張するから、言葉をかけるときなど気をつけて下さいね、と言われたことを覚えています。

WOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ」にときどき、ゲスト解説者として登場する村田ですが、彼のコメントを聞いていると、冷静な分析力に秀でているなァ、という感想を持ちます。

その分析力は自分自身にも向けられ、これは私の想像ですが、重圧で緊張している自分を第三者の目で見ているもう一人の自分がいて、第三者の自分は、緊張している自分を、お前、何やってんだよ、とからかい、そうした状況を楽しんでいるのではないか、と思います。

村田がもし、そういうことができているとしたら、アッサン・エンダム(33=フランス)との王座決定戦は面白いことになりそうですね。

エンダムはスビートの選手ですが、戦う村田を第三者の村田が、おいおい、そうじゃないだろ、まずボディーで動きを止めろよ、などと冷静な指示を与えることになるかもしれません。

そういえば公開した2Rのスパーでは、足を使ったパートナーのデイを追いかけ、後半は一気に距離を詰め、左ボディー、KOパンチの右を叩き込む姿が光っていました。第三者の村田が指示を出したのかもしれませんね。

果たして歴史的な快挙は達成されるのか?

5月20日は、こちらのほうが緊張しまくってしまいそうな気配です。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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