亀田大毅に必要な王者の自覚

3人のジャッジが出した採点は、1人が110-118、他の2人が116-112、115-113でした。王者の亀田大毅(21=亀田)が2-1のきわどい判定で冷や汗のV2となったプロボクシングWBA世界フライ級タイトルマッチです。

12月26日夜のさいたまスーパーアリーナは、亀田3兄弟のそろい踏み「亀田祭り」で結構、にぎわっていました。「結構、にぎわっていた」と皮肉っぽく表現させてもらったのは、毎度のことですが、この興行には、西岡利晃(帝拳)や長谷川穂積(真正)のときに感じられる、会場に近付くにつれて次第にピリピリと体を突き刺してくるような緊迫感がないからです。

こういうときは、取材する側にとっても、どうにも気合が入りにくくなります。3兄弟が無事に勝ったにしても、その内容に伝わるものがなければ、書き手もダレてしまいます。それがボクシングの試合というものでしょうし、案の定、そんな懸念が大毅の試合で起きてしまいました。

世界ランク14位のシルビオ・オルティアーヌ(32=ルーマニア)を迎え撃った大毅の防衛戦は終始、オルティアーヌが手数で攻め、大毅がそれを受けてカウンターで返す、という展開でした。

引き分けがいいところの試合だった

ジャッジの1人が出した8ポイント差で挑戦者の勝ちとした採点は、最後まで手数で圧倒したオルティアーヌの攻勢を評価したものですが、この試合をテレビで観戦したファンの方々も、それを感じたのではないでしょうか。王者の勝ちとした他の2人の採点は、単発で返す大毅のパンチのクリーンヒット性を見たものでしょうが、最後まで元気がなかった大毅の戦いぶりを考えれば、ちょっと無理があったように思います。たとえそういう見方をしたとしても、引き分けがいいところだったでしょうか。

それは試合後「良くない試合をしてしまった。勝ちでも負けでも受け入れる用意があった」と話した大毅自身が一番良く知っていることです。まあ、今回は10キロ前後の減量を強いられたとかで、コンディションは万全ではなかったようですが、それらを含めて世界王者であれば、悪ければ悪いなりにファンを喜ばせる試合を見せるのがお役目です。

試合ごとに10キロ前後の減量を強いられつつも、あれだけの試合を見せられる長谷川がいい例でしょう。その意味で大毅には策がない試合同様、王者としての自覚が欠けているのでは? と指摘されても、この日ばかりは仕方のない出来でした。

今後について本人は明言を避けましたが、減量苦のフライ級戦はこれを最後として階級を上げたい意向のようです。が、一方には暫定王者ルイス・コンセプシオン(パナマ)との統一戦を回避し続けているとの話もあり、今回の14位選手との世界戦もそれが原因だったと言われています。そうなら正規王者としての意地が感じられません。

亀田家の試合は「常にKOとセット」などと突っ張らず、そろそろ「常に減量苦とセット」を自分に言い聞かせる心の鍛錬が、この世界チャンピオンには必要なのではないでしょうか。

来年、世界を目指す和毅が、まずまずの試合を見せ、興毅も難敵ムニョス相手に日本初の3階級制覇を達成するなど頑張っただけに大毅の不甲斐なさが目立った日となりました。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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