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微笑ましい「そだねー」の裏に・・・

年末恒例のイベント「2018ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識・選)の表彰式が12月3日行われ、年間大賞に「そだねー」が選ばれました。

「そだねー」は、今年2月の平昌冬季五輪でカーリング女子日本代表の「ロコ・ソラーレ(LS北見)」が銅メダルを獲得した際、作戦などの決定・確認時に聞かれた言葉。緊迫感あふれる攻防にあって、ローカル色豊かな北海道なまりの「そだねー」が、何か観る側の気持ちを和らげていたような気がします。

スポーツ分野にノミネートされた計9語の言葉群にあって、日大アメリカンフットボール部の「悪質タックル」や日本ボクシング連盟・山根明前会長の「奈良判定」など、スポーツ界の古い体質を糾弾する動きも、時代の変わり目となる平成年代の最後に記憶にとどめておきたい言葉ですが、やはり「そだねー」が選ばれてみると、その“さわやかさ”に聞いたものが皆、笑顔になってしまう、という点では右に出るものがない言葉ですね。

ちなみに冬季五輪から出た言葉としては、2006年トリノ五輪のフィギュアスケート女子で金メダルを獲得した荒川静香の「イナバウアー」以来とのことでした。

トリノ五輪といえば、カーリング女子にとってもターニンク・ポイントとなったイベントでしたね。

カーリングは、1998年長野五輪で正式種目となっていますが、当初は認知度が低く、地域が支えるローカル・スポーツとしての範囲から、なかなか出られないでいました。

日本中を魅了した北海道なまり

それがトリノ五輪で弾(はじ)けます。緻密な戦略を要することから「氷上のチェス」などと呼ばれ、トリノ五輪では、日本代表女子の「チーム青森」が順位は7位に終わったものの、カナダ、英国など強豪を撃破する活躍を演じ、テレビ中継も力が入り、これまでは見向きもしなかった人々をテレビの前にクギ付けにさせて“面白い”とうならせるブームを巻き起こしました。

とはいえ、メンタル・ゲームのカーリングは、マインド・スポーツ的な要素が強く、スポーツと言えるのだろうか、などの見方は誰もが感じるところでした。

これに関して2010年バンクーバー五輪のとき、元女子アーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)の選手で現在、メンタルトレーナーとして活躍する田中ウルヴェ京さんが、当時のスポニチ本紙に興味深い原稿を寄稿しています。

〈「スポーツ(競技)は、肉体の限界への挑戦でなければならない」という偏見を持っていた私は「カーリングはスポーツじゃない」と思っていた。(略)しかし、ここ数日、私は一視聴者として「スポーツとしてのカーリング」の魅力に取りつかれている。(略)〉

その理由を田中さんはこう続けます。どんな競技のメンタル指導でも必ず行うのが①フィジカル(身体的)メンタル②タクティカル(戦略的)メンタル③テクニカル(技術的)メンタル④スピリチュアル(哲学的)メンタル-の4要素であり・・・。

〈カーリングを観るとき、最も興味深く感じるのは、選手たちの戦略的、技術的メンタルだ。(略)彼女たちは「しっかりやろう」ではなく「しょせん練習以上のことなど出来ない。自分たちが出来ることだけやる」くらいの「達観」に心境変化できたことが勝因につながっていたのではないか。(略)〉

「自然体」や「平常心」は誰もが思うことですが、それが出来れば・・・の難しさがあります。

そう考えると、何ともノホホンとした「そだねー」には、いつも通り「欲張らず」「頑張り過ぎず」にやろうね~がにじみ出て何やら、奥深い一言のような気がしてきました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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