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相次ぐ減量失敗に思うこと

このところのプロボクシング界は、減量失敗が相次ぎ、頭の痛い問題となっています。

前WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)との再戦の際に現世界同級王者ルイス・ネリ(メキシコ)が、前日計量時、1回目でリミット(53・52キロ)を2・3キロもオーバー、再計量でも1・3キロのオーバーで王座を剥奪されました。

ネリへの非難が集中し、その余韻が冷めない中、今度は若手期待の“沖縄ファイター”WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)がやってしまいました。

前日計量時、リミット(50・80キロ)を900グラムのオーバー。比嘉の減量苦は、試合のたびに指摘されていましたが、今回はどうにもならずギブアップ、ネリ同様、王座剥奪となってしまいました。

意図的なものが感じられたネリとは違い、比嘉には11キロを落とす苦行がつきまとっており、周囲からは同情の声も聞かれたものでしたが、沖縄の先輩・浜田剛史氏(帝拳代表)は「同情の余地はない」ときっぱり言い切っていました。

プロボクサーであれば、減量も併せてそれが仕事であり、まして世界王者であれば、減量失敗は自分への敗北、恥、という厳しい考え方-。

それは浜田氏自身、現役時代(元WBC世界スーパーライト級王者)に毎試合、約13キロの減量を強いられていたことから来るものでした。

では、日ごろ77キロ前後だった浜田氏は、リミット63・50キロに向けて、約13キロをどんな方法で落としていたのでしょうか。

浜田流は、試合日の45日前から減量を開始します。45日間を3段階に分け、1段階15日間で平均4・3キロを落とすやり方です。

手引書の作成・配布も必要なのでは?

ちなみに減量開始前と後の食事を比較してみると、前が朝・昼兼ねてステーキなどの肉食、野菜、パンかごはん、紅茶、ジュース類。夕は魚類、卵料理、野菜、スパゲティかごはん、紅茶、ジュース類。

これが減量開始後には、朝・昼兼ねてスパゲティ、野菜。夕は野菜、すっぽんの血、と減量前に比べて基本的に脂もの、コメ、水分が減り、その分、野菜が増えているのが目立ちます。

この長期的な減量計画にあって、最も苦しいのが第2段階の15日間なのだそうです。開始時の第1段階では比較的スムーズに下降線を描きますが、第2段階あたりから落ちが鈍くなり、この段階で減量のリズムを崩してしまうと、第3段階の15日間で絶食などの最後の手を使わざるを得なくなるそうです。

浜田氏の減量計画は、試合の5日前にリミットに落とすことを目標にしていますが、これは空腹感を体になじませ、空腹の状態が当たり前の体にしてしまう、といいますから、まあ、ボクサーの減量というものは、壮絶といえるかもしれませんね。

浜田氏の回想によると・・・現役時代、第2段階のきつさの中、夜、眠れずにウトウトしながら見る夢は、水道の蛇口から出てくるのはジュースだったりして、これはもう、相当に切羽詰まったものになります・・・ということでした。

もっとも、今はすぐれたサプリメント類も多く出回るようになっており、その摂取や科学的方法で心身への負担を少なくする方法が研究されており、浜田氏の例は、ハングリーこそが強さを生む、という時代によるものかもしれません。

が、楽に流れるサプリメントの類も、ひとつ間違えれば、今度はそれがドーピング違反に触れることも考えなければならず、慎重を要します。

また、タイ人選手たちが好む、長期間の苦痛を回避して直前にストンと落とす方法も多くなってきています。

浜田氏のように我慢の45日間を耐え抜くか、落ちなかったときの危機を承知で直前まで楽をするか、さまざまなやり方があっても、結果として減量失敗に終わってしまっては意味がありません。

計量時での体重超過が増加する昨今、この問題は、単純に違反者への罰則を強化するだけでなく、効果的な減量の仕方をマニュアル化するなど、もう一度、見直すことが必要なのかもしれません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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