新しい事故原因の形態~“ながらスマホ”

3月20日朝-。

朝食を摂りながら新聞に目を通していると、社会面にちょっと目を引く記事が掲載されていました。

車を運転中の“ながらスマホ”で死傷事故を起こした被告に対し、この事件を扱った地裁が、検察側の求刑を上回る判決を言い渡した、という出来事です。

ヘェ~、こういうの、あんまりないよね、というのが最初の感想。だいたい判決は、検察側の求刑を下回るものです。とともにそれだけ、これまでは〈マナー違反〉として指摘されていた“ながらスマホ”が、蔓延する社会にあって、もはや悪質な犯罪として受け止められ、厳しく警鐘を鳴らす判決だなァ、とも感じられました。

出来事は2017年11月、名神高速道路の下り車線で起きています。スマートフォンを見ながらトラックを運転していて前方の乗用車に追突するなど多重事故を起こし、5人を死傷させたという事件です。

被告人に対して検察側は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で「禁固2年」を求刑していましたが、大津地裁は実にそれを上回る「禁固2年8月」の実刑判決を言い渡しました。

新聞記事によると同地裁・今井輝幸裁判官は「検察側の求刑は、従来の過失の類型に当てはめて過小評価している」と述べ「運転手が(スマートフォンの)小さな画面に意識を集中させてしまう」として、この種の事故を「新しい事故原因の形態に当たる」とし昨今、社会に蔓延する“ながらスマホ”を厳しく糾弾する姿勢をその言葉に感じました。

刑法が規定する刑の種類のうち、禁固は自由を拘束される刑に当たり、懲役同様に刑務所に収監されますが、懲役に科される作業はありません。

蔓延する危険に警鐘を鳴らす判決

また、禁固は主に「過失運転致死傷」や「業務上過失致死傷」などに科せられ、もちろん状況によりますが、多くの場合、執行を猶予されることが、過去の例としてあります。

その意味で、求刑を上回る量刑を下した判決、また、被告人が目的地までの時間を調べるために地図アプリを開いた点について「スマホ操作に緊急性はなく、非難の程度は相当高い」と今井裁判官は決めつけ、執行猶予をつけなかった判決、などに認識を含めた事の重さを感じました。

実際、さまざまな注意、警告がなされる中、車を運転しながらは論外として、自転車を運転しながら、あるいは歩きながら、などの“ながらスマホ”は後を絶たないですね。

私自身、歩行中や自転車に乗っているときなどに“あわや”の危険は結構、経験していますが、最近は特に自転車の“ながら運転”に目に余るものを感じます。

主に男女高校生に多い暴走自転車には、まさに周りが見えない、自分だけの道、といった驕りがありますね。彼や彼女は、自分で間一髪、よけているという自信があるのでしょうが、実は衝突の危機を感じた側が先によけているということが見えないのでしょうか。

今年2月に起きたひどい事故は、新聞紙面でその状況を知り、ア然とさせられます。

神奈川県麻生区の女子大生が起こした重過失致死容疑は、事件を扱った神奈川県警麻生署によると、女子大生は左手にスマホ、右手に飲み物を持ちながらハンドルを支え、左耳にイヤホンをしていたそうです。スマホをポケットにしまおうと下を向いた瞬間の衝突、死亡事故・・・。

もはや“ながらスマホ”の事故は、ついうっかりでは済まされなくなっています。この例は自転車の事故ですが、坂道でスビート出し過ぎた小学生が高齢の女性に衝突、事件を扱った地裁は、小学生の親に9500万円の賠償を命じているのですから。

厳しい判決が下された今回の例、さまざまな危険をはらむ、街中に蔓延する“ながらスマホ”の数々・・・あなたは高額の賠償金を覚悟で〈それでもやりますか?〉と聞いてみたい気持ちです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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