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揺れるアマチュア・ボクシング界に思う

都道府県各連盟の関係者333人による「日本ボクシングを再興する会」が、スポーツ庁(JSA=鈴木大地長官)や日本オリンピック委員会(JOC)などに提出した告発状により、アマチュア・ボクシングの組織「日本ボクシング連盟」(山根明会長)が揺れに揺れています。

日ごろ、あまり表沙汰にならないアマ組織の「日本ボクシング連盟」ですが、それだけに提出された計12項目にもわたる告発の内容にメディアが飛びつき、特にテレビの情報番組は、これでもか! とばかり、トップに立つ山根会長という人物を中心に根掘り葉掘りを報じています。

一人の権力者の専横が巻き起こす横暴という視点は、先ごろ、悪質タックル問題に端を発して明るみに出た日大アメリカンフットボール部、ひいては日大が持つ構造と同様であり、笑う場面ではありませんが、両組織の権力者の風貌がどこか似ているのには、思わず吹き出してしまいます。

日本スポーツ振興センター(JSC)が五輪強化選手個々に交付する助成金が、他選手にも分配されてしまうなどの不当な流用やその他の問題の数々は、告発状を受け取ったJSAやJOC、さらにその上部組織の文部科学省などの徹底調査で検証、解明され、一日も早くまともな姿に戻されなくてはならないことだと思います。

何しろと2020年東京五輪は、もう2年後に迫っているのですから、一人の権力者の横暴に付き合い、怖くて口を出せない、などと背中を向けている場合ではないでしょうに・・・。

今回、明るみに出た数々の不祥事の中、私が断固、大きな問題として取り上げるべきだ、と思うのは〈不正判定〉をめぐる疑惑について、です。

あってはならない不正審判問題

新聞各紙、テレビ各局は、これを〈奈良判定〉として問題提起、報じています。つまり、山根会長がかつて、奈良県連盟役員を務めた奈良県の選手を優遇している、という、あってはならない問題です。

確かに「日本ボクシング連盟」が釈明するように、アマのボクシングはプロと違い、ダウンをひとつのクリーンヒットとし、プロのように2ポイントを失って「8」となるような重きを置いてはいません。

しかし、それも程度問題で2度ダウンを喫した奈良の選手を勝ちとするのは行き過ぎというものでしょう。

疑惑判定の問題は昨今、プロの世界でもしばしば起きており、関係者は、何をどう見るか、で頭を悩ませています。

プロのジャッジは、選手が1ラウンドそれぞれ「10」のポイントを持ち、劣勢のほうを減点していく方式を取っています。世界戦で「10-10」は好ましくない、という指示もあり、互角の展開でも優劣がつけられますが、そのケースでのジャッジ、例えば効いていない軽いジャブでも、手を多く出していることが評価される、ということが起きます。

一方、手数を出していなくても単発で有効打を放っているケースとの比較、どちらを評価するかというジャッジの判断がしばしば、おかしな判定を生むことにもなりますが、スポニチ本紙の世界戦評論でおなじみの浜田剛史氏(元世界王者=帝拳代表)は、このジャッジ構成による結果はこうなった、同じ試合内容でも、他のジャッジ構成では違う結果が出されることもあり得る、というとらえ方をしています。

人が行う採点競技の難しさであり、しかし、それは採点技術の範囲だけにとどめておいてもらいたいもの、プロのホームタウンデシジョンのように、アマでもそこに奈良判定のように“忖度”が入ってきたら、それはもう論外、ボクシングだけでなく採点競技そのものが成り立たなくなってしまいます。

矢面に立たされた山根会長は、提出された告発を全面否定、受けて立つ構えを見せているようですが、あってはならない判定問題に関しては、厳しく追及して事実関係をハッキリさせてもらいたいと思います。

これは重要な問題ですね。そうでなければ・・・厳しい練習の日々を送ってリングに立つ選手が気の毒、というものでしょう。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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