FC2ブログ

152秒で決めた15試合連続KO勝利

ドドッと攻め込んだ。1回残り40秒-。

踏み込んで左のボディー、さらに上への左アッパー。左2発で体を浮かせると、すかさず右ストレートをボディーに突き刺した。

凄い攻撃でした。たまらず挑戦者は両ひざをついてダウン。苦しげにマウスピースを吐き出したところでレフェリーは10カウントを数えました。

プロボクシングWBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)のV2戦は、アッという間の速攻勝負、1回2分32秒、開始わずか152秒のKO勝利となりました。

立春の日の2月4日夜、出身地・沖縄での試合(沖縄県立武道館)-。

沖縄での世界戦は過去、3試合行われていますが、日本勢は勝利なしの全滅。その3試合目、1981年3月8日、WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高(協栄)=当時=が、14度目の防衛戦に敗れてから、実に37年を経て、師匠の口惜しさを愛弟子の比嘉か晴らす、というドラマチックな勝利を挙げました。

その勝利はまた、格別のものです。

2014年6月のプロデビュー戦から15試合連続KO勝利。これは沖縄の先輩、元世界王者の浜田剛史氏(帝拳代表)らが持つ日本記録に並ぶものになりました。

以前、連続KO勝ちについて浜田氏に聞いたことがあります。

そのとき、浜田氏はこう答えました。

比嘉は本物~記録保持者の浜田剛史氏

〈連続KO勝利の記録をつくることは、そう難しいことではありません。そういう相手を選べばいいだけのことですからね〉

そういう言葉を聞くと、デビュー当初の亀田興毅などが思い出され、確かに“KOをセット”とした戦闘スタイルでKO勝利の山を築いて観客を沸かせていたものですが、凄ェ~な、と言われたそれは、やがて、オイオイ、どんな相手とやっているの? となり、最後は〈つくられたドラマ〉じゃないか、に変わってきてしまったことは周知のことです。

浜田氏は今回、試合を中継したフジテレビの解説者として現地で試合を観(み)ていますが、比嘉を「ホンモノ」と評したのは、やはり、強い相手に打ち勝ってきたこと、その内容に価値あり、としたからでした。

確かに挑戦者のモイセス・フエンデス(30=メキシコ)は過去、ミニマム級で正規王者、ライトフライ級で暫定王者、と2階級を制覇しており、王者経験者であれば“そういう相手”というわけにはいかなかったことでしょう。

沖縄での世界戦で日本勢が全滅している重圧。連続KO勝利の日本記録に並ぶという重圧。そんなWプレッシャーを比嘉は、わずか1回で打破してしまったのですから、やはり“新時代の星”として、この若者は、それに見合うものを持っているのでしょうね。

この試合の取材に当たったスポニチ本紙の担当記者は、試合前日、比嘉の面白いコメントを報じてくれていました。

KOで勝てば特別な王者になれる。KOできなければ普通の王者。負ければただの人」-。

今、確実に比嘉は〈特別な王者〉となり、次戦の3度目となる防衛戦以降が注目される選手となりました。

浜田氏は、15試合連続KO勝利の日本記録を1980年(昭55)2月から1986年(昭61)4月にかけて達成していますが、比嘉は実に30年以上も前のこの記録に並んだことになります。

この記録に関しては、止まっていた時計を動かした若者の勢い-。

それがこの先、どれだけの数字を上積みしていくことになるのか。記録の更新を含めて比嘉への注目度は、これからどんどん増していくことになるでしょうね。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR