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災いを転じて福となす

2018年の世相を反映させる「今年の漢字」(日本漢字検定協会発表)は『』となりました。

2004年に続く2度目の『災』は、また「平成」を締めくくる最後のひと文字ともなり、そうだなァ、平成という時代は、昭和を経て、来たるべき新しい時代をつなぐ“過渡期”のとき、だったのかもしれないなァ、と考えてしまいました。

『災』が選ばれた理由は、北海道の地震、西日本を襲った豪雨、など自然災害の多発が要因でした。今夏の異常だった暑さなども含め、地球の温暖化がもたらすのだろう、多岐にわたる災害規模の想定外の大きさ、それに対する人々の防災意識の高まり・・・。それらは私たちのこれまでの考え方や常識・意識を方向転換せざるを得ないことを強いました。

スポーツ各界、特にアマチュアスポーツ界で起きた『災』の数々も、指導者のあり方を見直すことが求められました。

確かに日本のスポーツ界は、1964年(昭39)に開催された最初の東京五輪で顕著だったように、バレーボール女子を金メダルに導いて「東洋の魔女」に仕立てた大松博文氏の「オレについてこい」とか、レスリング男子勢の活躍を生んだ八田一朗氏の「剃るぞ」とか「ライオンとのにらめっこ」とか、指導者には絶対服従のタテ社会、厳しい体育会的規律で日の丸を掲げ、そしてその方法は称賛されもしました。

そうした時代を経て今年、女子体操や女子レスリングなどで次々にパワハラ、セクハラ問題が表面化して社会を騒がせました。

日大アメリカンフットボール部の悪質タックル騒動、アマチュアボクシング界の奈良県選手の理不尽勝利、などは「悪質タックル」「奈良判定」として今年の「新語・流行語大賞」にノミネートされたほど社会問題化しました。

これらの出来事は言語道断としても、指導者に絶対服従的な育成法は、良し悪しがあっても、ある意味、日本の伝統としてスポーツ界を支えてきたものであり、しかし、それがもはや“古い体質”として受け入れられなくなったのは、やはり、時代の流れ、というものなのでしょう。

今年の漢字「災」の後に来るものは?

そうした大波をモロにかぶって改善を求められたのが大相撲界でした。付け人のあり方や「兄弟子は『ムリ偏(へん)にゲンコツ』と書く」など、プラスに転じれば、悔しさをバネとして成長を期す育成法を、もはや“古い体質”として世間の糾弾を浴びました。

日の丸を重々しく背負って歯を食いしばる昭和の時代から、平成の時代は、もっとノビノビとやろうじゃないか、と旧体質のウミを出し切ってしまうことが求められ・・・そして迎える2019年、2度目の東京五輪開催まで1年8カ月と迫る新年は、どんな形のものが生まれるのでしょうか。

面白いもので『災』に関する諺(ことわざ)は、その後に『福』が来るものが多いですね。

例えば-。

〈災いは福のよるところ〉
〈災いも三年たてば役に立つ〉
〈災いを転じて福となす〉

-などなど・・・。

いずれも、今の災いをしのげば、ときを経て必ず幸福が来るから落胆するな、という諺ですが、来年5月に新元号となる新時代は、福にあふれたものにしたいものです。

そんなことを思う矢先-。

関西学院大が2年ぶり29度目の優勝を決めたアメリカンフットボールの「甲子園ボウル(全日本大学選手権)」(12月16日=甲子園)で関学大QB奥野耕世(2年)が、甲子園ボウルのMVPに輝くとともに年間最優秀選手(ミルズ杯)にも選ばれました。

奥野と言えば、今年5月に日大との定期戦で日大DLに故意の悪質タックルを受けた被害者です。

早くも〈災いを転じて福となす〉であれば、すべてがこれに続きたいものですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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