強化される“路上喫煙禁止”に思う

私が住む藤沢市(神奈川県)の街中に、このところ「路上喫煙禁止」の標識が数多く見られるようになりました。

喫煙に関しては、受動喫煙防止の声が社会問題的に高まるにつれ、JR東海道線「藤沢」駅周辺などが、次第に路上喫煙禁止エリアに指定されるようになってきましたが、最近は小田急電鉄・江ノ島線の「鵠沼海岸」駅や「片瀬江ノ島」駅の周辺、さらには江ノ島電鉄(通称・江ノ電)の各駅周辺にも拡大され、路上に描かれた禁止マークが、オッ、こんなところにも! という感じになってきました。

藤沢市によると、2007年(平19)に施行された「藤沢市きれいで住みよい環境づくり条例」により、年々、路上喫煙禁止への取り組みを強化・拡大している、とのことですが、夏場のこの季節、長時間、電車に揺られて海辺の駅に着き、ちょっと一服、もできなくなった愛煙家たちには、元愛煙家の私としては、ちょっぴり同情もしたくなるところです。

神奈川県は2010年4月、当時の松沢成文・県知事が、全国に先駆けて「受動喫煙防止条例」を施行した県です。

条例は、学校、病院、公共交通機関などの施設(第1種施設)での禁煙、また飲食店、宿泊施設、娯楽施設など(第2種施設)は、施設管理者が「分煙」か「禁煙」のどちらかを選択する、などとされ、第2種施設に関わる違反に対しては、罰則も設けられることになりました。

厳しい条例の背景に〈健康を害する煙草の煙から子供たちを守る〉がありますが、それはそれで立派なことですが、この条例施行に対して私がまず思ったことは、喫煙という個人の嗜好の問題を行政が条例で縛るのはどうしたものだろうか、という疑問でした。

失われる“公共的マナー”の意識

だいたい、第1種施設での喫煙禁止など、昔ならいざ知らず、今どき、どんなヘビースモーカーでも病院の待合室で紫煙を吐き出すなど常識的にあり得ないでしょう。

それは、個人の公共的マナーの問題であり、もし、行政が条例でそれを規制しなくてはならないのなら、人ってそんなにいい加減なものなのかなァ、と情けない気持ちになってしまいます。

多いときで1日3箱(20本入り)のヘビースモーカーだった私は、2010年9月、喫煙をやめました。

長年の不摂生がたたり、動脈閉鎖で左足が動かなくなり、入院を余儀なくされたときがあったのですが、退院時、今後の生活面での注意事項を医師に仰ぎ、喫煙を聞いたところ、医師はこう言いました。

〈喫煙ねェ。いいですよ。どんどん吸って下さい。ムリにやめるとストレスになりますからね。でもね、サトーさん、なぜこんなことになって痛い思いをしなくてはならなかったのか、そのあたりを自分でよく考えてみて下さいね〉

どちらかというと束縛されるのが嫌いな私は、医師がもし、喫煙? とんでもないことです。やめなさい! といったら吸い続けていたことと思います。

しかし、私は、医師の自分で考えてみろ、という言葉に“御意?”とばかり、素直に反応、それを機にやめてしまったのです。

まあ、お上の仕事も、上から押しつけるのではなく、できるならこうであってほしい、と個人的には思います。

友人は私の考えに“それは甘い”と言い、人は罰則を設けて規制しないと守らないんだよ、と悲しいことを言います。

そういえば、歩きスマホに関しても、ホノルル市(米ハワイ州)が、道路横断時に限って禁止とし、初回の違反者には最大35ドル(約3900円)の罰金を科す条例を制定した(施行は10月25日から)ことが報じられました。

まあ、摘発される人たちが、日本人ばかりとなって国際問題化しないことを祈るばかりですが、私たちは、こうした世の流れの中、もう一度、公共的マナーは、行政によって規制されるものではなく〈個々の内面が自らを律するもの〉と真剣に考えたいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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