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万葉公園に蛍を観に行く

卒業ソングの定番に「蛍(ほたる)の光」がありますね。

蛍の光 窓の雪
書(ふみ)読む月日 重ねつつ・・・

誰もが脳裏に刻み込んでいる、冒頭のこの歌詞は、蛍が放つ光や雪に反射して窓から差し込む月の光を使って書物を読む日々を重ね・・・と解釈されています。

ちなみに高校時代、身近にあった受験雑誌が「蛍雪時代」であり、故事にも「蛍雪の功」があり、この「蛍」と「雪」は、貧苦に負けずに勉学に励む苦学生、の代名詞のようになっています。

〈蛍雪(けいせつ)の功〉=「『蛍雪』は貧乏のため灯油が買えず、袋に蛍を集めてその光で書を読み、あるいは雪明りで書を読んだ、という故事。『蛍雪の功』は苦学した成果」(広辞苑)

まあ、たとえだとしても、月光に照らされた雪明りが、本を読める明るさにもなる、ということは確かです。しかし、蛍は何頭(蛍の数え方は「1頭(とう)」「2頭」・・・だそうですよ)集めたら、果たして本が読めるくらいの明るさになることででしょうか?

そういう屁理屈からではありませんが、6月上旬の某日、鎌倉散策シリーズでおなじみの鎌倉好きの例の友人Fから連絡が入り、湯河原に蛍を観に行こうぜ、ということになりました。

ヘエ、蛍ねェ~。そういえば、私などは蛍をこれまでに見たことがあったかなァ、などと遠い記憶をたどったりしてしまいますが、栃木県出身の友人Fは幼年時、身近なところに蛍の群れが飛び交っていた、とのことで何やら、この〈ホタル科の甲虫〉にどうやら、愛着というか、郷愁を覚えるのだそうです。

・・・ということで出掛けました。

「蛍雪」の忍苦とは対照的な光の舞

私が住む藤沢市(神奈川県)のJR東海道線「藤沢」駅から下り各駅停車の「熱海」行きに乗車して約40分。「熱海」駅からひと駅手前の「湯河原」駅に着きました。

ここで午後4時30分、友人Fと待ち合わせ。合流の後、駅前から出ている「不動滝・奥湯河原」行きのバスに乗り約10分、途中「落合橋」で下車します。

目の前に「万葉公園」が広がり、このうっそうとした森の中にある「花木園」という場所が蛍鑑賞の中心地なのだそうです。

私たちが着いた時間は、まだ日が高く、蛍の出現は当然のことながら夜であり、それも午後8時くらい、だというので時間潰しにひと苦労です。ひと通り万葉公園を散策した後、入り口に戻ると、観光会館前の広場にはテーブルと椅子がセッティングされ、屋台がオープンしていました。

湯河原温泉観光協会は、この蛍が見ごろ(花ではないし見ごろというのでしょうかねェ)のこの時期、6月1日から同13日までを「ほたるの宴」と称して力を入れており、広場の屋台風景は、さながら「夏祭り」の様相を呈していました。

やがて空が次第に暗くなり、午後7時過ぎころから、集まった人たちが動き始めました。私たちもそれに続き、進行方向左に流れる渓流の音を聞きながら歩くと、オッ、いたぞ! と友人Fが教えてくれます。

どこどこ、あっ、あれか、と暗がりに小さな点を発見、私にとっては、それが蛍との初遭遇という歴史的な? 瞬間となりました。

無数が飛び交っていた「花木園」は、大勢の人が取り囲んで見物しており、蛍が光を点滅させながら、優雅な飛行を繰り広げていました。

係員によると、ここを飛び交う蛍は「ゲンジボタル」だけで、幼虫まで万葉公園内の“蛍小屋”で飼育され、その後、3月中旬に地元・湯河原小1年生の手によって放流される、とのことでした。

ちなみに蛍が発光させるのは、オスとメスが相手を探すためなのだそうです。つまり暗闇の中でのナンパの仕合といったところですかね。

なるほど・・・秋口に飛びかう大量の赤トンボの群れも生殖のため、と言われていますが、飛び交う時期というのは、たいてい、そういうことなのですね。

湯河原観光協会は「夜のとばりが降りるころ、万葉公園の水際にゲンジボタルが舞い踊ります!」と力を入れますが、この昆虫群の実態は、幻想的とは裏腹に極めて現実的な行為なのでした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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