亀海がつかんだビッグマッチの価値
ボクシング・ファンには欠かせない、WOWOWが放送する「エキサイトマッチ」の海外情報です。
その番組のプロデューサーを務めるOさんが、5月6日(現地時間)に米ネバダ州ラスベガスで行われたサウス“カネロ”アルバレス(メキシコ)vsフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)でのひと仕事を終えて帰国。その後、村田諒太(帝拳)の相手アッサン・エンダム(フランス)が公開練習を行った5月15日、帝拳ジム(東京・新宿区神楽坂)に姿を見せ、オッ、久しぶりだね、ということになりました。
そのとき、彼が言いました。
〈サトーさん。あのね。「××」がコットとやりますよ〉
周囲の騒音で「××」が聞き取れなかった私が、エッ、誰? 誰がコットとやるって? と聞き返します。
〈カメガイですよ。カメガイ。ちょっと凄いと思いませんか?〉
私はビックリしてしまいました。ちょっと凄い、どころではないでしょう。日本の選手が、あの歴戦の元4階級制覇王者ミゲル・コット(36=プエルトリコ)と戦うなんて! 大変なこと。村田が世界挑戦の機会を得たことと同等、あるいは、それ以上かもしれない出来ごとと言えるのではないでしょうか。
そんなことがあり、村田の試合が終わった後の5月24日、米ゴールデンボーイ・プロモーションが2人の対戦をWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦として8月26日に米カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行うことを正式に発表。同日(日本時間同25日)帝拳 ジム・本田明彦会長も概要を明かし、このビッグマッチがホントに? 実現することになりました。
いやいや、何か日本のプロボクシング界も凄くなってきましたね。
「カメガイ」はもちろん、元東洋太平洋ウエルター級王者・亀海喜寛(34=帝拳)のことです。ここに至ったことは、やはり本人が、着実にキャリアを積んできたことによるものであり、それを評価する人がいた、ということなのでしょう。
元4階級制覇王者コットと王座を争う
1試合の勝ち負けが、その後の人生までも決めてしまうボクシングという競技は、過酷でもあり、また、ビッグな夢をも抱かせるものですね。
亀海は、1982年(昭57)11月12日生まれ。北海道札幌市出身。札幌商→帝京大を経て2005年にプロ転向。同年11月にプロデビューしています。以後、21戦まで全勝。
2011年10月1日(日本時間同2日)、WBC世界バンタム級王者(当時=現・引退)西岡利晃(帝拳)が、日本人初となる米ラスベガスでの防衛戦(3-0判定勝ち)を行ったリングで亀海も前座で米デビュー。ウエルター級10回戦でヘクター・ムニョス(米)に6回TKO勝ちしています。
2016年4月、ベテランのヘスス・ソト・カラス(メキシコ)と対戦=ノンタイトル10回戦=してドロー。同年9月に再戦して、今度は“激闘男”らしく、徐々に相手の戦力を削ぎ、8回終了TKOで快勝。この勝利により、契約を交わしているゴールデンボーイ・プロモーションのマッチメーカーは、これは行ける、と(・・・と思ったかどうかは分かりませんが)次のターゲットをコットに絞った、と伝えられています。
それにしてもコットといえば、世界4階級制覇を成し遂げている歴戦の勇者です。対戦相手をざっと見まわしてみても、マニー・パッキャオ(フィリピン)、シェーン・モズリー(米国)、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)、アントニオ・マルガリート(メキシコ)・・・このキャリアに日本の「亀海喜寛」が加わるのです。
コットは、2015年11月にサウル“カネロ”アルバレスと対戦して判定負けし、それ以来の試合となります。
まあ、全盛期と比べれば、全体的に“衰え”が感じられるのは仕方のないことですが、それでもまた、世界的なスーパースターの地位を保ち、その一角を占める名声が色褪せていることはないでしよう。
メーンイベントで行われるこの試合は、米ケーブルテレビの最王手「HBO」が全米中継する予定ですが、いやはや、亀海も大変な選手に成長したものです。
その努力には、ただただ脱帽! といったところです。
亀海は5月30日、米国に旅立ちました。
ニックネームが何故か、スペイン語で「小さな教授」を意味する「MAESTRITO」-。
亀海は果たして、コットに何を教えることでしょうか。
頑張れヨっ!
