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「タイガーマスク運動」に思うこと

この現象はいったい、何なのだろう、とつくづく考え込んでしまいます。あっという間に全国的規模に広がった「タイガーマスク運動」です。

もはや、日本において“善意”などという言葉は死語化したのでは? と嘆いてしまうほど、世知辛く、何ごとにも打算的となってしまった世の中にあって、これだけ急激に善行が広がると、疑い深い私などは“まだまだ日本人も捨てたもんじゃネーぞ!”と単純に拍手を送っていていいものかどうか、首を捻る部分も出てきてしまいます。

「伊達直人」と名乗る人物から群馬県前橋市の県中央児童相談所へランドセル10個が届けられたのは昨年12月25日のクリスマスでした。

これを皮切りに、年が明けてこの善行は、連鎖反応的に全国的規模へと広がり、いまさら「伊達直人とは何ぞや?」の説明もいらなくなってしまったかとも思われますが、彼は1960年代、少年漫画雑誌に登場した覆面プロレスラーの「タイガーマスク」(梶原一騎原作)であり、孤児ゆえに自分が育った児童養護施設に寄付を続け、同じ境遇の子供たちを支援するヒーローでした。

さて、この漫画「タイガーマスク」は1968年(昭和43年)に「ぼくら(1月号)」に登場、1970年から「週刊ぼくらマガジン(1号)」に連載、1971年から「週刊少年マガジン」に連載されます。

善行の主は学園紛争世代か?

この時代を振り返って見ると大学が荒れ、いわゆる学園紛争が社会問題化されました。私が大学を卒業したのは1968年でしたが、このころの私立大学は学費値上げ反対闘争が活発化しており、さらにテレビ中継までされて日本中の注目を集めたのが安田講堂攻防の東大紛争でした。

当時、学園紛争に明け暮れ、むなしさだけが残る学生生活を送った大学生が、漫画の「タイガーマスク」を見ていた(読んでいた)かどうかは分かりませんが、読み手の上限を大学生とすると、リング上で刺客相手に命を懸けた死闘を展開させる「伊達直人」が、フッと自分が育った施設に向ける、心根の優しさにたまらなく共鳴した世代は今、40代~60代の半ばあたりになっているのかもしれません。

善意の寄贈者は、あるいは彼らの年齢層が・・・と思う一方、このところは「矢吹丈」や「肝っ玉かあさん」「桃太郎」などの名前も登場して善意の寄付は「伊達直人」を超えてブーム的な情勢となってきました。こうなると、言葉に語弊はありますが、ある意味、オレもオレも、の“付和雷同”的現象を呈してしまわないか、が危惧されるところ。せっかくの善行が違う方向にそれてしまわないことを願うばかりです。

こういう連鎖はもちろん、素晴らしいことで新年早々、それこそ「日本人もまだ、捨てたもんじゃネーよな」と心温まる気持ちにもなるのですが、一方では昨今、悲惨な児童虐待事件も増えて社会問題化していることもまた事実です。このあたりのアンバランスが不安といえば不安な出来ごとのような気もします。

果たして地に足がついているのかどうか、が気になりますが・・・どうでしょうか。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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