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バンタム級に階級を上げた怪物

プロボクシングの「バンタム級」(リミット53・52キロ)と言えば、私が思い出すのは、やはり〈辰吉丈一郎〉です。

1990年9月11日、東京・後楽園ホール。プロ4戦目で日本バンタム級王者・岡部繁(セキ)に挑み、4回、左フックと右ストレートの鮮やかな連打で圧倒、日本王座を獲得しました。

体の柔らかさ、連打の速さ、攻防に芸術性さえも感じさせた、天才の片鱗をのぞかせた試合-。

そして1年後の1991年9月19日、WBC世界バンタム級王者グレグ・リチャードソン(米国)を10回終了TKOに下し、プロ8戦目で世界王座を獲得しました。

その後に発覚した眼疾により、この天才は迷走を余儀なくされますが、不死鳥のように立ち上がった1994年12月4日、名古屋市総合体育館レインボーホールで行われた暫定王者・辰吉(大阪帝拳=当時)vs正規王者・薬師寺保栄(松田=同)の死闘は、ボクシング界の出来ごとを超えて、まさに日本中を震撼とさせた試合となったことは周知のことです。

後に続いた日本のバンタム級史に輝く、長谷川穂積(真正=引退)、山中慎介(帝拳=引退)の名王者たち・・・。

バンタム級はね、エデル・ジョフレ(ブラジル)なんだよ。なんたってエデルの強さは「ガロ・デ・オーロ」(黄金のバンタム)と命名されて称えられたんだからね。

駆け出しのころ、バンタム級の華やかさを「黄金のバンタム」と書いて先輩記者に“勉強不足”と叱られ、これはジョフレの抜群の強さから名づけられた愛称なのだ、ということを教えられ、目の覚める思いをしたことが思い出されます。

そうした歴史を持つ、ひと味もふた味も違う階級がバンタム級-。

そのクラスにまたまた、新たな歴史を築きそうな俊英が加わってきました。

さらなる進化を遂げる可能性も・・・

そうです。2階級制覇王者の井上尚弥(24=大橋)ですね。

昨年12月30日、神奈川・横浜文化体育館でWBO世界スーパーフライ級王座のV7戦に臨んだ井上は、挑戦者ヨアン・ボワイヨ(フランス)に格の差を見せつけ一蹴、3回TKO勝利を挙げました。

かねがね、スーパーフライ級(リミット52・16キロ)では、ウエート調整が厳しく、転級を臨んでいた井上でしたが、2018年を迎えて決断に踏み切り、このほどWBO世界スーパーフライ級王座を返上、WBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(31=英国)への挑戦が決まりました。

注目の試合は5月25日、東京・大田区総合体育館で開催されます。

さて・・・一般的に階級の上げ下げは、どんな現象を生むか-。

前回のボワイヨ戦後に元世界王者の浜田剛史氏に聞いてみました。

-階級の変化によって変わるものは?

浜田氏「スピードとパワーが関わってきますね。ウエートを下げれば、パンチを含めてスピードが上がります。一方、ウエートを上げれば、パワーは増しますが、スビートが落ちますね」

-そのあたり、井上に変化は出るでしょうか?

浜田氏「井上の場合は、スピード、パワーとも、問題ないと思いますよ。むしろ、適正なウエートを得てキレが増す可能性もある」

-やることは今のままでいいということですか?

浜田氏「今の状態でいいと思います。まだまだ伸びしろを感じるし、いいところを伸ばすことを心掛けることですね」

力強いコメントですね。その調子で井上が勝てば3階級制覇となります。

井上が史上最強を誇った“黄金のバンタム”ジョフレに迫る王者になれるか。

長谷川が、山中が、ともにリングを去った今、井上が新しい時代を築いてくれることに期待したいと思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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