その番組のプロデューサーを務めるOさんが、5月6日(現地時間)に米ネバダ州ラスベガスで行われたサウス“カネロ”アルバレス(メキシコ)vsフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)でのひと仕事を終えて帰国。その後、村田諒太(帝拳)の相手アッサン・エンダム(フランス)が公開練習を行った5月15日、帝拳ジム(東京・新宿区神楽坂)に姿を見せ、オッ、久しぶりだね、ということになりました。
そのとき、彼が言いました。
〈サトーさん。あのね。「××」がコットとやりますよ〉
周囲の騒音で「××」が聞き取れなかった私が、エッ、誰? 誰がコットとやるって? と聞き返します。
〈カメガイですよ。カメガイ。ちょっと凄いと思いませんか?〉
私はビックリしてしまいました。ちょっと凄い、どころではないでしょう。日本の選手が、あの歴戦の元4階級制覇王者ミゲル・コット(36=プエルトリコ)と戦うなんて! 大変なこと。村田が世界挑戦の機会を得たことと同等、あるいは、それ以上かもしれない出来ごとと言えるのではないでしょうか。
そんなことがあり、村田の試合が終わった後の5月24日、米ゴールデンボーイ・プロモーションが2人の対戦をWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦として8月26日に米カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行うことを正式に発表。同日(日本時間同25日)帝拳 ジム・本田明彦会長も概要を明かし、このビッグマッチがホントに? 実現することになりました。
いやいや、何か日本のプロボクシング界も凄くなってきましたね。
「カメガイ」はもちろん、元東洋太平洋ウエルター級王者・亀海喜寛(34=帝拳)のことです。ここに至ったことは、やはり本人が、着実にキャリアを積んできたことによるものであり、それを評価する人がいた、ということなのでしょう。
元4階級制覇王者コットと王座を争う
1試合の勝ち負けが、その後の人生までも決めてしまうボクシングという競技は、過酷でもあり、また、ビッグな夢をも抱かせるものですね。
亀海は、1982年(昭57)11月12日生まれ。北海道札幌市出身。札幌商→帝京大を経て2005年にプロ転向。同年11月にプロデビューしています。以後、21戦まで全勝。
2011年10月1日(日本時間同2日)、WBC世界バンタム級王者(当時=現・引退)西岡利晃(帝拳)が、日本人初となる米ラスベガスでの防衛戦(3-0判定勝ち)を行ったリングで亀海も前座で米デビュー。ウエルター級10回戦でヘクター・ムニョス(米)に6回TKO勝ちしています。
2016年4月、ベテランのヘスス・ソト・カラス(メキシコ)と対戦=ノンタイトル10回戦=してドロー。同年9月に再戦して、今度は“激闘男”らしく、徐々に相手の戦力を削ぎ、8回終了TKOで快勝。この勝利により、契約を交わしているゴールデンボーイ・プロモーションのマッチメーカーは、これは行ける、と(・・・と思ったかどうかは分かりませんが)次のターゲットをコットに絞った、と伝えられています。
それにしてもコットといえば、世界4階級制覇を成し遂げている歴戦の勇者です。対戦相手をざっと見まわしてみても、マニー・パッキャオ(フィリピン)、シェーン・モズリー(米国)、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)、アントニオ・マルガリート(メキシコ)・・・このキャリアに日本の「亀海喜寛」が加わるのです。
コットは、2015年11月にサウル“カネロ”アルバレスと対戦して判定負けし、それ以来の試合となります。
まあ、全盛期と比べれば、全体的に“衰え”が感じられるのは仕方のないことですが、それでもまた、世界的なスーパースターの地位を保ち、その一角を占める名声が色褪せていることはないでしよう。
メーンイベントで行われるこの試合は、米ケーブルテレビの最王手「HBO」が全米中継する予定ですが、いやはや、亀海も大変な選手に成長したものです。
その努力には、ただただ脱帽! といったところです。
亀海は5月30日、米国に旅立ちました。
ニックネームが何故か、スペイン語で「小さな教授」を意味する「MAESTRITO」-。
亀海は果たして、コットに何を教えることでしょうか。
頑張れヨっ!
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