独善的男乃着物考其ノ七

冬型が強まった1月10日の「成人の日」は、突き刺す北風がやたら寒~い一日となりました。

それでも私が住む藤沢(神奈川県)の街では、新成人となった女性たちが、日ごろのレギンスに短パン&ブーツで大股・闊歩(かっぽ)を一転、小股・内股に変えて、華やかな振袖姿でキャッキャッ! と元気のいい笑い声を響かせていました。

袖丈の長い振袖は、未婚女性の第一礼装とされています。成人式の定番、ここでつくる方々も多いと思いますが、その後も卒業式(凛々しい袴姿も多くなりました)や謝恩会、友人の結婚披露宴など、既婚女性の第一礼装である留袖を着るようになるまで、さまざまな場面で活躍してくれます。

さて、ことあるごとにそうした華やかな装いで楽しめる女性(親御さんは大変ですが・・・)と比較して、われら男どもは質素なものです。新成人の面々も、せいぜい新調の背広がいいところでしょうか。私の家の近くで出会った、セレモニーにでも出掛けるのだろう仲良しグループふうの新成人の面々は、振袖姿の女性1人を囲んで男ども4人は、そろって普通のカジュアルな装いで女性の存在感を高めているようにも見えました。

男の和服姿は昨今、本当に街中では見かけなくなってしまいましたが、中には着物が好きで成人の日だとか卒業式だとかに着て行きたいと思う若い人たちもいることでしょう。

男の着物姿は、着る人が周りに少なくなっているだけに今どき、着れば自然に目立つ存在になってしまいますが、成人の日を迎えると翌日、新聞の社会面をにぎわす、成人式の会場で暴れた面々の装いが、決まって派手な原色の羽織袴姿だったりします。若い人たちが、いわゆる「奇をてらう」とか「体制への反発」とかの象徴として、成人式にそうした反体制的な着物で乗り込み、暴れるなら、まったく言語道断、悲しい勘違いです。

女性たちが成人の日に着込む、第一礼装の振袖に対するなら、男たちもしっかりとした第一礼装である「紋付き羽織袴」となります。黒地羽二重に染め抜き五つ紋の長着と羽織。必ず着用の袴は、あの格調高い縞物「精好(せいごう)仙台平」でしょう。この装いで暴れることはまず、考えられないことでもあります。

が、華やかで日ごろ着ない振袖をのびのびと楽しんでいる女性に対し、男のこの種の装いは、いかにもオヤジ的、重過ぎるという感じです。

このコラムは、あくまで着物好きの私の“独善(ひとりよがり)”的な楽しみ方を書いているもので、必ずしも正論ではないことをご承知下さい。

つまり、成人式に初めての和装で臨みたいという若い男たちは、袴だけを何とか着用すれば、他は何でもいいだろう(常識的にあの派手な原色物はダメですヨ)というのが、私の考えです。

私の経験から言うと、私が高校時代から着物が好きだったのは、身近なところにそれがあったからでした。父親が着ていたものなのか、あるいは父親がつくってくれたものなのか、いまだに分かりませんが、私の手元には、ほっこりとした「木綿の久留米絣」があり、ついでに「ウールの袴」もありました。

これを着るとまったく“書生ふう”になってしまいましたが、何はともあれ、集まりのときは、背中に一つ紋の羽織と袴を着けると、洋服でいうダークスーツとなり、堅苦しくない礼装としてオールマイティなものとなりました。若い人たちの和装は、肩肘張らず、こんな感じのほうが、好感が持てていいのではないかと思います。

さあ、男どもも、あでやかな女性に負けず、渋く(男の和装はこれが命ですぞ!)頑張って見ようではないですか!

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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