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村田の“圧”は怖いくらいだった

全身に漂わす自信というか、無言の圧力というか・・・ちょっと言葉で表現しにくいのですが、何かひとつの大きな壁を打ち破ったことで生まれた強さ、のようなものを感じました。

4月15日夜、神奈川・横浜アリーナ(観衆1万1000人=主催者発表)で行われたプロボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチで初防衛に成功した王者・村田諒太(32=帝拳)です。

2107年10月22日、王者アッサン・エンダム(フランス)とのリマッチに勝利して戴冠してから6カ月-。

村田の初防衛戦は、王座を獲ることよりも難しいと言われる難関にどう挑むのか、日本人初となるミドル級の世界王座防衛にどう挑むのか、という、大きなプレッシャーのかかる2つのテーマがありました。

が、リングサイドの記者席に座った私の目に映った、入場の際の村田は、少なくとも表向き、そんな緊張感を感じさせずに穏やかな表情を見せています。

分析マニアの村田は、初防衛戦がなぜ難しいとされるのか、を〈王者となって強さを見せつけようとする過剰な意識にあるのでは?〉とつきとめており、だから試合前、プレッシャーをかけて距離を詰めていくのが自分のスタイルだが、今回は(気持ちを)前のめりにさせず、距離を保ちながらプレッシャーをかけていきたい、と話していたものでした。

展開を振り返ってみましょう。

鬼門の初防衛戦をTKO勝利でクリア

村田は滑り出しから、ガードを固めたいつも通りの構えで重圧をかけますが、必要以上に突っ込むことはありません。

相手のエマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)は、足を使って動きながら小刻みな手数で攻めるテクニシャンですが、それが通用したのは1回のみ。2回以降は、村田の“圧”に押しまくられ、逃げ回る形となってしまいました。

思わず私が、ウ~ン、凄い、怖いくらいだな、と隣りに座っている他社の記者に話しかけてしまったのは、村田が放つ圧迫がリング下の記者席にまで押し寄せてくるような感じを受けたからです。

ただ、そうした中、いい勝ち方をしようと前のめりになることを禁じた分、逃げ回る相手を捕まえられずに手こずったイメージも与え、会場からは“早く倒せ!”の声も聞こえていました。

そして迎えた8回。それまでのボディー攻撃で弱っていたブランダムラに右ストレートを放ち、ダウンを奪い、試合を決めました。

リング下で試合を見守った元世界王者の浜田剛史氏(帝拳代表)は、両選手を比較したとき、精神的な差が大きい、とし、村田の〈自分をコントロールする力〉は並みでない、と話しました。

確かに冒頭に記した2つの難題、さらに逃げ回る相手をなかなか捕まえられずに内面、苛立ちもあったことと思いますが、焦らずに最後は倒して勝ち、ファンを納得させたこと-。

日本人にとってタイトル奪取さえ至難の技のこの階級で、五輪チャンピオンの村田といえどそうそう長持ちはしないだろう、と失礼ながらそう思っていましたが、村田の心技体は、私たちが想像する以上のものがあることを感じた初防衛戦でした。

周辺には、次回V2戦はラスベガスのリングで、とか、年末には3団体統一の最強王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と東京ドームで、などビッグな構想が飛び交っています。

もちろん先行きは、ひとつとして楽な道はありませんが、村田はひょっとしたら、これらが構想倒れに終わらず、立ち向かっていけるのではないか、と思ってしまうV1戦の戦いぶりでした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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