難航する受動喫煙防止対策に思う

手元に古ぼけた1箱のタバコ「ケント・マイルド」があります。

もうゆがんでいるパッケージに〈2010/9/22〉の数字-。

私がタバコをやめた年月日が書き込まれています。箱の中に残された8本のタバコ・・・。ああ、懐かしい。

オイオイ、そんなの大事に取っておくなよ! ですが、相当なヘビー級の愛煙家だった私にしてみれば、まあ、ひとつのつまらない、忘れがたき記念日といったところでしょうか。

ウ~ム、そうか。もう、煙草をやめて6年8カ月にもなるのか・・・と。

「何で煙草を吸い始めたの?」と聞かれたとき、私は「そりゃ、裕ちゃんだよ」という言葉が即座に出てきます。

石原裕次郎が1956年(昭31)、日活が映画化した兄・慎太郎の芥川賞受賞作品「太陽の季節」でデビュー。続く初の主演作「狂った果実」(昭31)や「嵐を呼ぶ男」(昭32)などが次々に上映されるに当たり、ちょうどその頃、思春期に差しかかっていた私は、いいねェ、という友人たちと、そろって裕ちゃんのくわえ煙草のカッコ良さにシビれまくったものでした。

オヤジのピー缶から2~3本を失敬して近くの川っ淵まで走り、夜の土手で思い切り吸ったら、クラクラと目が回り、しゃがみ込んでしまい・・・がそもそもの始まりでした。

家に帰ったら母親に、タバコなんて吸うんじゃないの! とキツ~く叱られ、なぜ分かったのかは、唇の端に白い紙がこびりついていたからでした。ピースにような両切りタイプのタバコは、つまり、裕ちゃんのようにカッコ良くはくわえられなtかった、ということですね。

まあ、思春期の少年が“太陽族”を気取った背伸びの一時期だったとしても、それからは、特に社会人になってからは、タバコが原稿書きや書き終えた後に欠かせない親友となってしまうのですから、始まりは怖いものですね。多いとき、1日3箱、60本。

“罪つくりの人”だった裕ちゃん?

カッコ良さで始まった喫煙ですが、ときを経てタバコを吸わない世代が増え、彼らは、タバコなんてカッコ悪い! と言い切ります。そうしたことを背景に次第に喫煙の制限が開始され、くわえタバコには欠かせない街中での歩きタバコができなくなり、喫煙はしかるべき場所で、その場所も徐々に減らされ、愛煙家には肩身の狭い社会になっていきました。

そして・・・ここへきて厚生労働省は、世界から人々が集まる2020年東京五輪・バラリンピック開催を視野に入れ、厳しい受動喫煙防止対策を打ち出しました。

飲食店では原則、建物内では喫煙室以外の喫煙を全面禁止する、違反者には罰金を、とするものです。

当然、喫茶店やスナックなどの小規模店からは、喫煙室を設けるスペースがないことや、だいたい小規模店は愛煙家たちに支えられているということで業界の死活問題にもなる、と反発する声が上がり、それでは・・・と例外を設けるにしても、ではその線引きをどこにするか? など難問山積状態でなかなかまとまりません。

このテの問題について常々、思うことは、個人の嗜好であり、そうである以上、個人がマナーを身につけることこそを最優先すべき問題に行政が法規制を設けること自体に難があるのでは? と思います。

私が住む神奈川県では、松沢成文・前神奈川県知事が、全国に先駆けて2010年4月から受動喫煙防止条例を施行しました。同年夏には、県内の海水浴場では、喫煙場所以外でタバコを吸えなくしています。

喫煙にしても、あるいは昨今、問題化されている歩きスマホによる事故の増加にしても、人は規制がなくては公共的ルールが守れないのだろうか、それでは人として寂しすぎるのでは? ということが常に頭の中にあります。

これからも、これといった解決策がないまま、受動喫煙防止問題は延々続くものと思います。個人の嗜好、個人の公共マナーの分野に条例による規制が入ることの難しさでしょうね。

これも時代の流れ、時代の要請、なのでしょう。

裕ちゃんの時代は、確かに良かったと思いますが、今になって思えば、あるいは・・・裕ちゃんは、タバコをやめられずに今の社会に生きる人たちにとって“罪つくりの人”だったかもしれませんね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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