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記者は“ナマ”で試合を観られない?

5月20日、25日とプロボクシングの世界戦計4試合が行われることで、このところ、出場選手たちの事前公式行事(公開練習など)が立て込んでおり、それが行われるジムや会場通いが続いています。

そういう話を友人たちにすると、決まって返ってくるのが、記者っていいね、いつもナマで選手たちの姿を見たり、接したり、出来るんだものね、といった言葉です。

それは試合当日にも及び、記者の人たちは皆、あのリングサイドの席に座って観ているんだろ、うらやましい、などとも言われます。

まあ、それは私も現役時代を含めて、ボクシングに限らず、相撲やゴルフ、野球など、担当を命ぜられた種目を年がら年中、現場に行ってナマで観ていることは確かです。記者というのは、それが仕事なのですからね。

が、しかし、正確に言うと、現場での仕事は、友人たちが言う“いつもナマで・・・”というのとは、ちょっと違ってきます。

例えばプロボクシングの世界戦の場合、会場内には記者用のワーキング・スペースが設けられます。それは記者室とリングサイドの記者席の2カ所です。

記者たちがどちらに陣取るかは、やるべき仕事によって変わってきます。

試合は横目で・・・主眼は人間ドラマ

ボクシングの試合はたいてい、夜に行われますから、新聞製作上、早い版(早版=地方など遠隔地に配布する新聞)をつくる必要があり、それは試合終了を待っていては間に合いませんから、早版を受け持った記者は、リングサイドの記者席に座り、ゆっくりと試合を観ている暇もなく、ガンガンと途中経過をパソコンに打ち込んで本社に送り込む作業を行います。

他方、遅い版を受け持った記者は、途中経過より、勝ったり負けたりした選手の人間ドラマをメーンの記事にしようとしますから、ほとんどが記者室にこもり、設置されたテレビで観戦、試合はざっと把握する程度で選手が控室に戻ってくるのを待つ、というのが常です。

つまり、試合をナマで観ていない状況-。

ですから・・・記者たちは現場に出ますが、実際は友人が自宅でテレビ観戦するのとあまり変わらない状況下に置かれます。

友人がうらやましがった、リングサイドの記者席に座ろうものなら、試合は横目、こちらは時間との戦いでパソコンのキーを叩きっ放し、うらやましがられる要素はほとんどないのが実情です。

私のスポーツ記者としてのスタートは、相撲担当からでしたが、この分野も“いつもナマで・・・”がなかったところでしたね。

“相撲場”と呼ばれる国技館の記者用のスペースは、記者室と土俵に近いところに机が設置され、掘りごたつのように足を入れて座れる“ドブ”と呼ばれる記者席の2カ所です。

“ドブ”に座って相撲観戦などというのは、よほどのベテラン記者か、お前、取りあえず相撲をよく観て勉強しろ、と先輩記者に言われた駆け出し記者くらいのもので、だいたいは東西の支度部屋に入りびたり、勝負の模様はそこでのテレビ観戦、後は帰ってくる力士にへばりついて談話の聞き取りに専念します。

従って記者自身も不思議に思うことですが、そういえばオレたち、じっくりナマで試合を観たことってあまり記憶にないよね~といった日々です。

ある意味、記者たちのこうした日常は、試合が行われている会場にいるのにナマで観ている時間が少なく、、どこか寂しいというか、情けないという感じもしますね。

まあ。しかし、それが日々、時間に追われながら新聞記事を送り込む記者たちの宿命でもあるのでしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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