ボクシング史に残る大激闘だった

上への左右4発から狙い通りのボディーへの左一撃-。

勝負を決めた10回の攻防。ロマチェンコの“ハイ・テク”攻撃は、さすが! というか、凄すぎたですね~。リナレスは残念でした・・・が、やはり、この対決、仕方なかった、かもしれませんね。

5月12日(日本時間同13日)、米ニューヨーク州の“殿堂”マディソン・スクエア・ガーデンで開催されたプロボクシングのWBA世界ライト級タイトルマッチ、王者ホルヘ・リナレス(32=ベネズエラ、帝拳)vsWBO世界スーパーフェザー級王者の挑戦者ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)の激突です。
試合の模様は5月13日午前9時からWOWOWで生中継

9回まで3人のジャッジが互角(85―85、86―84=リナレス、84―86=ロマチェンコの三者三様)とした熱戦を振り返ってみましょう。

天才vs天才、スビートvsスピード、カギを握るのは距離の取り方、とされた試合は、予想通り、滑り出しから、微妙な間合いの取り合いとなる緊迫した展開となりました。

左ジャブを軸に距離感をはかりつつ、様子をうかがうリナレスに対してロマチェンコは、左右に動きながらリナレスの距離を潰し、積極的に中に入ろうとしてきます。

序盤から中盤にかけて、リナレスのワンツーなど直線的な攻撃と、ロマチェンコの常に正面にはいないサイドからの攻撃が続きます。目立つロマチェンコの手数。

最初の大きな動きは6回でした。5回まで先手の攻撃で勢いづいていたロマチェンコは、この回も前進、左を放った瞬間にリナレスの右ショートが絶妙のタイミングで炸裂。たまらずロマチェンコはストンと腰を落とし、キャリア初のダウンを喫します。

ハイ・テク&ハイ・スピードの妙

そして7回。WOWOWの解説を務めていた西岡利晃氏(元WBC世界スーパーバンタム級王者)が、ここが勝負どころ、と指摘したように、リナレスにとっては攻め込みどころでしたが、思ったように手が出ず、逆にロマチェンコが、残るダメージに苦しみながらも、前に出てリナレスを抑え、この攻防の明暗が勝負の流れを分けたかもしれません。

リナレスは9回、高速連打でロマチェンコをぐらつかせる場面をつくったものの、しのいだロマチェンコは10回、上から下へ教科書通りの攻撃でリナレスを倒しました。

ロマチェンコの10回2分8秒、TKO勝ち-。

それにしても・・・この勝負には、勝った、負けた、を超えたレベルの高さがありました。

互角を打破するための多彩な攻略法。超高速コンビネーション。2016年6月にWBO世界スーパーフェザー級王座を獲得後、4人の挑戦者をことごとく途中棄権に追い込んだロマチェンコの“異能”に対し、敗れて4度目の防衛に失敗したものの9回まで互角の戦いを繰り広げたリナレスの資質の高さ・・・。

2人の戦いを観(み)ていて思ったことは、ボクシングという競技の奥の深さ、戦うボクサーが極めるレベルの高さが、この競技をどんどん高みにのし上げていく、ということでした。

ベネズエラ出身のリナレスは、17歳時に帝拳ジム(本田明彦会長=東京・新宿区)と契約して来日。日本で成長しWBC世界フェザー級王座、WBA世界スーパーフェザー級王座、WBC世界ライト級王座、と3階級を制覇しました。

2008年北京(フェザー級)、2012年ロンドン(ライト級)の両五輪で金メダルを獲得したロマチェンコは、プロの世界でも、世界最速の3戦目でWBO世界フェザー級王座を獲得。その後、7戦目でWBO世界スーパーフェザー級王座を獲得し世界最速の2階級制覇達成。今回の勝利は、12戦目で3階級制覇達成という世界最速を記録しました。

大勝負が終わり、今後に関して・・・天才リナレスが止められなかった天才ロマチェンコの進撃をこれから誰が止めるのだろうか、という新たな興味がムクムクと湧き上がってきましたが、果たして・・・。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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