近づく因縁のニュージャージー決戦

今年5月29日に〈今季限りで現役引退〉を正式表明してから約ひと月半-。

大きな注目を集めながら引退ロードを歩む女子プロゴルファー・宮里藍(32=サントリー)が、いよいよ“宮里流”の集大成として、ここは気合を入れて臨みたい一戦が近づきました。

7月13日開幕の今季海外メジャー第4戦「全米女子オープン」(米ニュージャージー州=トランプ・ナショナルGC)の舞台です。

引退の理由を、世界ランク1位になる(2010年)など「自分のゴルフがピークにある感触を得ているのにメジャーに勝てず、モチベーションを維持できなくなった」とした宮里でしたが、どうしても勝ちたいのが、この「全米女子オープン」であり、皮肉にも今、失われつつあったモチベーションが、一気に高まっているかもしれません。

宮里の「全米女子オープン」の戦績は、2009年と2011年の6位がベストです。ちなみに日本人選手の最高位は、1987年大会の岡本綾子の2位となっています。

岡本はこのシーズン、年間4勝を挙げて外国人選手としては史上初の米女子ツアーの賞金女王に輝いていますが、岡本自身も、あるいは〈自分のゴルフがピークにあることを感じながら、なぜメジャーにもうひとつ、届かないのだろう〉と思い悩んでいたかもしれませんね。

岡本は自著「メモリアル・グリーン」で、メジャー競技についてこう記述しています。

岡本の借りを宮里が返せるか?

世界最高の舞台であるこれらの「メジャー」は、プレーヤーすべてが全力を挙げて挑んでくる激しい「戦場」です。生半可に気持ちで戦うことはできませんし、ささいなミスも許されません。普段と変わらないトーナメントのひとつだと思おうとしてもできない。ただならぬ空気が張り詰め、何か息苦しい感じがする。それが「メジャー独特のムード」なのです

この記述はもちろん“文字”ですが、やはり、言葉の端々、行間に緊張感が漂う文章で、メジャーの独特な雰囲気が感じられますね。

そうした中でも、メジャーのメジャーらしい雰囲気は〈USオープンにとどめを刺す〉と岡本は言います。

「メモリアル・グリーン」の記述-。

USオープンは、何といってもアメリカのナショナル・オープンですし、このトーナメントに優勝することは、とりもなおさず世界ナンバー・ワンになることですから、プレーヤーにとっては一番欲しいタイトルです

岡本が、その栄光に最も近づいた日、1987年の「全米女子オープン」は、ジョアン・カーナー、ローラ・デービースたちと三つ巴のプレーオフとなり、翌日に18ホール・ストローク・プレーで優勝が争われています。

優勝したのはデービース。岡本は2打差の敗北・・・ああ、と天を仰ぐ悔しい瞬間でした。

このときのコースが、米ニュージャージー州のプレインフィールド。今回のコースが同州のトランプ・ナショナルGC。その名の通り、米大統領ドナルド・トランプ氏が所有するコースです。

世界屈指の超高級ゴルフ・コースなのだそうですが、まあ、名前が名前だけにちょっと気になるコースではありますが、宮里にとっては、岡本のニュージャージーの地での悔しい借りをここで“返す”かたちになれば、これ以上のことはありませんね。

宮里のこの後のメジャー挑戦は、8月3日開幕の「全英リコー女子オープン」、9月14日開幕の「エビアン選手権」と2大会が残されていますが、何といってもナショナル・オープンの大舞台で“これが宮里流!”を見せつけてほしいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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